中学受験理科の化学分野つまずき対策

中学受験理科/化学分野
単位換算・密度・濃度・溶解度・枝問

中学受験理科の化学つまずき対策──密度の求め方・濃度計算・溶解度・枝問の復習方法

中学受験理科の化学では、物質の性質を覚えるだけでなく、密度、濃度、溶解度、単位換算、実験結果の読み取りも求められます。そのため、暗記・計算・実験問題を別々に勉強していると、知識はあるのに問題が解けないという状態になりやすい分野です。

このページでは、化学でつまずきやすい原因を整理しながら、「0.35Lは何mLか」「密度はどう求めるか」「濃度と溶解度は何が違うか」「枝問をどう読めばよいか」を、例題つきで確認します。

まず確認したい:化学でつまずきやすい4つの原因

1. 単位をそろえずに計算している

gとkg、mLとL、cm³とmLなどが混ざったまま計算すると、式の考え方が合っていても答えがずれます。数値を式に入れる前に、単位を書き直す習慣が必要です。

2. 割合の基準が分からなくなる

水の量、溶けている物質の量、水溶液全体の量を取り違えると、濃度や溶解度の計算が安定しません。何を基準にした数値なのかを先に確認します。

3. 「水100gあたり」を見落としている

溶解度は、水溶液全体ではなく水100gを基準に表されます。実際の水の量が100gの何倍かを求めてから計算することが大切です。

4. 枝問を別々の問題として解いている

化学の大問では、一つの実験を基に小問が順番に続きます。実験の目的や操作による変化を確認せずに解くと、問題の条件を見失いやすくなります。

最初に行うこと:
問題を解く前に「単位」「基準となる量」「実験の目的」の3点を確認してください。化学の計算や枝問で起こるミスを見つけやすくなります。

この記事で分かること

知りたい内容が決まっている場合は、次の項目から確認できます。化学全体を復習したい場合は、上から順に読み進めてください。

中学受験の化学全体

物質の性質、計算、実験読解をどう分けて復習するかを確認できます。

0.35Lは何mL?

0.35L=350mLです。LからmLは1000倍で考えます。

密度の求め方

密度=重さ÷体積。表や比較問題での使い方も確認できます。

濃度とは?

水溶液全体に含まれる溶質の割合と、濃度計算の分母を確認できます。

溶解度とは?

水100gに最大何g溶けるか、温度変化と結晶の考え方を確認できます。

枝問とは?

大問の実験や資料を共有して続く小問の読み方を確認できます。

中学受験の化学で問われる3つの力

中学受験の化学では、ものの溶け方、水溶液、気体、金属、中和、燃焼、状態変化などを学びます。これらは別々の暗記だけでなく、計算や実験問題と組み合わされて出題されます。

そのため、化学を復習するときは「物質の性質を覚える力」「単位・割合を使って計算する力」「実験文・表・グラフを読む力」の3つに分けて確認すると、苦手の原因を見つけやすくなります。

1. 物質の性質を覚える力

気体、水溶液、金属、燃焼、状態変化などの基本知識を、実験結果や現象と結び付けて覚えます。

2. 単位・割合を使って計算する力

単位換算、密度、濃度、溶解度などでは、どの量を基準にするかを確認してから式を立てます。

3. 実験文・表・グラフを読む力

実験の目的、操作による変化、表やグラフの単位を見て、枝問を一続きの問題として読みます。

復習の目安

用語が出てこない場合は「物質の性質」、式を立てられない場合は「単位・割合」、実験問題で手が進みにくい場合は「実験文・表・グラフ」から見直すと、苦手の原因を分けやすくなります。

この記事で先に確認する基本式

中学受験理科の化学でよく使う式は、次のように整理できます。問題文を読んだら、まず「何を求める問題か」を確認しましょう。

内容 基本の考え方 注意点
単位換算 1L=1000mL、1cm³=1mL。例:0.35L=350mL L、mL、cm³が混ざるときは先にそろえる
密度 密度=重さ÷体積 単位はg/cm³、g/mLなどで表す
濃度 濃度=溶けている物質の重さ÷水溶液全体の重さ×100 水溶液全体は、水と溶けている物質を足した量
溶解度 ある温度の水100gに最大何g溶けるか 水溶液全体100gではなく、水100gが基準
枝問 同じ実験や文章をもとに小問が順に続く形式 前の小問の結果を次の小問で使うことがある

