浮力とは?公式と求め方|密度で浮く沈むも整理【理科のコツ】

ばねばかり・密度・水圧
浮力とは|求め方と密度の考え方
浮力とは、液体や気体の中で物体を上向きに押す力です。
ばねばかりを使う問題では、基本的に空気中の重さ − 水中の重さで求められます。
ただし、問題によっては、物体が水中に入っている体積や液体の密度から考える必要があります。
このページでは、浮力が生じる理由、水圧との関係、アルキメデスの原理、計算方法、密度による浮く・沈むの判断まで順番に整理します。
このページで分かること
- 浮力がどの向きにはたらく力なのか
- 水圧の差によって浮力が生じる理由
- 空気中と水中の重さから浮力を求める方法
- 水中に入っている体積から浮力を考える方法
- 物体と液体の密度から浮く・沈むを判断する方法
動画で浮力の全体像を確認する
次の動画では、浮力の基本的な考え方を確認できます。先に動画でイメージをつかんでから本文を読む方法と、本文を読んだ後に復習として見る方法のどちらでも活用できます。
1. 浮力とは?

物体が水や空気の中にあるとき、その物体を上向きに押し上げようとする力が浮力です。プールの中で体が軽く感じるのは、水から浮力を受けるためです。
漢字のとおり、浮力は物体を浮かせようとする力です。
- 向き:上向き
- はたらく場所:液体や気体の中
- 身近な例:水中で体が軽く感じる、氷が水に浮く、船が水面に浮く
浮力は、物体が完全に水中へ沈んでいるときだけではなく、物体の一部が水中に入っているときにもはたらきます。
2. 水圧の差から浮力が生じる理由
水中では、物体は周囲の水から押されています。この水が物体を押す力に関係するのが水圧です。
水圧は、水面から深い場所ほど大きくなります。直方体などの基本的な形の物体で考えると、上面を下向きに押す力よりも、より深い位置にある下面を上向きに押す力のほうが大きくなります。
物体の上面:比較的浅い位置にあるため、水圧が小さい
物体の下面:より深い位置にあるため、水圧が大きい
上下から受ける力の差:上向きの力が残り、浮力になる
また、同じ深さにある左右の面が受ける力は、基本的には互いに打ち消し合います。中学受験の導入では、この上下から受ける力の差を使って、浮力が上向きにはたらく理由を考えます。
水圧そのものを詳しく確認したい場合
浮力では上下から受ける力の差を考えます。圧力の公式、面積との関係、水圧が深さによって変わる理由、気圧との違いまで確認したい場合は、次の解説へ進めます。
3. アルキメデスの原理

浮力の大きさを考えるときに使うのが、アルキメデスの原理です。
浮力の大きさ = 物体が押しのけた液体の重さ
物体を液体へ入れると、その物体が水中に入った部分と同じ体積の液体が押しのけられます。その押しのけた液体の重さと同じ大きさの浮力を、物体が受けます。
- 水中に入っている体積が大きいほど、押しのける液体の量が増える
- 押しのける液体の量が増えるほど、浮力が大きくなる
- 同じ体積なら、密度が大きい液体ほど押しのけた液体が重くなる
4. 浮力の求め方
求め方① 空気中と水中の重さの差を使う
ばねばかりで物体をつるす問題では、次の式を使います。
浮力 = 空気中の重さ − 液体中の重さ
例:空気中では60N、水中では40Nを示す物体の場合
60N − 40N = 20Nとなり、浮力は20Nです。
求め方② 物体の一部だけが水中に入っている場合
物体の一部だけが水中に入っている場合は、水中に入っている部分だけが液体を押しのけます。
- 水中に入る体積が増えると、浮力は大きくなる
- 水中に入る体積が減ると、浮力は小さくなる
- 水面より上に出ている部分は、水を押しのける体積に含めない
図がある問題では、物体全体の体積ではなく、どこまで液体に入っているかを最初に確認します。
求め方③ 物体が完全に水中へ沈んでいる場合
物体が完全に水中へ入ると、物体全体の体積と同じ体積の液体を押しのけます。
液体の密度が一定で、物体の体積が変わらず、完全に水中へ沈んでいる場合は、深さが変わっても押しのける液体の体積は変わりません。
そのため、中学受験の基本問題では、物体を水中でさらに深くしても、浮力の大きさは変わらないと考えます。
