てこの原理とは?支点・力点・作用点を図で確認【理科のコツ】

小5〜中1 物理/てこの原理
本文の読み時間目安:15〜20分

てこの原理とは?支点・力点・作用点を図と計算で解説

てこの問題では、支点・力点・作用点の位置と、支点からそれぞれの点までの距離を正しく読み取ることが重要です。

このページでは、3つの点の意味や見分け方、身近な道具での並び方、てこのつり合い計算を中心に解説します。後半では、関連単元であるかっ車・輪軸・ふりこの要点も確認できます。

このページで学べること

てこの原理と関連単元の学習内容を示す図

  • てこの原理と、小さな力で物を動かせる理由
  • 支点・力点・作用点の意味と見分け方
  • 3つの点の並び方による道具の違い
  • 力×支点からの距離を使ったつり合い計算
  • 複数のおもりがある問題の考え方
  • 関連単元であるかっ車・輪軸・ふりこの要点

てこの原理と支点・力点・作用点

てこは、棒をある点で支え、その棒に力を加えて物を動かす仕組みです。棒が回転する中心を支点、手などで力を加える場所を力点、動かしたい物に力がはたらく場所を作用点といいます。

同じ重さの物を動かす場合でも、支点から力点までの距離を長くすると、必要な力を小さくできます。長い棒を使うと重い物を動かしやすくなるのは、このてこの原理を利用しているためです。

てこの原理と支点・力点・作用点を示す図

てこの支点の位置を示した図

支点とは

支点は、てこが回転するときの中心となる点です。棒の真ん中にあるとは限りません。道具のつなぎ目や、棒を下から支えている場所などを確認します。

てこの力点の位置を示した図

力点とは

力点は、手などでてこに力を加える場所です。押す場所だけでなく、引く場所や握る場所も力点になります。

てこの作用点の位置を示した図

作用点とは

作用点は、てこの力が物体にはたらく場所です。物全体ではなく、てこが物を押す、持ち上げる、切る、挟む位置を確認します。

支点・力点・作用点の位置を比較した図

支点・力点・作用点の位置は道具によって異なります。それぞれの役割から判断しましょう。

動画では、支点・力点・作用点を図の中で見つける順番を確認できます。

支点・力点・作用点の見分け方

道具の名前だけで3つの点を覚えると、見慣れない図が出たときに判断できないことがあります。次の順番で道具の動きを確認しましょう。

  1. 回転の中心を探す:動かない中心やつなぎ目が支点です。
  2. 手で力を加える位置を探す:握る、押す、引く場所が力点です。
  3. 物へ力が伝わる位置を探す:切る、挟む、持ち上げる場所が作用点です。

シーソーで3つの点を見分ける

シーソーでは、中央の回転する部分が支点です。人が下向きに力を加える場所が力点になり、反対側の人を持ち上げる場所が作用点になります。

どちら側の人に注目するかによって、力点と作用点は入れ替わります。問題文で「誰が力を加え、何を動かそうとしているか」を確認しましょう。

ハサミやペンチで見分ける

ハサミやペンチでは、つなぎ目が支点、手で握る持ち手が力点、物を切ったり挟んだりする部分が作用点です。

支点・力点・作用点の並び方と身近な道具

てこは、支点・力点・作用点のどれが中央にあるかによって、3つの並び方に分けられます。

表の位置関係は一方向の例です。左右を反対にした「作用点―支点―力点」なども、中央にある点が同じなら同じ種類として考えます。

中央にある点 位置関係の例 主な道具
支点 力点―支点―作用点 ハサミ、ペンチ、シーソー
作用点 支点―作用点―力点 栓抜き、くるみ割り、手押し車
力点 支点―力点―作用点 ピンセット、ピンセット型のトング

栓抜きの3点

栓抜きでは、びんの口に接して回転の中心になる場所が支点です。手で持ち上げる柄が力点、王冠を持ち上げる部分が作用点になります。

ピンセットの3点

ピンセットでは、つながっている端が支点、指で押す部分が力点、物をつまむ先端が作用点です。

てこのつり合いを「力×距離」で考える

このページでは、棒が水平で、おもりによる力が上下方向にはたらく基本的なてこ問題を扱います。この条件では、支点を中心に棒を回そうとするはたらきを、力の大きさと支点からの距離で比べます。

単位について:このページでは、中学受験理科でよく使われる表し方に合わせ、おもりの質量を「g」、おもりによって加わる力を「g分の力」と表します。中学校では、力をNで表す問題もあります。