読み方の目安

計算を先に確認したい場合は「単位換算」「密度」「濃度」「溶解度」へ進んでください。実験問題が苦手な場合は「枝問とは?実験問題を順に読むコツ」から読んでもかまいません。苦手な項目だけ選んで確認できます。

動画では、化学分野の引っかかりやすいポイントと算数とのつながりを対談形式で説明しています。文字だけでは実験の流れや暗記と計算の関係がつかみにくい場合は、動画で全体像を確認してから本文へ戻ると理解しやすくなります。

中学受験理科の化学で出やすい単元一覧

中学受験理科の化学では、物質の性質を覚える問題と、条件を読み取って計算する問題が組み合わされます。表は全体像をつかむためのものなので、最初からすべてを覚えようとせず、今の苦手に関係する行から確認してください。

単元 よく問われる内容 間違えやすい点
ものの溶け方 水に溶ける様子、ろ過、再結晶 溶ける量と見た目の変化を結び付けにくい
濃度 食塩水のこさ、溶質、水溶液全体 水の量と水溶液全体の量を取り違える
溶解度 水100gあたり、温度、溶解度表 「水100g」が基準であることを見落とす
水溶液の性質 酸性・中性・アルカリ性、指示薬 色の変化と水溶液名を別々に覚えてしまう
気体の発生 酸素、二酸化炭素、水素などの性質 発生方法、集め方、水への溶けやすさが混ざる
金属の反応 金属と水溶液、発生する気体 反応する組み合わせを分けて考えにくい
中和 酸性とアルカリ性、過不足、グラフ どちらが余っているかを読み取りにくい
燃焼 ものの燃え方、酸素、二酸化炭素 化学変化と気体の性質を結び付けにくい
状態変化 固体・液体・気体、温度変化 名前の暗記だけで、グラフや実験とつながりにくい
密度 重さ、体積、浮く・沈む 単位換算をしないまま式に入れてしまう
実験器具と実験操作 加熱、ろ過、蒸発、表・グラフの読み取り 実験の目的をつかむ前に小問へ進んでしまう

この記事では、特に間違えやすい単位換算、密度、濃度、溶解度、枝問の読み方を先に確認します。詳しい単元復習は、後半の「化学分野を復習する順番」から選べます。

0.35Lは何mL?単位換算で間違えやすいポイント

化学の計算では、単位をそろえないまま式に入れると、考え方が合っていても答えがずれます。特に、L、mL、cm³、g、kgはよく混ざります。

1L=1000mLで考える

0.35Lは350mLです。1L=1000mLなので、0.35×1000=350mLと計算します。反対に、mLからLへ直すときは1000で割ります。

変換したい量 考え方 答え
0.035L 0.035×1000 35mL
0.3L 0.3×1000 300mL
0.35L 0.35×1000 350mL
0.5L 0.5×1000 500mL
1.2L 1.2×1000 1200mL
3.5L 3.5×1000 3500mL
350mL 350÷1000 0.35L
35mL 35÷1000 0.035L

g、mL、cm³をそろえてから計算する

体積では、1cm³=1mLとして扱います。たとえば50cm³は50mLです。密度や水溶液の問題では、体積の単位がcm³とmLで混ざることがあるため、計算前にどちらかにそろえましょう。

計算前の確認

  • Lが出たら、mLに直す必要がないか確認する
  • mLからLへ直すときは1000で割る
  • kgが出たら、gに直す必要がないか確認する
  • cm³とmLは同じ体積として扱える
  • 式に入れる前に、数値の横へ単位を書いておく

