【理科のコツ】いろいろな水溶液の性質

中学受験理科/化学分野
単元:いろいろな水溶液の性質

いろいろな水溶液の性質──酸性・中性・アルカリ性とBTB溶液の色変化を一気に整理

このページでは、理科で必ず登場する酸性・中性・アルカリ性の水溶液について、
代表的な例・BTB溶液の色・危険性・日常生活の例までを、表と図でわかりやすく整理します。

このページでわかること

  • 酸性・中性・アルカリ性の違いと代表例
  • BTB溶液を使った性質の見分け方(黄色・緑・青)
  • 水酸化ナトリウム水溶液やアンモニア水など、危険な水溶液の扱い方
  • 食塩水・砂糖水・アルコール水など中性の仲間
  • 入試で問われやすいポイントをまとめ表とクイズで確認

水溶液の性質とは?──酸性・中性・アルカリ性の3つに分ける

いろいろな水溶液は、その性質から大きく酸性・中性・アルカリ性の3つに分けることができます。

  • 酸性:塩酸・酢など、「酸」と名前につくものが多い。
  • 中性:食塩水・砂糖水・アルコール水など、酸性でもアルカリ性でもないもの。
  • アルカリ性:水酸化ナトリウム水溶液・アンモニア水など。特に危険なものが多い

性質そのものは暗記が必要ですが、BTB溶液の色の変化や、日常生活でのイメージとセットで覚えるとずっと楽になります。

酸性・中性・アルカリ性の性質を示す表

▲ 酸性・中性・アルカリ性の代表的な性質を整理した表

酸性の水溶液の性質

まずは酸性の代表的な水溶液と性質を整理しましょう。

水溶液の例 特徴
塩酸
  • 代表的な強い酸性の水溶液。
  • 金属を溶かす性質がある。
炭酸
  • 炭酸飲料の中にも含まれる。
  • 塩酸よりは弱いが酸性を示す。
ホウ酸
  • 弱い酸性を示す物質。
酢酸(さく酸)
  • お酢の「すっぱさ」のもと。
  • 酢酸という溶質が水(溶媒)に溶けてできた水溶液。

名前に「○○酸」とつく物質は、基本的に酸性です。
まずは「名前で見分ける」練習から始めましょう。

アルカリ性の水溶液の性質──危険なものも多い!

同じ水溶液でも、アルカリ性の方が酸性より危険な場合が多いのがポイントです。

水溶液の例 性質・注意点
水酸化ナトリウム水溶液
(水ナト)
  • とても強いアルカリ性
  • アルミニウムなどの金属を溶かす。
  • 皮膚も溶かすほど危険なので、手についたらすぐに大量の水で洗い流す。
アンモニア水
  • ツンと鼻を刺すような刺激臭がある。
  • アルカリ性で、濃いものは眼や呼吸器にも危険。
石けん水・食器洗い洗剤
  • 多くはアルカリ性で、汚れをよく落とす。
  • 強いものは手荒れの原因にもなる。
中性洗剤
  • 名前のとおり中性の洗剤。
  • アルカリ性の石けんよりも手肌にやさしいものが多い。

アルカリ性は「汚れを落とす力」が強い反面、
皮膚や目に対しても強い刺激を持つものがあります。
実験では、必ず先生の指示にしたがって安全に扱いましょう。

中性の水溶液の性質

中性は、酸性でもアルカリ性でもない「まん中」の性質です。中性の代表は次のとおりです。

水溶液の例 性質
食塩水 食塩(溶質)が水(溶媒)に溶けた中性の水溶液。
酸性・アルカリ性どちらの性質もほとんど示さない。
砂糖水 砂糖を溶かしただけの水溶液で、基本は中性
アルコール水溶液 消毒液・お酒の成分などで知られる。
酸性でもアルカリ性でもない中性として扱われる。