求め方④ 体積と液体の密度から考える場合
アルキメデスの原理を使う問題では、次の順番で考えます。
- 物体が液体中に入っている部分の体積を求める
- その体積と液体の密度から、押しのけた液体の重さを求める
- 押しのけた液体の重さを浮力とする
例:水中に入っている部分の体積が80cm³の場合
問題文で、水1cm³の質量を1gとして扱うとします。
物体が押しのけた水の質量は、80cm³ × 1g/cm³ = 80gです。
したがって、この問題で押しのけた水の重さをg重で表す場合、浮力は80g重です。
Nとg重のどちらを使うか、また換算をどのように行うかは、問題文や教材で示された条件に合わせてください。
求め方⑤ 物体が浮いて静止している場合
水面に浮いた物体が上下に動かず静止しているときは、下向きの重力と上向きの浮力がつり合っています。
浮いて静止しているとき:浮力 = 物体にはたらく重力
物体が少し沈むと押しのける水の量が増え、浮力も大きくなります。重力と浮力が等しくなる位置で物体は静止します。
特殊な場合:物体が容器の底に接しているとき
物体が容器の底に接している場合は、浮力と重力だけでなく、底から受ける力も考える必要があります。
また、物体の下面に液体が入り込んでいるかどうかによって、下面が水から受ける力の考え方が変わる場合があります。図や問題文の条件を確認し、通常の浮力の公式だけで判断しないようにしましょう。
式は分かっても、図から数値を選べないときは
浮力の問題では、公式を覚えていても、物体全体の体積と水中部分の体積を混同したり、ばねばかりの値が何を表しているか分からなくなったりすることがあります。
中学受験理科の講座内容や対象分野を確認したい場合は、分野別攻略と過去問演習の講座案内をご覧ください。
5. 密度と液体の種類
液体の密度が大きいほど、同じ体積の液体でも重くなります。そのため、同じ体積を押しのけた場合に受ける浮力も大きくなります。
氷が水に浮く理由
氷の密度は水の密度より小さいため、氷は水面に浮きます。氷が一部だけ水中に入り、浮力と重力がつり合う位置で静止します。
食塩水では浮きやすくなる理由
食塩水は、水より密度が大きくなります。同じ体積を押しのけても、押しのけた液体の重さが大きくなるため、受ける浮力も大きくなります。
空気中でも浮力を受ける
空気にも密度と重さがあるため、空気中にある物体もわずかに浮力を受けています。
6. 密度から浮く・沈むを判断する
- 物体の密度が液体の密度より小さい → 浮く
- 物体の密度が液体の密度より大きい → 沈む
- 物体と液体の密度が等しい → 基本条件では、液体中で浮きも沈みもしない状態になる
7. 浮力の問題を解く順番
| 順番 | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 物体にはたらく力の向きを確認する |
| 2 | 物体が液体にどこまで入っているか確認する |
| 3 | 空気中と水中の重さの差を使う問題か、押しのけた液体の重さを使う問題か判断する |
| 4 | 密度、体積、質量、重さの単位を確認する |
| 5 | 静止している場合は、浮力と重力などの力のつり合いを確認する |
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 浮力とは | 液体や気体の中で、物体を上向きに押す力 |
| 浮力が生じる理由 | 物体の下面が受ける上向きの力が、上面が受ける下向きの力より大きいため |
| ばねばかりでの求め方 | 浮力 = 空気中の重さ − 液体中の重さ |
| アルキメデスの原理 | 浮力の大きさは、物体が押しのけた液体の重さに等しい |
| 水中に入る体積 | 水中に入る体積が大きいほど、押しのける液体が増え、浮力も大きくなる |
| 浮いて静止するとき | 浮力と物体にはたらく重力がつり合っている |
| 密度と浮き方 | 物体の密度が液体より小さければ浮き、大きければ沈む |
浮力・アルキメデスの原理クイズ
学んだ内容をクイズで確認してみましょう。「正解を見る」を押すと答えと確認ポイントが表示されます。
1. 浮力の向きとして正しいものは?