密度の求め方と単位の確認

密度は「重さ÷体積」で求める

密度は、同じ体積あたりの重さを表す数値です。物質どうしを比べるときに使われ、同じ体積でどちらが重いかを考えると、物質の性質を確認しやすくなります。

密度=重さ÷体積

よく使う単位は、g/cm³g/mLです。1cm³=1mLなので、体積がmLで書かれている問題でも同じ考え方で計算できます。

密度の例題

例:体積50mL、重さ40gの液体の密度を求める

密度=重さ÷体積なので、40÷50=0.8です。

答え:0.8g/mL

例:体積20cm³、重さ54gの金属の密度を求める

1cm³=1mLとして考えられます。密度=54÷20=2.7です。

答え:2.7g/cm³

同じ体積で重さを比べる

例:A液体は50mLで40g、B液体は50mLで60gです。

  • A液体の密度:40÷50=0.8g/mL
  • B液体の密度:60÷50=1.2g/mL

同じ50mLで比べると、B液体の方が重いので密度が大きいと分かります。

体積が違う物体を比べるときは密度を見る

物体 体積 重さ 密度
A 10cm³ 30g 30÷10=3g/cm³
B 30cm³ 60g 60÷30=2g/cm³

重さだけを見るとBの方が重いですが、同じ体積あたりで比べるとAの方が密度は大きくなります。体積が違うものを比べるときは、重さだけで判断しないことが大切です。

入試問題で密度が出る場面

出題の形 見るポイント 注意点
表から密度を求める 重さと体積の組み合わせを読む 表の単位を確認してから割る
液体や金属を見分ける 同じ体積あたりの重さを比べる 重さだけで比べない
浮く・沈むを判断する 物体と液体の密度の大小を見る 水を基準にする問題では水との大小関係を見る
グラフから読み取る 体積と重さの関係を読む どちらの軸が体積か、どちらの軸が重さかを先に見る

浮く・沈む問題と密度の関係

浮く・沈む問題では、物質の密度と液体の密度の大小関係を考えます。水を基準に比べる問題では、水より密度が小さいものは浮きやすく、水より密度が大きいものは沈みやすくなります。

例:密度0.8g/mLの物体と、密度1.2g/mLの物体を水に入れる

水の密度を1g/mLとして比べると、0.8g/mLの物体は水より小さく、1.2g/mLの物体は水より大きいと考えます。

このように、浮く・沈む問題では、計算した密度を液体の密度と比べて判断します。

濃度とは?水溶液全体に含まれる溶質の割合

濃度は「溶けている物質÷水溶液全体」で考える

濃度は、水溶液全体の中に、溶けている物質がどのくらい含まれているかを表します。食塩水だけでなく、砂糖水やそのほかの水溶液でも、基本の考え方は同じです。

濃度=溶けている物質の重さ÷水溶液全体の重さ×100

水溶液全体の重さ=水の重さ+溶けている物質の重さ

ここで間違えやすいのは、分母に「水の重さ」だけを入れてしまうことです。濃度では、水ではなく水溶液全体を基準にします。

濃度を求める例題

例:水90gに食塩10gを溶かした食塩水の濃度を求める

  1. 水溶液全体の重さを求める:90+10=100g
  2. 食塩の重さを水溶液全体の重さで割る:10÷100=0.1
  3. 百分率にする:0.1×100=10

答え:10%

濃度から食塩の重さを求める例

例:250gの食塩水の濃度が8%のとき、食塩は何g含まれていますか

250gの8%なので、250×0.08=20です。

答え:20g

水を加えたときの濃度変化

例:10%の食塩水100gに、水100gを加える

  1. もとの食塩水100gには、食塩が10g含まれています。
  2. 水100gを加えると、水溶液全体は200gになります。
  3. 食塩の量は10gのままです。
  4. 10÷200×100=5です。

答え:5%

水だけを蒸発させたときの濃度変化

例:10%の食塩水100gから、水だけを50g蒸発させる

  1. もとの食塩水100gには、食塩が10g含まれています。
  2. 水だけ50g蒸発すると、水溶液全体は50gになります。
  3. 食塩の量は10gのままです。
  4. 10÷50×100=20です。

答え:20%

ただし、溶解度を超えて溶けきれない物質が出る問題では、濃度だけでなく溶解度もあわせて考えます。

基本が分かる人向け:食塩水を混ぜたときの濃度

例:5%の食塩水100gと10%の食塩水100gを混ぜる

  1. 5%の食塩水100gに含まれる食塩は、100×0.05=5gです。
  2. 10%の食塩水100gに含まれる食塩は、100×0.10=10gです。
  3. 混ぜた後の食塩は、5+10=15gです。
  4. 水溶液全体は、100+100=200gです。
  5. 15÷200×100=7.5です。

答え:7.5%

水を加えたとき、蒸発させたときの考え方

  • 水を加えると、水溶液全体の量が増えるため、濃度はうすくなります。
  • 水だけを蒸発させると、水溶液全体の量が減るため、濃度はこくなります。
  • 食塩水どうしを混ぜるときは、それぞれに含まれる食塩の量を先に求めます。
  • ただし、溶けきれなくなった物質が出てくる問題では、溶解度もあわせて考えます。

