中学受験理科の化学分野つまずき対策

中学受験理科/化学分野
暗記・計算・実験問題の見直し

中学受験理科の化学分野つまずき対策──暗記と計算をつなぐ復習方法

中学受験理科の化学では、物質の性質を覚えるだけでなく、割合を使った計算や実験結果の読み取りも求められます。そのため、暗記・計算・実験問題を別々に勉強していると、知識はあるのに問題が解けないという状態になりやすい分野です。

このページでは、化学でつまずきやすい原因を「単位」「割合」「水100gあたり」「枝問」の4点から整理し、自分の苦手に合った復習方法と次に確認する単元を紹介します。

まず確認したい:化学でつまずきやすい4つの原因

1. 単位をそろえずに計算している

gとkg、mLとLなどが混ざったまま計算すると、式の考え方が合っていても答えがずれます。数値を式に入れる前に、単位を書き直す習慣が必要です。

2. 割合の基準が分からなくなる

水の量、溶けている物質の量、水溶液全体の量を取り違えると、濃度や溶解度の計算が安定しません。何を基準にした数値なのかを先に確認します。

3. 「水100gあたり」を見落としている

溶解度は、水溶液全体ではなく水100gを基準に表されます。実際の水の量が100gの何倍かを求めてから計算することが大切です。

4. 枝問を別々の問題として解いている

化学の大問では、一つの実験を基に小問が順番に続きます。実験の目的や操作による変化を確認せずに解くと、問題の条件を見失いやすくなります。

最初に行うこと:
問題を解く前に「単位」「基準となる量」「実験の目的」の3点を確認してください。化学の計算や枝問で起こるミスを見つけやすくなります。

動画では、化学分野の引っかかりやすいポイントと算数とのつながりを対談形式で説明しています。記事とあわせて確認すると、自分が優先して復習する内容を整理しやすくなります。

自分がどこでつまずいているかを確認しよう

中学受験理科の化学分野を学習する生徒のイメージ

化学が苦手と感じていても、すべての単元を最初からやり直す必要があるとは限りません。まず、どの段階で手が止まっているかを確認します。

知識が抜けやすいタイプ

よくある状態

計算はできても、物質名、性質、気体の発生方法、実験結果などを思い出せない。

復習するときのポイント

  • 用語と現象や実験結果を組み合わせて覚える
  • 表やカードを使い、短時間で繰り返し確認する
  • 覚えた内容を自分の言葉で説明する

割合計算で止まるタイプ

よくある状態

現象は理解できても、水の量、溶けている物質の量、水溶液全体の量を使い分けられない。

復習するときのポイント

  • もとにする量と比べる量を分けて書く
  • 水100gの何倍かを先に求める
  • 少数の例題を同じ手順で繰り返す

実験問題の読み取りが苦手なタイプ

よくある状態

用語は覚えているが、リード文、表、グラフ、枝問のつながりが分からない。

復習するときのポイント

  • 実験の目的を一言で書く
  • 操作による変化を矢印で整理する
  • 小問を解く前に表やグラフの軸を確認する

化学では暗記と計算を結び付けることが大切

高野:化学の大変なところは暗記・計算2ジャンル入ってきて苦労してる人が多いと思うんです。物理は割と計算オンリーみたいなところありますが化学の場合は知識もさることながらある程度、割合の計算というのはすごく出るので…基本的には計算して頑張るっていう部分と暗記して覚えるバランスが大事な分野になると思います。

化学では、物質の性質を覚えていても、問題の条件に合わせて数値を処理できなければ得点につながりません。反対に、割合計算ができても、何が起こっている実験か分からなければ正しい式を選べません。

知識と計算を一つの流れで確認する

  1. 何が起こるかを確認する
    物質の性質、反応、温度による変化などを確認します。
  2. どの量が変化するかを整理する
    水、溶けている物質、水溶液全体のうち、何が増減するかを見ます。
  3. 必要な数値だけを式に入れる
    単位と基準をそろえてから、割合や比を使って計算します。
  4. 答えを現象に戻して確認する
    求めた量が実験の状況として不自然でないかを確認します。

計算問題でも、最初に現象を言葉で説明してから式を立てると、暗記した知識と計算方法が結び付きやすくなります。

算数の食塩水と理科の溶解度計算は何が違う?

共通するのは割合の考え方

算数の食塩水と理科の水溶液では、どちらも全体の量と溶けている物質の量の関係を考えます。比や割合を使って、分からない量を求める点は共通しています。

溶解度は「水100g」が基準

溶解度は、ある温度の水100gに物質が最大何g溶けるかを表します。そのため、水溶液全体を100gとして考えるのではなく、水だけの量を基準にします。

例:水100gに5g溶ける物質があるとします。

  • 水100gなら、最大5g
  • 水200gなら、最大10g
  • 水50gなら、最大2.5g

最初に実際の水の量が100gの何倍かを求めると、式を整理しやすくなります。

理科では温度や実験操作も考える

理科の問題では、割合を計算するだけでなく、温度の変化や実験操作も考える必要があります。

  • 温度を上げたとき、溶ける量がどう変わるか
  • 冷却したとき、何が出てくるか
  • 水を蒸発させたとき、水と溶けている物質がどうなるか
  • 水を加えたとき、全体の状態がどう変わるか

割合の式を立てる前に、操作によって何が変化したのかを言葉や矢印で整理してください。

化学の枝問を一続きの実験として読む方法

高野:理科はそこに考察ポイントも載ってきたりして、基本的に理科は枝問と呼ばれる大問小問でリードがつくので、必ず順に追っていけばある程度、点が取れる科目ではあるんですよ。だけど、どういう意図でやってる実験かある程度知らないと全部が小問集合に見えてきて、問題が単発になりがちなところが多いので…。

