【理科のコツ】花のつくり

中学受験/理科・生物
テーマ:花のつくり・被子植物

花のつくりをイメージで理解する──おしべ・めしべから果実・種子、合弁花・離弁花まで

「おしべ? めしべ? 子ぼう? 胚珠?」──用語だけ並ぶと、花のつくりはとても覚えにくく感じます。
このページでは、動画と図をもとに被子植物の花のつくりを整理し、
果実・種子への変化合弁花・離弁花まで、入試で狙われるポイントを
まとめとクイズで一気に確認できるようにしました。

動画で学ぶ:花のつくり(被子植物)

まずは動画で全体像をつかんでから、このページの図解とまとめで復習していきましょう。

被子植物と花の基本構造

花の構造と果実化のポイントをまとめた解説図

おしべ・めしべ・花びら・がくなど、花のパーツがどう並んでいるかを立体的にイメージしよう。

私たちがふだん「花」と呼んでいるものの多くは、被子植物です。
被子植物は、胚珠が子ぼうに包まれている植物のグループで、
松・イチョウ・ソテツなどの裸子植物と対比されます。

被子植物の花には、次のような共通したパーツがあります。

花の各部の名前と役割

部位 位置・見た目 役割・ポイント
おしべ めしべのまわりに並ぶ細い棒状の部分 先端のやくの中に花粉が入っている。
花粉症の原因になるのもこの花粉。
棒の部分は花糸と呼ばれるが、入試ではやく+おしべを中心に覚えればOK。
めしべ 花のど真ん中にドンとある太い部分 上の部分が柱頭、下が子ぼう。子ぼうの中に胚珠がある。
受粉後、子ぼう → 果実/胚珠 → 種子になるので、入試頻出。
花びら
(花弁)
色とりどりで目立つ部分 虫や動物を引き寄せる「広告塔」。
テキストでは花弁(かべん)と書かれていることも多いので同じ意味として覚える。
がく
(がく片)
花びらの外側で花を支える緑色っぽい部分 つぼみのときに花びらを包んで守る役割。
「がく片」と書かれることもあるので、こちらの語もチェック。
花たく 花びらやがくのつけ根・土台にあたる部分 入試頻度は高くないが、リンゴの「食べている部分」は花たくが肥大化したものという話で登場。
このような果実は偽果と呼ばれる。

おしべ・めしべは「オス・メス」とイメージしがちですが、動物のオス・メスとは仕組みが少し違うことも頭の片隅に置いておきましょう。

おしべ・めしべと受粉──果実・種子になるまで

花のつくりで一番重要なのは、受粉→受精→果実・種子という流れです。
ここをセットで覚えると、問題文を読むときに迷いにくくなります。

花びら、花たく、果実化の過程を学ぶための図解

図で「どの部分がのちの果実・種子になるか」を確認しよう。

受粉から果実・種子への流れ

  • おしべのやくで作られた花粉が、めしべの柱頭につく(受粉)。
  • 花粉の中の細胞がめしべの中を通って胚珠へ向かい、受精が起こる。
  • 受精後、子ぼうがふくらんで果実になり、胚珠は種子になる。

したがって、入試では次の対応をしっかりおさえることが大事です。

  • 子ぼう → 果実
  • 胚珠 → 種子

リンゴは「偽果」の代表例

リンゴの場合、一般に「果実」として食べている部分は、子ぼうそのものではなく花たくがふくらんだ部分です。
このような果実を偽果と呼び、入試でエピソード的に出てくることもあります。

合弁花と離弁花&花占いの豆知識

花びらの付き方にも注目すると、合弁花離弁花という分類が出てきます。

分類 特徴 具体例
合弁花 花びらどうしがくっついて一体化している。 アサガオ、キク科の仲間(タンポポ・キク など 多数の小さな花が集まった頭状花序)。
離弁花 花びらが一枚ずつバラバラになっている。 サクラ など。

花占いと花びらの枚数

「好き・嫌い・好き・嫌い…」と花びらをちぎる花占いは、
奇数枚の花びらの花(例:サクラの5枚)が楽しくちぎりやすい、といった話も紹介されました。

また、キクやタンポポのようなキク科の植物は、見た目は花びらがたくさんあるように見えますが、
実際にはたくさんの小さな花が集まった構造になっており、合弁花のグループに含まれます。