濃度と溶解度を間違えやすい問題の見分け方

濃度と溶解度は、どちらも水溶液に関係するため混同しやすい内容です。違いは、何を基準にしているか、何を求めたいかにあります。

比較する点 濃度 溶解度
基準 水溶液全体 水100g
表していること 今、水溶液の中にどれくらい含まれているか ある温度で最大どれくらい溶けるか
よく出る言葉 何%、こさ、水を加える、蒸発させる、混ぜる 水100g、最大、温度、冷やす、結晶、溶解度表
よくある間違い 分母に水だけの重さを入れてしまう 水溶液100gあたりだと考えてしまう
見るべき量 溶けている物質の量と水溶液全体の量 水の量、温度、最大で溶ける量

見分け方の目安

  • 「何%」と聞かれたら、まず濃度を考える
  • 「水100gに最大何g」とあれば、溶解度を考える
  • 「冷やす」「結晶が出る」があれば、溶解度表を確認する
  • 「水を加える」「水だけを蒸発させる」があれば、水溶液全体と溶けている物質の量を見る

溶解度とは?水100gに最大何g溶けるかを表す数値

溶解度は水溶液全体ではなく水100gが基準

溶解度は、ある温度の水100gに物質が最大何g溶けるかを表します。濃度では水溶液全体を使いますが、溶解度では水だけの重さを基準にします。また、溶解度は温度によって変わることがあります。

例:水100gに20g溶ける物質があるとします。

  • 水100gなら、最大20g
  • 水50gなら、最大10g
  • 水200gなら、最大40g
  • 水250gなら、最大50g

水100g以外が出たら、何倍かを先に求める

例:水100gに20g溶ける物質は、水250gに最大何g溶けますか

  1. 水250gは、水100gの2.5倍です。
  2. 溶ける量も2.5倍にします。
  3. 20×2.5=50です。

答え:50g

溶解度表では温度と水の量を先に見る

溶解度表を読むときは、最初に温度を確認します。表の数値は、基本的に「その温度の水100gに最大何g溶けるか」を表しています。

確認すること 見る場所 注意点
温度 表の行や列 20℃、40℃など、指定された温度を探す
水の量 問題文 水100gか、それ以外の量かを確認する
最大で溶ける量 溶解度表の数値 水の量が100gでなければ倍率をかける
冷やした後に出る量 高い温度と低い温度の差 溶けきれなくなった分が結晶として出る

溶解度表の小さな例

次の表は、考え方を確認するための架空の物質Aの例です。実際の入試問題では、問題文に示された表の数値を使ってください。

温度 水100gに最大で溶ける物質Aの量
20℃ 20g
60℃ 50g

例:60℃の水100gに物質Aを50g溶かし、20℃まで冷やす

  1. 60℃では、水100gに最大50g溶けます。
  2. 20℃では、水100gに最大20g溶けます。
  3. 50g溶けていたもののうち、20gまでしか溶けていられません。
  4. 50−20=30です。

答え:30gが結晶として出てきます。

水200gで冷やす問題の考え方

例:60℃の水200gに物質Aを100g溶かし、20℃まで冷やす

  1. 水200gは、水100gの2倍です。
  2. 60℃では、水100gに50g溶けるので、水200gには100g溶けます。
  3. 20℃では、水100gに20g溶けるので、水200gには40gまで溶けます。
  4. 100g溶けていたもののうち、40gまでしか溶けていられません。
  5. 100−40=60です。

答え:60gが結晶として出てきます。

冷やしたときは、溶けきれなくなった分を考える

高い温度でたくさん溶けていた物質を冷やすと、低い温度では溶けきれなくなることがあります。このとき、溶けきれなくなった分が結晶として出てきます。

考え方:

  1. 高い温度で最大何g溶けるかを確認する
  2. 低い温度で最大何g溶けるかを確認する
  3. 差を求める
  4. 水の量が100gでない場合は、先に水100g基準に直す
  5. 最初にすべて溶けていたかどうかを問題文で確認する

枝問とは?実験問題を順に読むコツ

高野:理科はそこに考察ポイントも載ってきたりして、基本的に理科は枝問と呼ばれる大問小問でリードがつくので、必ず順に追っていけばある程度、点が取れる科目ではあるんですよ。だけど、どういう意図でやってる実験かある程度知らないと全部が小問集合に見えてきて、問題が単発になりがちなところが多いので…。

