【理科のコツ】豆電球と回路/電流と電磁石

中学受験/理科・物理
テーマ:電流・回路・電磁石

豆電球と電流・電磁石をイメージで理解する──直列・並列回路から電磁波まで

回路図を見ると「なんか難しそう…」と感じていませんか?
このページでは、電流=水の流れというイメージを軸に、豆電球の回路から
電磁石・電磁波までを一気に整理します。
直列回路/並列回路、右手の法則、電流と磁場の関係など、入試でよく狙われるポイントを
図+ストーリー+クイズで押さえていきましょう。

豆電球と回路の基礎

まずは動画で電流のイメージをつかみましょう。
ここから先は、動画の内容をもとに、テキストで復習できるように整理していきます。

豆電球と回路図を見てみよう

直列回路と並列回路のイメージ図

一見むずかしそうに見える回路図も、電流=水の流れで考えるとぐっと分かりやすくなります。

豆電球と電池がつながった図を見て、「難しそう…」と感じたことはありませんか?
実は、電流のイメージさえつかめば、回路の問題はぐっと解きやすくなります。

この単元では、
「電流って何?」「電圧って何?」
水の流れにたとえて考えることがポイントです。

電流って何?──水の流れでイメージしよう

電流の正体とアンペアの由来

昔の人たちは「電流が流れると何かが起きている」ことは分かっていましたが、
何がどう流れているのかまでは分かっていませんでした。

その後、アンペールという研究者が、
電流が流れると磁場が発生することを発見します。
電流の単位アンペア(A)は、このアンペールさんの名前から来ています。

電流は「水の流れ」と考える

電気の世界では、次のようにイメージすると分かりやすくなります。

  • 電流水の流れ
  • 電圧水を流そうとする高低差(高さの差)
  • 豆電球(抵抗)水の流れをじゃまするディフェンダー

「電流は水の流れのようなイメージ。
電圧は6mの高さから水を流すような、高さの差を表すと考えると分かりやすい。」

記号 意味 水のたとえ
電池の記号 電池の記号。長い方が+極、短い方が-極 高いところと低いところを作る「水そう」のイメージ。
電球の記号 豆電球(家電)の記号。電気抵抗として働く。 水の流れをじゃまする「細いパイプ」や「フィルター」。

電池の役割は、水を押し流す高さの差(電圧)を作ることです。

  • 例えば 6V の電池なら、「6mの高さから水を流す」イメージ。
  • 高低差がなければ、水も電流も流れません。

豆電球(抵抗)はその途中にある「じゃまもの」で、流れにくさがあるところで
光や熱としてエネルギーが使われると考えましょう。

直列回路と並列回路の違い

回路の問題では、直列回路並列回路を見分けるのがスタートです。

種類 回路の形 電流の流れ方 豆電球のイメージ
直列回路 一筆書きで一周できる「1本道」の回路 同じ電流がすべての部品を通る ディフェンダー(抵抗)が増えるほど全体として流れにくくなる
並列回路 途中で枝分かれして、また合流する回路 枝ごとに電流が分かれて流れる 通り道が増えるので、全体としては流れやすくなる

電気の問題では、「どの部分にどれくらいの電流が流れているか」
水の流れにたとえて考えるクセをつけると、暗記だけに頼らずに解ける問題が増えていきます。

電流と電磁石──電流がつくる磁場

次は電流と磁石の関係を見ていきます。ここは、電磁石・発電・電磁波へと広がっていく重要分野です。

電流を流すと磁場が生まれる

電流を流すと、そのまわりに磁場(磁石のパワー)が生まれます。
これは、エルステッドという先生が「電流を流したら方位磁針が動いた」ことで気付き、
さらにアンペールが法則としてまとめました。

磁場の向きは、右手の法則(右ネジの法則)で表せます。

  • 右手の親指…電流の向き
  • 残り4本の…磁場の向き(クルクル回る方向)