枝問は、リード文に書かれた実験を土台にして、小問が順番に積み上がる形式です。それぞれを別の問題として扱うのではなく、一つ前の操作や結果を次の小問に引き継いで考えます。

問題を読み始めたら確認する3項目

  1. 実験の目的
    「何と何の関係を調べる実験か」を一言で書きます。
  2. 操作による変化
    加熱、冷却、蒸発、水を加えるなどの操作で、何が増減するかを矢印で整理します。
  3. 表とグラフの意味
    縦軸、横軸、単位を確認し、何を比較しているかをつかみます。

この3項目を整理してから枝問へ進むと、前の小問で分かったことを次の小問に使いやすくなります。

写真や動画を使って実験の流れを理解する

高野:実験、動画や写真を実際見てみるとか、実験教室もあるので、実際自分が経験して「ある程度この実験知ってる」となると、問題の流れが分かって計算とか、問題の条件を読解する意味ではそういう実体験しとくのは有利に働くかなと思いますね。

化学では、器具の使い方や物質の変化を目で見た経験が、問題文や実験図の理解につながります。

  • 授業で扱った実験を写真や動画で見直す
  • テキストの実験図を見ながら、操作の順番を説明する
  • 操作の前後で何が変わったかを言葉にする
  • 学校や塾で実験を行った場合は、問題文と実際の様子を結び付ける

実験を見た後は、「何を調べる実験だったか」「操作によって何が変わったか」を説明してみてください。映像を見るだけで終わらせず、言葉にすることが枝問の読み取りにつながります。

家庭学習で同じところを繰り返し間違える場合

単元を何度復習しても同じ計算で止まる場合や、暗記と計算のどちらから見直すべきか判断しにくい場合は、化学だけでなく理科全体の学習順を確認する必要があります。

中学受験理科の講座について確認したい場合は、次のページをご覧ください。


中学受験理科の講座案内を確認する

ミニ演習:3つの基本を確認しよう
  1. 単位:1.2kgは何gですか。また、0.35Lは何mLですか。
  2. 水100gあたり:「水100gに5g溶ける」とき、水200gには最大何g溶けますか。
  3. 枝問:実験のリード文を読んだ後、最初に何を書けば問題の流れを追いやすくなりますか。
解答例を表示する
  1. 1.2kg=1200g、0.35L=350mL
  2. 10g。水200gは水100gの2倍なので、溶ける量も2倍です。
  3. 「何の関係を確かめる実験か」を一言で書きます。

間違えた問題に合わせて次のページを選びましょう

中学受験理科の化学でよくある質問

中学受験理科の化学問題について考える生徒のイメージ

Q1. 溶解度と濃度は何が違いますか

溶解度は、ある温度の水100gに物質が最大何g溶けるかを表します。濃度は、現在の水溶液全体に溶けている物質がどのくらい含まれているかを表します。

まず溶ける仕組みを確認し、その後に溶解度を学ぶと整理しやすくなります。

Q2. 「水100gあたり」の問題で毎回迷います

問題文を読んだら、最初に「基準は水100g」と書きます。次に、実際の水の量が100gの何倍かを求めてください。

水溶液全体ではなく、水だけの量を使っているかを確認することも大切です。

Q3. 気体と水溶液の知識がつながりません

気体の性質、発生方法、水への溶けやすさを整理してから、水溶液の性質を確認してください。

気体と水よう液の基礎を整理すると、用語と現象を結び付けやすくなります。

Q4. 実験問題が小問の集まりに見えます

最初に実験の目的を一言で書き、操作による変化を矢印で整理してください。前の小問で分かった内容を次の小問へ引き継ぐと、一続きの実験として読みやすくなります。

Q5. cm³とmLは同じ量ですか

1cm³=1mLです。どちらも体積を表す単位です。ただし、Lやm³など別の単位が混ざっている場合は、計算前に単位をそろえてください。

化学分野を復習する順番

どのページから確認すればよいか迷う場合は、次の順番で進めてください。


  1. ものの溶け方で、溶解の基本を確認する

  2. 水溶液のこさと溶解度を確認する

  3. いろいろな水溶液の性質を整理する

  4. 水よう液と中和の要点を確認する

  5. 水よう液と金属の反応を確認する

溶ける仕組みと溶解度を先に確認し、その後に水溶液の性質や反応へ進むと、単元同士の関係を整理しやすくなります。

まとめ──化学の苦手を原因ごとに見直そう

中学受験理科の化学では、暗記、割合計算、実験問題の読み取りが組み合わされます。すべてを一度にやり直すのではなく、どの段階でつまずいているかを確認することが大切です。

  • 計算前に単位をそろえる
  • 水、溶質、水溶液全体を区別する
  • 「水100gあたり」という基準を確認する
  • 暗記した知識を現象や計算と結び付ける
  • 枝問を一続きの実験として読む

まずは、自己診断やミニ演習で間違えた項目を一つ選び、対応する単元から復習してください。

化学の周辺分野も確認する場合は、

ものの燃え方


状態変化の名前一覧


ものの体積と温度
へ進むと、物質の変化を別の角度から整理できます。

中学受験理科の学習方法を整理したい方へ

「化学だけ何度復習しても同じところで止まる」「暗記と計算のどちらを優先すべきか分からない」という場合は、講座案内や学習相談のページも確認できます。

記事で自分のつまずきを確認したうえで、必要に応じてご覧ください。