この記事では、理科の実験問題に出る枝問として説明します。枝問とは、大問のリード文、実験、表、グラフなどを共有しながら、問1、問2、問3のように小問が順番に続いていく形式です。前の小問で分かった結果を、次の小問で使うこともあります。

化学の実験問題では、温度、水の量、溶けた物質の量、発生した気体、残った物質などが次の小問につながることがあります。それぞれを別の問題として扱うのではなく、一つ前の操作や結果を引き継いで考えます。

枝問と小問集合の違い

形式 特徴 解くときの注意点
枝問 同じ実験、文章、表、グラフをもとに小問が続く 前の小問の結果や条件を次の小問へ引き継ぐ
小問集合 比較的独立した短い問題が並ぶ それぞれの問題の条件を個別に確認する

枝問では、問が変わっても実験の条件が続いていることがあります。問2や問3を解くときに、毎回条件をリセットしてしまうと、前の結果を使う問題で迷いやすくなります。

問題を読み始めたら確認する3項目

  1. 実験の目的
    「何と何の関係を調べる実験か」を一言で書きます。
  2. 操作による変化
    加熱、冷却、蒸発、水を加えるなどの操作で、何が増減するかを矢印で確認します。
  3. 表とグラフの意味
    縦軸、横軸、単位を確認し、何を比較しているかをつかみます。

実験文ではどこに印をつけるか

印をつけたい場所

  • 温度:20℃、60℃、冷やした後など
  • 水の量:水100g、水200g、水を50g蒸発など
  • 加えた物質の量:食塩10g、物質A50gなど
  • 操作:「冷やした」「蒸発させた」「ろ過した」「加熱した」など
  • 表やグラフの単位:g、mL、cm³、℃、%など

枝問では前の小問の結果を次に使うことがある

実験問題の流れの例

  1. 水を温める
  2. 物質を溶かす
  3. 水溶液を冷やす
  4. 出てきた結晶の量を求める

このような問題では、「温めたときに何g溶けたか」「冷やした後に何gまで溶けるか」を順番に使います。小問ごとに条件をリセットせず、実験の流れを続けて読むことが大切です。

問1・問2・問3のつながりを見る

小問のつながりの例

  • 問1:60℃で、水100gに物質Aは最大何g溶けますか。
  • 問2:20℃で、水100gに物質Aは最大何g溶けますか。
  • 問3:60℃で溶かした物質Aを20℃まで冷やすと、何g出てきますか。

問3だけを見ても解きにくい場合があります。問1と問2で確認した「高い温度で溶ける量」と「低い温度で溶ける量」を使うと、冷やしたときに出てくる量を考えやすくなります。

実験問題では表の単位とグラフの軸を先に見る

表やグラフが出たら、数値を読む前に単位を確認します。縦軸が「溶ける量g」なのか、横軸が「温度℃」なのかを見てから小問へ進むと、問題の条件を見失いにくくなります。

枝問を見直すときのチェック

  • 前の小問の結果を使う問題か
  • 温度は変わったか
  • 水の量は変わったか
  • 溶けた物質や発生した気体の量は変わったか
  • 表の単位やグラフの軸は何を表しているか

写真や動画を使って実験の流れを理解する

高野:実験、動画や写真を実際見てみるとか、実験教室もあるので、実際自分が経験して「ある程度この実験知ってる」となると、問題の流れが分かって計算とか、問題の条件を読解する意味ではそういう実体験しとくのは有利に働くかなと思いますね。

化学では、器具の使い方や物質の変化を目で見た経験が、問題文や実験図の理解につながります。枝問が読み取りにくいときは、実験の目的と操作の順番を映像や図で確認すると、問題文の流れを追いやすくなります。

化学実験でよく見る操作

操作 何をするための操作か 問題で見る点
ろ過 液体と、溶けずに残った固体を分ける 何がろ紙に残り、何がろ液になるか
蒸発 水を減らし、溶けている物質を取り出す 水だけが減り、溶けている物質は残ること
再結晶 温度を下げて、溶けきれない分を結晶として取り出す 高温と低温の溶解度の差
気体発生 反応で出る気体を調べる 発生した気体の性質、集め方、確認方法
中和 酸性とアルカリ性の水溶液を反応させる 酸性とアルカリ性のどちらが余っているか
  • 授業で扱った実験を写真や動画で見直す
  • テキストの実験図を見ながら、操作の順番を説明する
  • 操作の前後で何が変わったかを言葉にする
  • 学校や塾で実験を行った場合は、問題文と実際の様子を結び付ける