支点から遠い場所ほど小さな力で動かせる

同じ物を動かす場合、支点から力点までの距離を長くすると、必要な力は小さくなります。反対に、力点が支点に近づくと、より大きな力が必要です。

支点から遠い場所を押す場合

力点までの距離が長いため、小さな力でも棒を回しやすくなります。

支点に近い場所を押す場合

力点までの距離が短いため、同じ物を動かすには大きな力が必要です。

小さい力で済む代わりに、動かす距離は長くなる

支点から遠い力点を動かすと、小さな力で物を動かせます。ただし、作用点を少し動かすために、力点側はそれより長い距離を動かさなければなりません。

摩擦などを考えない基本問題では、必要な力が小さくなる代わりに、力を加える側を長く動かす関係になっています。

基本の計算例

支点の左20センチメートルに200グラムのおもり、右40センチメートルに100グラム分の力が加わっています。 

支点

200gのおもり

100g分の力

20cm

40cm

反時計回り

時計回り

200 × 20 = 100 × 40

支点からの距離が2倍になると、つり合わせるために必要な力は半分になります。

例:支点から20cmの位置にある200gのおもりと、支点から40cmの位置に加える力がつり合う場合

200g分の力 × 20cm = 加える力 × 40cm

加える力 = 100g分の力

ここで確認:反対側が50cmなら、必要な力は何g分ですか?

200g分の力 × 20cm = 加える力 × 50cm

答えは80g分の力です。4000÷50=80と求めます。

距離は棒の端ではなく支点から測る

計算に使う距離は、棒の端からではなく、必ず支点から力がはたらく位置までを測ります。

おもりが棒の端に付いていても、棒の全長をそのまま使えるとは限りません。支点が中央からずれている場合は、支点からおもりまでの部分だけを使います。

複数のおもりがあるてこの計算方法

左右に複数のおもりがある場合は、支点を中心に時計回りに回そうとするはたらきと、反時計回りに回そうとするはたらきに分けます。

それぞれのおもりについて「力×支点からの距離」を計算し、同じ向きに回そうとする値を合計します。

左右に複数のおもりがある例

支点の左30センチメートルに100グラム、左10センチメートルに200グラム、右25センチメートルに200グラムのおもりがあります。 

支点

100g

200g

200g

30cm

10cm

25cm

反時計回り

時計回り

100×30 + 200×10 = 5000
5000 ÷ 25 = 200

左側の2つのおもりが反時計回りに回そうとするはたらきを合計し、右側のおもりと比べます。

左側:支点から30cmの位置に100g、支点から10cmの位置に200gのおもりがあります。

左側の合計
100g分の力 × 30cm + 200g分の力 × 10cm
= 3000 + 2000
5000(g分の力×cm)

この5000は、重さや距離そのものではありません。左側が棒を回そうとするはたらきを比べるための「力×距離の値」です。

右側:支点から25cmの位置におもりを置いてつり合わせます。

右側のおもりによる力 × 25cm = 5000

右側に必要なおもりは200g

同じ側に複数のおもりがある例

同じ側にあるおもりは、棒を同じ向きに回そうとします。そのため、それぞれの「力×距離」を足します。

例:支点の右側に、10cmの位置で100g、30cmの位置で50gのおもりがある場合

100g分の力 × 10cm + 50g分の力 × 30cm
= 1000 + 1500
2500(g分の力×cm)

2500は、2つのおもりが右側を回そうとするはたらきを比べるための値です。

ここで確認:支点の左側40cmの位置でつり合わせるには、何gのおもりが必要ですか?

左側のおもりによる力 × 40cm = 2500

答えは62.5gです。2500÷40=62.5と求めます。右側にある2つのおもりとは反対側に置くことで、棒を回そうとするはたらきがつり合います。

てこの問題でよくある間違い

よくある間違い 確認すること
支点を棒の中央だと思い込む 支点は回転の中心です。中央にあるとは限りません。
棒の端から距離を測る 距離は、支点から力点や作用点までを測ります。
力の大きさだけを比べる 力だけでなく、支点からの距離を掛けて比べます。
複数のおもりを一度に式へ入れる 時計回りと反時計回りに分け、同じ向きの値を合計します。
道具の名前だけで3点を決める 回転の中心、手で力を加える場所、物へ力が伝わる場所を確認します。

図は読めても計算式に直せないときは

てこの問題では、公式を覚えていても、支点からの距離や回転する向きを図から読み取れないと、正しい式を作れません。

  • 道具が変わると支点・力点・作用点を見失う
  • 支点からの距離をどこまで測るか分からない
  • 左右に複数のおもりがあると式を作れない
  • 時計回りと反時計回りを分けられない