中性として入試でよく出てくるのは、食塩水・砂糖水・アルコール水の3つが中心です。
「中性=この3つ」とイメージしておくと整理しやすくなります。

受験理科専門塾しゅん吉クエストのロゴ

【受験理科専門塾しゅん吉クエスト】:
中学受験理科に特化した完全1対1個別指導の専門塾です。
物理・化学・生物・地学の4分野について、苦手単元のやり直しから志望校対策まで、
一人ひとりの理解度に合わせてカリキュラムを作成し、「理科嫌い」を「理科で点が取れる」に変える指導を行っています。


しゅん吉クエスト公式サイトを見る

BTB溶液の色変化で覚える酸性・中性・アルカリ性

水溶液の性質を調べるときによく使われる指示薬がBTB溶液です。
色の変化で酸性・中性・アルカリ性を見分けることができます。

性質 BTB溶液の色 代表的な水溶液
酸性 黄色 塩酸・炭酸・ホウ酸・酢酸など
中性 緑色 食塩水・砂糖水・アルコール水など
アルカリ性 青色 水酸化ナトリウム水溶液・アンモニア水・石けん水など

いろいろな水溶液の性質のまとめ

項目 内容
酸性の特徴 – 主な例: 塩酸、炭酸、ホウ酸、酢酸
– BTB溶液: 黄色に変化
– 名前に「○○酸」とつく物質が多い
アルカリ性の特徴 – 主な例: 水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水、石けん水
– BTB溶液: 青色に変化
– 危険性: アルミや皮膚を溶かすことがある(水酸化ナトリウム水溶液など)
中性の特徴 – 主な例: 食塩水、砂糖水、アルコール水
– BTB溶液: 緑色に変化
– 酸性・アルカリ性の性質がほとんどない
日常生活での例 – 酸性: 酢、炭酸飲料 など
– アルカリ性: 石鹸、食器洗い洗剤 など
– 中性: 砂糖水、アルコール消毒液(成分によるが中性として扱われることが多い)
BTB溶液の色変化 – 酸性: 黄色
– 中性: 緑色
– アルカリ性: 青色

いろいろな水溶液の性質のクイズ

問題 選択肢 正解を見る
1. 酸性の水溶液の例として正しいものは? A. 水酸化ナトリウム水溶液
B. 塩酸
C. 砂糖水
D. アルコール水

2. アルカリ性の水溶液で、アルミや皮膚を溶かすほど危険なものは? A. 食塩水
B. アンモニア水
C. 水酸化ナトリウム水溶液
D. 砂糖水

3. 中性の水溶液の例として正しいものは? A. 石灰水
B. 食塩水
C. 炭酸水
D. アンモニア水

4. BTB溶液が黄色に変化するのはどの性質? A. 酸性
B. 中性
C. アルカリ性
D. すべて該当

5. 酸性・アルカリ性どちらでもない水溶液は? A. 食塩水
B. 塩酸
C. 水酸化ナトリウム水溶液
D. 酢酸

6. 酢酸はどの性質に分類される? A. 中性
B. 酸性
C. アルカリ性
D. どれでもない

7. 中性洗剤が分類される性質は? A. 酸性
B. 中性
C. アルカリ性
D. 弱酸性

8. 石鹸(石けん水)が分類される性質は? A. 酸性
B. 中性
C. アルカリ性
D. どれでもない

9. アルコール水溶液が分類される性質は? A. 酸性
B. 中性
C. アルカリ性
D. 弱アルカリ性

10. アンモニア水の性質は? A. 酸性
B. 中性
C. アルカリ性
D. 弱酸性

「暗記だけ」で終わらせない理科学習を

酸性・中性・アルカリ性は、丸暗記になりがちな単元ですが、
身の回りの例や実験と結びつけると、ぐっと理解しやすくなります。
しゅん吉クエストでは、動画と図解を使って、「なぜそうなるのか」までしっかり説明していきます。

  • 単元ごとのポイントをギュッと整理した授業
  • 中学受験に必要な化学分野を実験イメージと一緒に理解
  • 理科が苦手でも笑いながら覚えられる解説スタイル