実験を見た後は、「何を調べる実験だったか」「操作によって何が変わったか」を説明してみてください。映像を見るだけで終わらせず、言葉にすることが枝問の読み取りにつながります。

自分がどこでつまずいているかを確認しよう

次の画像は、化学分野を学習する場面のイメージです。本文のチェック項目とあわせて、暗記、計算、実験問題のどこで手が進みにくいかを確認してみてください。

中学受験理科の化学分野を学習する生徒のイメージ

化学が苦手と感じていても、すべての単元を最初からやり直す必要があるとは限りません。まず、どの段階で手が進みにくくなるかを確認します。

知識が抜けやすいタイプ

よくある状態

計算はできても、物質名、性質、気体の発生方法、実験結果などを思い出せない。

復習するときのポイント

  • 用語と現象や実験結果を組み合わせて覚える
  • 表やカードを使い、短時間で繰り返し確認する
  • 覚えた内容を自分の言葉で説明する

割合計算で詰まりやすいタイプ

よくある状態

現象は理解できても、水の量、溶けている物質の量、水溶液全体の量を使い分けられない。

復習するときのポイント

  • もとにする量と比べる量を分けて書く
  • 水100gの何倍かを先に求める
  • 少ない数の例題を同じ解き方で繰り返す

実験問題の読み取りが苦手なタイプ

よくある状態

用語は覚えているが、リード文、表、グラフ、枝問のつながりが分からない。

復習するときのポイント

  • 実験の目的を一言で書く
  • 操作による変化を矢印で確認する
  • 小問を解く前に表やグラフの軸を確認する

家庭学習で確認したいポイント

家庭で復習するときは、正解・不正解だけで判断するより、どこで考えにくくなっているかを確認すると原因を見つけやすくなります。

困りやすい場面 確認すること 声かけの例
単位換算で間違える 問題文の数値に単位を書いているか 式に入れる前に、L、mL、g、kgをそろえよう
濃度で分母を間違える 水と水溶液全体を分けて書いているか 今、分母に入れたのは水だけか、水溶液全体か確認しよう
溶解度で迷う 水100gあたりを基準にしているか 実際の水の量は、水100gの何倍かを先に見よう
実験問題で手が進みにくい 実験の目的を一言で説明できるか この実験は何と何の関係を調べているのかな
暗記はしているのに得点につながらない 用語を現象や計算と結び付けているか その性質は、どの実験結果に出てくるかな

答えだけを覚え直すより、「どの量を見たか」「何を基準にしたか」「どの操作で何が変わったか」を確認すると、同じ間違いを繰り返しにくくなります。

化学では暗記と計算を結び付けることが大切

高野:化学の大変なところは暗記・計算2ジャンル入ってきて苦労してる人が多いと思うんです。物理は割と計算オンリーみたいなところありますが化学の場合は知識もさることながらある程度、割合の計算というのはすごく出るので…基本的には計算して頑張るっていう部分と暗記して覚えるバランスが大事な分野になると思います。

化学では、物質の性質を覚えていても、問題の条件に合わせて数値を処理できなければ得点につながりません。反対に、割合計算ができても、何が起こっている実験か分からなければ正しい式を選べません。

知識と計算を一つの流れで確認する

  1. 何が起こるかを確認する
    物質の性質、反応、温度による変化などを確認します。
  2. どの量が変化するかを分けて考える
    水、溶けている物質、水溶液全体のうち、何が増減するかを見ます。
  3. 必要な数値だけを式に入れる
    単位と基準をそろえてから、割合や比を使って計算します。
  4. 答えを現象に戻して確認する
    求めた量が実験の状況として不自然でないかを確認します。

計算問題でも、最初に現象を言葉で説明してから式を立てると、暗記した知識と計算方法が結び付きやすくなります。

算数の食塩水と理科の溶解度計算は何が違う?

