【理科のコツ】浮力

小5〜中1/浮力・アルキメデスの原理
読み時間目安:10〜15分

浮力とアルキメデスの原理──「どかした液体の重さ」で考える浮く力

このページでは、浮力とは何かアルキメデスの原理
そして密度と浮力の関係を整理します。プールや氷・海水のイメージと結びつけながら、
入試でよく出る考え方をクイズで確認していきましょう。

このページで学べること

  • 浮力とは何か、日常の感覚と結びつけて説明できる
  • アルキメデスの原理「どかした液体の重さ分の浮力」を理解する
  • 空気中の重さと水中での重さから、浮力の大きさを計算できる
  • 氷・食塩水などを例に、密度と浮き方の関係を説明できる

1. 浮力とは?

浮力とは何か?浮く力の仕組みを解説した図

物体が水や空気の中にあるとき、その物体を上向きに押し上げようとする力が浮力です。
プールの中で「体が軽く感じる」あの感覚が浮力によるものです。

漢字のとおり、浮く力=浮力。液体中だけでなく、じつは気体中でも浮力が働きます。

  • 浮力: 液体や気体の中で、物体を浮かせようとする上向きの力
  • 私たちも常に空気中の浮力を受けている(ただし重力のほうが大きいので沈んでいる)
  • プールの中で体が軽くなるのは、水からの浮力を受けているから

「水の中では重さが軽くなったように感じる」という経験を、数値で説明する道具
アルキメデスの原理です。

2. アルキメデスの原理と浮力の計算

浮力をくわしく調べた人が、古代ギリシャのアルキメデスです。
彼が見つけた法則が、いまではアルキメデスの原理と呼ばれています。

  • 物体が液体に浸かると、その物体が押しのけた液体の重さ分だけ浮力を受ける。
    → これが「どかした液体の重さ分の浮力」という考え方。
  • バネばかりで測るときは、
    浮力の大きさ = 空気中での重さ − 水中での重さ

例:空気中で60Nの物体を水中につるしたら40Nだった場合、
浮力の大きさは 60N − 40N = 20N となります。

3. 密度と液体の種類──氷や食塩水の話

空気中でも浮力を受けていることを示す図

物体が押しのけた液体の部分には、その液体の重さ分の浮力がはたらきます。
液体の密度が大きいほど、同じ体積でも重さが大きい=浮力も大きいことになります。

  • 氷が水に浮く理由
    → 氷の密度は水より小さいため、水より軽い
    浮力と重力がちょうどつり合う位置で、ぷかぷか浮きます。
  • 食塩水などの濃い液体
    → 食塩がとけて、同じ体積でも水より重くなる(密度が大きい)
    そのため受ける浮力が大きくなり、物体はより浮きやすくなります。
  • 空気中の浮力
    → 空気にも重さ(密度)があるので、本当は私たちも
    わずかに空気中の浮力を受けています。

このように、浮力の問題では密度・体積・重さ・力など、いろいろな分野がからみます。
シンプルなイメージをしっかり作っておくと、公式に振り回されずに考えられるようになります。

まとめ

ポイント 内容
浮力とは?
  • 液体や気体の中で、物体を浮かせる向きに働く力
  • 私たちも空気中で、わずかに浮力を受けている。
アルキメデスの原理
  • 物体が液体に浸かると、どかした液体の重さ分の浮力を受ける。
  • バネばかりでは
    浮力 = 空気中の重さ − 液体中の重さ として求められる。
氷が浮く理由
  • 氷の密度は水より小さい(軽い)ため、水面で浮力と重力がつり合う
  • その結果、水の上にぷかぷかと浮く。
液体の種類と浮力
  • 濃い液体(例:食塩水)は密度が大きく、同じ体積でも重い
  • どかした液体が重くなる分、受ける浮力も大きくなる
密度と浮き方
  • 物体の密度が液体より小さい→ 浮く。
  • 物体の密度が液体より大きい→ 沈む。
  • 密度の比較が浮き沈みの判断の基本になる。

浮力・アルキメデスの原理クイズ

学んだ内容をクイズで確認してみましょう。
「正解を見る」ボタンを押すと答えが表示され、ボタンは非表示になります。

問題 選択肢 回答
1. 浮力の定義として正しいものは? A. 重力に逆らう力
B. 液体中で物体を沈ませる力
C. 液体中で物体を浮かせる力
D. 圧力を発生させる力

2. アルキメデスの原理によれば、浮力の大きさは何によって決まる? A. 物体の重さ
B. 液体の密度
C. どかした液体の重さ
D. 液体の色

3. 氷が水に浮く理由は? A. 密度が高いから
B. 密度が低いから
C. 水中で体積が増えるから
D. 水が蒸発するから

4. バネばかりを使って浮力を計算する方法として正しいものは? A. 重力 − 圧力
B. 空気中の重さ − 液体中の重さ
C. 液体の密度 × 体積
D. 液体の重さ × 温度

5. 食塩水のような濃い液体では浮力はどうなる? A. 大きくなる
B. 小さくなる
C. 変わらない
D. 無効になる

6. 空気中で私たちが浮力を受ける理由は? A. 空気の重さがあるから
B. 重力が小さいから
C. 気圧が高いから
D. 温度が低いから

7. 浮力が働く条件として正しいものは? A. 液体がない時
B. 物体が完全に液体中に浸かる時のみ
C. 物体が気体の中にある時のみ
D. 物体が液体または気体中にある時

8. 人が水の中で「軽く感じる」のはなぜ? A. 重力が小さくなるから
B. 水の温度が低いから
C. 水からの浮力を受けているから
D. 空気の圧力が下がるから

9. アルキメデスの原理と特に関係が深い物理量は? A. 圧力
B. 密度
C. 電流
D. 電圧

10. 氷が水に浮かぶ条件として正しいものは? A. 温度が高い時
B. 氷の密度が水より低い時
C. 気圧が高い時
D. 液体の体積が小さい時

さいごに:イメージ+式で「浮力」を自分のものに

浮力は、水に入ると軽く感じるという実感と、
どかした液体の重さ分の浮力という考え方がセットになった単元です。

  • 「氷」「食塩水」「プール」など、身近な例と結びつけてイメージする
  • バネばかりを使った問題では、空気中 − 水中の重さを素早く計算する
  • 密度の大小で「浮く/沈む」を判断できるようにしておく

ここまで整理できれば、浮力の文章題や応用問題にも対応しやすくなります。
苦手な人は、まずは図とイメージをしっかり固めるところから始めてみましょう。

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