【理科のコツ】気体と水よう液

中学理科/化学分野
テーマ:気体と水溶液・発生方法と集め方

気体と水溶液の基礎まとめ──「気体戦隊ロクレンジャー」で覚える発生方法と性質

中学理科の気体分野では、代表的な6つの気体の性質・発生方法・集め方をセットで覚えることがとても重要です。
このページでは、動画とあわせて酸素・二酸化炭素・水素を中心に、「気体戦隊ロクレンジャー」のキャラクターとして楽しく整理していきます。

動画で学ぶ:気体と水溶液の基礎

まずは動画で全体のイメージをつかみ、そのあとで本文・まとめ・クイズを使って、入試レベルまで知識を定着させていきましょう。

1. 気体戦隊ロクレンジャーとは?

気体の分野で最低限おさえておきたいのが、次の6種類の代表的な気体です。
授業ではこれをイメージしやすくするために、「気体戦隊ロクレンジャー」と呼んでいます。

気体戦隊ロクレンジャーを示すイラスト
気体名 主なポイント
酸素(O₂) 生物にとって欠かせない気体。燃焼や呼吸の分野でも重要。
水素(H₂) この世で最も軽い気体。爆発性があり、実験のときは注意。
二酸化炭素(CO₂) ドライアイスや燃焼で発生。空気より重い。石灰水を白く濁らせる。
窒素(N₂) 空気中に最も多く含まれている気体。ふだん意識しないが身の回りにたくさんある。
アンモニア(NH₃) 刺激臭が強く、水にとてもよく溶けるアルカリ性の気体
塩化水素(HCl) 水に溶かすと塩酸になる酸性の気体。水への溶けやすさが特徴。

「ゲームのキャラクターの能力を覚えられるなら、
気体の6人ぐらいは余裕で覚えられます。」という感覚で取り組んでみてください。

あとは、発生方法・性質・集め方をセットで覚えていくのが理科のポイントです。

2. 酸素・二酸化炭素・水素の性質を整理しよう

(1)酸素:燃焼と呼吸の主役

酸素は、燃焼や呼吸に欠かせない気体で、生物分野でもよく登場します。

  • 発生方法:二酸化マンガンに薄めた過酸化水素水(オキシドール)を加える。
  • 性質:無色・無臭/空気と比べて少し重い/水にほとんど溶けない。
  • 集め方:水に溶けにくいので、水上置換法で集める。
二酸化マンガンと過酸化水素水による酸素の発生実験図
酸素の性質(水に溶けない・空気より少し重い)を示す図

(2)二酸化炭素:身の回りにあふれる気体

二酸化炭素は、身近なところでたくさん発生している気体です。

  • 発生の例:
    • ケーキ屋さんなどで見かけるドライアイスを放置すると、二酸化炭素の気体になる。
    • 割りばしなどを燃やすと、燃焼の結果として二酸化炭素が出る。
  • 性質:無色/空気よりかなり重い(ドライアイスのもくもくが下にたまるイメージ)/水に少し溶ける。
  • 特徴的な反応:石灰水を白く濁らせる
  • 集め方:空気より重いため、ビンを下向きにして集める下方置換法がよく使われる。

(3)水素:最も軽く、爆発性のある気体

水素はこの世で一番軽い気体で、最近は水素エンジンの車などでも話題になる気体です。

  • 発生方法:金属に酸をぶっかけると水素発生。具体例:金属の亜鉛を薄い塩酸に入れる。
  • 性質:無色/空気よりはるかに軽い/水にほとんど溶けない。
  • 集め方:
    • 水に溶けにくいので水上置換法で集めることも可能。
    • 空気よりとても軽いため、ビンを上向きにして上の方にたまる水素を集める上方置換法も使える。
  • 注意:爆発性があり危険。実験では量や火の扱いに細心の注意が必要。