こうした「日常とつながる豆知識」を知っておくと、植物の単元もぐっと身近に感じられます。

花のつくりについてのまとめ

項目 内容
花の基本構造 おしべ:花粉を含む「やく」がある
めしべ:胚珠を含む「子ぼう」がある
花びら:花弁と呼ばれることもある
がく:花を支える部分、がく片とも呼ばれる
おしべとめしべの役割 おしべ:花粉を生産し、受粉を担う
めしべ:受粉後に子ぼうが果実となり、胚珠が種子になる
合弁花と離弁花 合弁花:花びらが一体化している(例:アサガオ、キク科の多く)
離弁花:花びらが独立している(例:サクラ)
果実化のプロセス 子ぼうが肥大化して果実となる
胚珠が種子となる
・例:リンゴは花たくの部分が肥大化した偽果
花占いの豆知識 ・奇数枚の花びらの花(例:サクラ)が花占いに適している
・キクやタンポポはキク科の特殊な例で、多数の小花が集まった合弁花の仲間

「どの部分が、のちに何になるのか」を図とセットで覚えると、文章題や記述問題にも強くなります。

理解度チェッククイズ(10問)

最後に、花のつくりと用語がしっかり頭に入っているか、クイズで確認してみましょう。
各問題の「正解を見る」ボタンをクリックすると解答が表示されます。

問題 選択肢 正解を見る
1. おしべに含まれる部分はどれですか? A. 胚珠
B. 子ぼう
C. やく
D. 柱頭

2. 受粉後に果実になる部分は? A. 胚珠
B. 子ぼう
C. やく
D. 花びら

3. 花びらが一体化している花の分類は? A. 離弁花
B. 合弁花
C. 偽果花
D. 花占い花

4. 胚珠が種子になる過程で何が起きますか? A. 胚珠が花びらに変わる
B. 胚珠が種子になる
C. 胚珠がやくに変わる
D. 胚珠が葉に変わる

5. リンゴの果実化について正しい説明は? A. 子ぼうが直接果実になる
B. 花たくが肥大化した偽果
C. やくが果実になる
D. 胚珠が果実になる

6. 花びらの別名は? A. 花弁
B. がく片
C. 花たく
D. やく

7. 合弁花の例として適切なのは? A. 桜
B. 朝顔
C. タンポポ
D. 松

8. 被子植物の特徴は? A. 子ぼうが裸出している
B. 胚珠が子ぼうに包まれている
C. 子ぼうが花びらに変化する
D. 胚珠が葉に変化する

9. 花占いに適しているのは? A. 偶数枚の花びらの花
B. 奇数枚の花びらの花
C. 離弁花だけ
D. 合弁花だけ

10. 胚珠が花びらに変わる植物の例は? A. タンポポ
B. 松
C. 桜
D. 該当なし

まとめ──「どの部分が何になるか」が分かれば怖くない

  • 被子植物では、胚珠が子ぼうに包まれているという大きな特徴がある。
  • 子ぼう → 果実、胚珠 → 種子という対応は、入試頻出なので必ず押さえる。
  • おしべは花粉を作る「やく」、めしべは受粉と果実・種子づくりの中心となる。
  • 合弁花・離弁花の違いは花びらの付き方の違いとして図とセットで覚える。
  • リンゴの偽果や花占いなど、日常の例と結びつけると記憶に残りやすい。

図を描いたり、実際の花を観察したりしながら、「ここが子ぼうで、ここがのちの種になるんだな」と指でたどってみると、
単なる暗記からイメージで理解する学習に変わっていきます。

花のつくりを図+言葉でセットにして、入試本番でも迷わないようにしよう

花のつくりは、「どの部分がどう変化して、何になるのか」を整理してしまえば、
語句問題・記述問題・作図問題まで一気に得点源にできる単元です。
動画→図解→まとめ→クイズの順に復習して、知識をしっかり定着させていきましょう。

  • 自分で花の断面図を描き、「子ぼう」「胚珠」「やく」「柱頭」などにラベルを付ける。
  • 果実と種子の問題では、必ず「もとになった部分」を対応表で整理してみる。
  • 身の回りの花(サクラ・アサガオ・キクなど)を観察し、合弁花・離弁花の違いを探してみる。

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