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てこの原理と関連単元のまとめ

単元 確認するポイント
てこの原理 支点・力点・作用点を見つけ、水平につり合う基本問題では「力×支点からの距離」を左右で比べる。
複数のおもり 時計回りと反時計回りに分け、同じ向きの「力×距離」を合計する。
かっ車 定かっ車は主に力の向きを変え、動かっ車では荷物を支えるひもの本数を数える。
輪軸 中心を支点とするてこと同じように、「力×半径」で考える。
ふりこ 周期を変える主な条件は、支点からおもりの中心までの長さ。

てこの原理・支点・力点・作用点の確認クイズ

計算問題は本文中で確認したため、ここでは用語と考え方を中心に8問出題します。

1. てこの支点とは何を指しますか?

A. 力を加える場所
B. 棒が回転する中心
C. 物へ力が伝わる場所
D. 棒の端

2. 力点とはどの場所ですか?

A. 手などで力を加える場所
B. 棒が回転する場所
C. 物が置かれている場所すべて
D. 棒の中央

3. 作用点とはどの場所ですか?

A. 棒を支える場所
B. 人が立っている場所
C. てこの力が物へはたらく場所
D. 必ず棒の端

4. シーソーでは、一般にどの点が中央にありますか?

A. 支点
B. 力点
C. 作用点
D. どの点もない

5. てこの計算で使う距離は、どこから測りますか?

A. 棒の左端
B. 棒の右端
C. 支点
D. 力点

6. 支点から力点までの距離を長くすると、必要な力はどうなりますか?

A. 大きくなる
B. 小さくなる
C. 必ず0になる
D. 距離には関係しない

7. 定かっ車の主な役割は何ですか?

A. 力の向きを変える
B. 必要な力を必ず半分にする
C. 荷物を軽くする
D. ひもを短くする

8. ふりこの周期を変える主な条件は何ですか?

A. おもりの重さ
B. ふりこの長さ
C. おもりの色
D. 支柱の太さ

てこの原理と支点・力点・作用点のよくある質問

てこの原理とは、簡単にいうと何ですか?

支点を中心に棒を回し、支点から力を加える場所までの距離を利用して、小さな力で物を動かす仕組みです。

支点は必ず棒の真ん中にありますか?

支点は棒の真ん中にあるとは限りません。棒や道具が回転するときの中心が支点です。

力点と作用点はどのように見分けますか?

手で押す、引く、握る場所が力点です。物を切る、挟む、持ち上げるなど、力が物へ伝わる場所が作用点です。

作用点とは、物が置かれている場所ですか?

物がある場所全体ではなく、てこの力がその物にはたらく位置です。ハサミでは、切る物に刃が当たる部分が作用点です。

支点から遠い場所を押すと、なぜ小さい力で済みますか?

てこを回そうとするはたらきは「力×支点からの距離」で決まります。距離が長いほど、小さな力でも同じ大きさの回すはたらきを作れるためです。

支点・力点・作用点の並ぶ順番は決まっていますか?

順番は道具によって異なります。左右を反対にしても、中央にある点が同じなら同じ種類として考えます。

おもりが複数あるときは、どのように計算しますか?

各おもりの「力×支点からの距離」を求め、時計回りと反時計回りに分けて、同じ向きの値を合計します。

てこの距離は、棒の端から測りますか?

棒の端からではなく、支点から力点や作用点までを測ります。このページでは、水平な棒に上下方向の力が加わる基本問題を扱っています。

定かっ車を使うと、必要な力は小さくなりますか?

理想的な条件では、定かっ車を使っても必要な力の大きさは変わりません。主な役割は、力を加える向きを変えることです。

おもりを重くすると、ふりこの周期は変わりますか?

同じ長さのふりこであれば、おもりを重くしても軽くしても、周期は基本的に変わりません。

さいごに|支点を決めてから力と距離を確認しよう

てこの問題では、最初に支点を見つけることが重要です。支点が決まると、力点・作用点の位置や、計算に使う距離を整理しやすくなります。

  • 支点は、棒や道具が回転する中心
  • 力点は、手などで力を加える場所
  • 作用点は、てこの力が物へ伝わる場所
  • 距離は、棒の端ではなく支点から測る
  • 水平につり合う基本問題は「力×支点からの距離」で考える
  • 複数のおもりは、時計回りと反時計回りに分ける

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