共通するのは割合の考え方

算数の食塩水と理科の水溶液では、どちらも全体の量と溶けている物質の量の関係を考えます。比や割合を使って、分からない量を求める点は共通しています。

理科では温度や実験操作も加えて考える

理科の問題では、割合を計算するだけでなく、温度の変化や実験操作も考える必要があります。

  • 温度を上げたとき、溶ける量がどう変わるか
  • 冷却したとき、何が出てくるか
  • 水を蒸発させたとき、水と溶けている物質がどうなるか
  • 水を加えたとき、全体の状態がどう変わるか

割合の式を立てる前に、操作によって何が変化したのかを言葉や矢印で確認してください。濃度では水溶液全体、溶解度では水100gという基準の違いもあわせて確認します。

ミニ演習:単位・密度・濃度・溶解度・枝問を確認しよう
  1. 単位:1.2kgは何gですか。また、0.35Lは何mLですか。
  2. 単位:350mLは何Lですか。
  3. 密度:体積50mL、重さ40gの液体の密度を求めましょう。
  4. 密度:体積20cm³、重さ54gの金属の密度を求めましょう。
  5. 濃度:水90gに食塩10gを溶かした食塩水の濃度を求めましょう。
  6. 濃度変化:10%の食塩水100gに水100gを加えると、濃度は何%になりますか。
  7. 蒸発:10%の食塩水100gから水だけを50g蒸発させると、濃度は何%になりますか。
  8. 水100gあたり:「水100gに5g溶ける」とき、水200gには最大何g溶けますか。
  9. 枝問:実験のリード文を読んだ後、最初に何を書けば問題の流れを追いやすくなりますか。
解答例を表示する
  1. 1.2kg=1200g、0.35L=350mL
  2. 350mL=0.35L
  3. 40÷50=0.8なので、0.8g/mL
  4. 54÷20=2.7なので、2.7g/cm³
  5. 水溶液全体は90+10=100g。10÷100×100=10%
  6. 食塩は10gのまま、水溶液全体は200g。10÷200×100=5%
  7. 食塩は10gのまま、水溶液全体は50g。10÷50×100=20%
  8. 10g。水200gは水100gの2倍なので、溶ける量も2倍です。
  9. 「何の関係を確かめる実験か」を一言で書きます。

間違えた問題に合わせて復習する内容を選びましょう

  • 単位や密度で間違えた場合は、単位換算と密度の式を確認する
  • 濃度や溶解度で間違えた場合は、基準が水溶液全体か水100gかを確認する
  • 枝問で迷った場合は、実験の目的、操作、表やグラフの単位を確認する

中学受験理科の化学でよくある質問

次の画像は、化学問題について考える生徒のイメージです。FAQでは、検索されやすい単位換算、密度、濃度、溶解度、枝問の疑問を短く確認できます。

中学受験理科の化学問題について考える生徒のイメージ

Q1. 0.35Lは何mLですか

0.35L=350mLです。1L=1000mLなので、0.35×1000=350mLと計算します。

Q2. 濃度とは何ですか

濃度とは、水溶液全体の中に溶けている物質がどのくらい含まれているかを表す割合です。分母には水だけではなく、水溶液全体の重さを入れます。

Q3. 溶解度とは何ですか

溶解度とは、ある温度の水100gに物質が最大何g溶けるかを表す数値です。水溶液100gではなく、水100gを基準にします。

Q4. 溶解度と濃度は何が違いますか

溶解度は「水100gに最大何g溶けるか」、濃度は「水溶液全体の中にどれくらい含まれているか」を表します。基準になる量が違います。

Q5. 枝問とは何ですか

枝問とは、大問の中で同じ実験や文章をもとに小問が順番に続く形式です。前の小問で分かったことを次の小問で使うことがあります。

Q6. 密度の求め方は何ですか

密度は、重さ÷体積で求めます。単位はg/cm³やg/mLを使うことが多いです。1cm³=1mLとして考えられます。

Q7. 濃度計算では分母に何を入れますか

濃度計算の分母には、水溶液全体の重さを入れます。水90gに食塩10gを溶かした場合、水溶液全体は100gです。

Q8. 濃度と溶解度を見分ける方法はありますか

「何%」なら濃度、「水100gに最大何g」「温度」「冷やす」「結晶」などが出てきたら溶解度を考えます。

Q9. 溶解度表で水の量が100gではないときはどうしますか

水50gなら水100gの半分、水200gなら水100gの2倍として考えます。先に水の量が100gの何倍かを求めます。

Q10. 化学の実験問題では最初にどこを見ればよいですか

実験の目的、操作、変化した量、表やグラフの単位を見ます。温度、水の量、加えた物質の量、発生した気体の量などに印をつけると読みやすくなります。

Q11. 化学が苦手な場合、どの単元から復習すればよいですか

単位換算でつまずく場合は密度や濃度の前に単位を確認します。割合計算が苦手な場合は濃度、溶解度の順に復習します。暗記が抜けている場合は、水溶液の性質、気体、金属、中和などを実験結果と結び付けて確認しましょう。