A. 上向き
B. 下向き
C. 横向き
D. 向きは決まらない
2. 水中の物体に浮力が生じる主な理由は?
A. 上面の水圧が大きいから
B. 下面の水圧が大きいから
C. 左側の水圧だけが大きいから
D. 水圧がすべて等しいから
3. アルキメデスの原理によると、浮力は何の重さに等しい?
A. 物体全体
B. 容器
C. 押しのけた液体
D. 水面より上の部分
4. 空気中で60N、水中で40Nを示す物体が受ける浮力は?
A. 20N
B. 40N
C. 60N
D. 100N
5. 物体の一部だけが水中にある場合、浮力を考える体積は?
A. 物体全体の体積
B. 水面より上の体積
C. 水中に入っている部分の体積
D. 容器全体の体積
6. 同じ物体を水中へ完全に沈めたまま、さらに深くしたときの浮力は?
A. 必ず大きくなる
B. 必ず小さくなる
C. 基本問題では変わらない
D. 0になる
7. 水面に浮いて静止している物体では、浮力と何がつり合っている?
A. 水圧
B. 重力
C. 温度
D. 密度
8. 氷が水に浮く理由は?
A. 氷の密度が水より小さいから
B. 氷の密度が水より大きいから
C. 水に浮力がないから
D. 氷に重力がはたらかないから
9. 同じ体積を水と食塩水に入れた場合、一般に浮力が大きいのは?
A. 水
B. 食塩水
C. どちらも必ず0
D. 液体の密度は関係しない
10. 水に沈んでいる物体には浮力がはたらいていない?
A. はたらいていない
B. はたらいている
C. 水面付近だけはたらく
D. 軽い物体だけにはたらく
浮力についてよくある質問
浮力は水中で深くなるほど大きくなりますか?
液体の密度が一定で、物体が完全に水中へ入り、押しのける液体の体積が変わらない場合、中学受験の基本問題では深さが変わっても浮力は変わらないと考えます。上下それぞれの水圧は大きくなりますが、その差は変わらないためです。
水に沈む物体にも浮力はありますか?
あります。沈む物体にも上向きの浮力ははたらいています。ただし、下向きの重力が浮力より大きいと、物体は沈みます。
浮力と水圧はどのような関係ですか?
水中では深い場所ほど水圧が大きくなります。基本的な形の物体では、下面が上面より大きな力を受けるため、上下から受ける力の差が上向きの浮力になります。
浮力は物体の重さによって決まりますか?
浮力そのものは、物体が押しのけた液体の重さによって決まります。ただし、物体が浮くか沈むかを判断するときは、浮力と物体にはたらく重力の大きさを比べます。
浮いている物体では、なぜ一部が水面より上に出るのですか?
物体が沈むほど押しのける水の量が増え、浮力も大きくなります。浮力と重力が等しくなったところで静止するため、物体の密度が水より小さい場合は、一部が水面より上に出た状態で浮きます。
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浮力を読み終えたあとに確認したい内容は、どこで考えにくかったかによって異なります。現在の課題に近いページを選んでください。
浮力の復習で押さえたい3点
- 浮力は液体や気体の中で物体にはたらく上向きの力
- 浮力の大きさは、物体が押しのけた液体の重さに等しい
- 浮くか沈むかは、浮力と重力、または物体と液体の密度を比べて判断する
公式だけでなく、どの部分が液体に入っているか、どの力がどの向きにはたらいているかを図で確認してから式へ進みましょう。
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