「右手でグッド👍。親指が電流の向き、指の巻き方が磁場の向き。
ネジを回す方向に磁場ができるから『右ネジの法則』とも呼ばれます。」

電流を流すことで磁場が発生する仕組み

電流の向きと磁場の向きの関係を、図と右手でセットで覚えておこう。

コイルと磁石の関係──「発電」の出発点

電磁石の話と合わせて、コイルと磁石の関係もよく出題されます。

  • 電流を流すと ⇒ コイルのまわりに磁場ができる(電磁石になる)。
  • 逆に、コイルに磁石を近づけると ⇒ 電流が流れる。

この「電流⇔磁場」のセットが、電磁誘導・発電・電磁波のもとになっています。
光・赤外線・携帯電話の電波なども、電流と磁場が波のように伝わる『電磁波』だと考えることができます。

まとめ:電流・回路・電磁石の整理

ポイント 内容
電流とは? ・電流は水の流れのようなイメージ。
・電流の単位はアンペア(A)
・電池は電流を押し出す圧力(電圧)を持ち、単位はボルト(V)
・電流は+極から-極に流れると考える(中学理科での約束)。
直列回路と並列回路 ・直列回路:一筆書きで回れる形状。同じ電流がすべての部品を通る
・並列回路:枝分かれしている形状。各枝で電流が分配される。
電磁石と磁場 ・電流を流すと磁場が発生する。
・右手の法則:親指が電流、残りの指が磁場の向きを示す。
・コイルに磁石を近づけると電流が流れる現象が起こる(電磁誘導)。

ここまでの内容を、「水の流れのモデル」+「図」+「ことば」でつなげておくと、
応用問題にも対応しやすくなります。

理解度チェッククイズ(10問)

最後に、電流・回路・電磁石のポイントが身についているか、クイズで確認しましょう。
各問題の「正解を見る」ボタンをクリックすると解答が表示されます。

問題 選択肢 正解を見る
1. 電流の単位はどれですか? A. ボルト
B. アンペア
C. ワット
D. ジュール

2. 電池の+極から-極に流れるのは何のイメージですか? A. 水の流れ
B. 空気の流れ
C. 光の屈折
D. 波の動き

3. 直列回路の特徴は? A. 電流が枝分かれする
B. 電流が全ての部品を通る
C. 電流が途中で止まる
D. 電圧が一定

4. 並列回路での電流の特徴は? A. 電流は一方向だけ流れる
B. 電流が枝分かれする
C. 電流は変化しない
D. 電圧が減少する

5. 電流を流すと何が発生しますか? A. 電気抵抗
B. 磁場
C. 電圧
D. 波長

6. 右手の法則で親指が示すのは何の向きですか? A. 電流
B. 磁場
C. 電圧
D. 抵抗

7. コイルに磁石を近づけると何が発生しますか? A. 電流
B. 電圧
C. 熱
D. 光

8. 電流と磁場が交互に変化すると何が発生しますか? A. 静電気
B. 電磁波
C. 赤外線
D. 紫外線

9. 電球における電気抵抗の役割は? A. 電流を加速する
B. 電流を光や熱に変換する
C. 電圧を上げる
D. 回路を切断する

10. 電圧をイメージするのに適切なのは? A. 水の量
B. 水の流れる速度
C. 水を流す高さの差
D. 水の温度

まとめ──「水の流れ」のイメージを持てば電気は怖くない

  • 電流は水の流れ、電圧は水を流す高さの差としてイメージする。
  • 豆電球(抵抗)は、流れにくくなる場所でエネルギーが光や熱に変わると考える。
  • 直列回路と並列回路の違いは電流の通り道の違いで整理する。
  • 電流が流れると磁場ができ、磁場を変化させると電流が流れる──この関係が電磁石・発電・電磁波のもと。
  • 歴史上の人物(エルステッド・アンペール)も、単位や法則名とセットで覚えると忘れにくい。

図・イメージ・たとえ話を使って理解すると、公式や計算問題も「意味のある暗記」に変わっていきます。

電流・回路・電磁石を入試レベルの得点源にしよう

電流と回路の単元は、「分かったつもり」だとすぐに計算問題でつまずく分野です。
逆に、今回のように水の流れ・高さ・ディフェンダーのイメージが固まると、
直列/並列回路・電磁石・発電まで一気につながって得点源になります。

  • 教科書や問題集の回路図に、水の流れの矢印を書き込んでみる
  • 直列/並列ごとに、豆電球の明るさ・電流・電圧のパターン表を自作する
  • 電磁石の問題では、必ず右手で向きを確認してから式を立てる習慣をつける