Q12. cm³とmLは同じ量ですか

1cm³=1mLです。どちらも体積を表す単位です。ただし、Lやm³など別の単位が混ざっている場合は、計算前に単位をそろえてください。

苦手タイプ別に次に読むページを選ぶ

この記事で基本を確認した後は、間違えやすい内容に合わせて関連ページへ進むと復習しやすくなります。

苦手な内容 次に確認したいページ 確認する目的
単位・密度で詰まる ものの体積と温度
状態変化の名前一覧
体積、温度、物質の変化をあわせて確認する
濃度・溶解度で詰まる 水溶液のこさと溶解度
ものが水に溶ける仕組み
水溶液全体、水100g、温度変化の違いを確認する
暗記で詰まる いろいろな水溶液の性質
気体と水よう液の基礎
水よう液と金属の反応
物質名、性質、反応、実験結果を結び付ける
実験問題で詰まる 気体と水よう液の基礎
ものの燃え方
水よう液と中和の要点
実験操作、気体発生、過不足、表やグラフの読み取りを確認する

関連ページは、すべてを一度に読む必要はありません。自己診断やミニ演習で間違えた内容に近いものから選んでください。

化学分野を復習する順番

どのページから確認すればよいか迷う場合は、次の順番で進めてください。この記事では基本の考え方を確認し、各単元の詳しい内容は関連ページで復習できます。

  1. ものの溶け方で、溶解の基本を確認する
  2. 水溶液のこさと溶解度を確認する
  3. いろいろな水溶液の性質を整理する
  4. 水よう液と中和の要点を確認する
  5. 水よう液と金属の反応を確認する
  6. ものの燃え方を確認する
  7. 状態変化の名前一覧を確認する
  8. ものの体積と温度を確認する

溶ける仕組みと溶解度を先に確認し、その後に水溶液の性質や反応へ進むと、単元同士の関係を確認しやすくなります。

家庭学習で同じところを繰り返し間違える場合

単位換算、密度、濃度、溶解度、枝問のうち、どこで困りやすいかを確認しても、家庭だけでは原因を見分けにくいことがあります。その場合は、化学だけでなく理科全体の学習順を見直すことも大切です。

たとえば、単位換算や濃度、溶解度で同じ間違いを繰り返す場合、実験問題のリード文を読んでも何をしている実験か分かりにくい場合、暗記はしているのに得点につながらない場合は、どの単元から戻るべきかを確認すると学習しやすくなります。

中学受験理科の講座について確認したい場合は、次のページをご覧ください。

中学受験理科の講座案内を確認する

まとめ──化学の苦手を原因ごとに見直そう

中学受験理科の化学では、暗記、割合計算、単位換算、実験問題の読み取りが組み合わされます。すべてを一度にやり直すのではなく、どの段階でつまずいているかを確認することが大切です。

  • 0.35L=350mLのように、計算前に単位をそろえる
  • 密度は「重さ÷体積」で求める
  • 濃度では、水ではなく水溶液全体を使う
  • 溶解度では、「水100gあたり」という基準を確認する
  • 暗記した知識を現象や計算と結び付ける
  • 枝問を一続きの実験として読む
  • 表やグラフが出たら、軸と単位を先に見る

まずは、自己診断やミニ演習で間違えた項目を一つ選び、対応する単元から復習してください。詳しく復習する単元は、「苦手タイプ別に次に読むページを選ぶ」や「化学分野を復習する順番」から選べます。

中学受験理科の学習方法を整理したい方へ

「化学だけ何度復習しても同じところで間違える」「暗記と計算のどちらを優先すべきか分からない」「実験問題の読み方を家庭で判断しにくい」という場合は、講座案内や学習相談のページも確認できます。

記事で自分のつまずきを確認したうえで、必要に応じてご覧ください。