これら3つの気体は、「発生方法・性質・集め方」をセットで覚えておくと、入試の作図問題・記述問題で非常に有利になります。

3. 発生方法と収集方法を一気に整理

代表的な気体について、「どの実験で発生させて、どの方法で集めるか」を表にまとめます。

気体 主な発生方法(例) おもな性質 収集方法の例
酸素 二酸化マンガン+薄い過酸化水素水(オキシドール) 無色/空気より少し重い/水に溶けにくい 水上置換法で集める。
二酸化炭素 ドライアイスを置いておく/ものを燃やす(燃焼)など 無色/空気より重い/石灰水を白く濁らせる 空気より重いため下方置換法が適している。
水素 亜鉛などの金属+薄い塩酸などの酸 無色/この世で最も軽い/水にほとんど溶けない/爆発性 水上置換法または上方置換法で集める。
窒素 空気から酸素などを取り除くなど(入試では性質中心) 無色・無臭/ほとんど反応しにくい/空気中に最も多い 学習の中心は発生方法よりも「空気中に多い」という事実。
アンモニア 塩化アンモニウム+水酸化カルシウムなど 刺激臭が強い/水に非常によく溶ける/アルカリ性 空気より軽く水に溶けやすいので、上方置換法で集める。
塩化水素 塩化ナトリウム+濃い硫酸など 強い酸性/水に非常によく溶ける(塩酸になる) 水に溶けやすい気体として、水溶液(塩酸)との関係が重要。

「水に溶けるか/溶けにくいか」と「空気より重いか/軽いか」を意識すると、収集方法(水上・上方・下方置換法)もセットで覚えやすくなります。

4. 気体と水溶液についてのまとめ(重要ポイント)

元のまとめを、入試でそのまま使えるように整理した表です。

項目 内容
代表的な気体 – 酸素
– 水素
– 二酸化炭素
– 窒素
– アンモニア
– 塩化水素
酸素の特徴 – 無色で水に溶けない
– 空気より少し重い
– 発生方法:二酸化マンガン+薄い過酸化水素水(オキシドール)
収集方法:水上置換法
二酸化炭素の特徴 – 無色で空気より重い
– 水に少し溶ける
– 石灰水を白く濁らせる
収集方法:下方置換法
水素の特徴 – 無色でこの世で最も軽い
– 水にほとんど溶けない
– 発生方法:金属+酸(例:亜鉛+塩酸)
収集方法:水上置換法または上方置換法
– 注意:爆発性がある
気体の発生例 – 酸素:過酸化水素水+二酸化マンガン
– 二酸化炭素:ドライアイス、燃焼
– 水素:金属+酸

ここに載っていない細かい条件は、資料集・図説・動画を見ながら、自分なりの暗記カードやイラストで補強していくと効果的です。

5. 気体と水溶液に関するクイズ(10問)

ここまでの内容を、10問のクイズで確認してみましょう。
各問題の「正解を見る」ボタンを押すと答えが表示され、ボタンは消えます。

問題 選択肢 正解を見る
1. 酸素の発生方法は? A. ドライアイス
B. 金属+酸
C. 二酸化マンガン+薄い過酸化水素水
D. 石灰水

2. 二酸化炭素を収集する方法は? A. 上方置換法
B. 水上置換法
C. 下方置換法
D. 蒸留法

3. 水素が最も特徴的な性質は? A. 空気より重い
B. 爆発性がある
C. 水に溶ける
D. 冷却能力が高い

4. 石灰水を白く濁らせる気体は? A. 酸素
B. 水素
C. 二酸化炭素
D. 塩化水素

5. 水素を発生させる方法は? A. 金属+酸
B. ドライアイス
C. 燃焼
D. 過酸化水素水+二酸化マンガン

6. 酸素の収集に適した方法は? A. 上方置換法
B. 水上置換法
C. 下方置換法
D. 凝縮法

7. 水素が軽い理由として正しいのは? A. 空気中の密度が低い
B. 爆発性がある
C. 水に溶ける
D. この世で最も軽い気体

8. 二酸化炭素の特徴として正しいのは? A. 空気より軽い
B. 水に全く溶けない
C. 石灰水を白く濁らせる
D. 爆発性がある

9. ドライアイスが放出する気体は? A. 酸素
B. 水素
C. 二酸化炭素
D. 窒素

10. 酸素が水に溶けない性質に関係する収集法は? A. 上方置換法
B. 水上置換法
C. 下方置換法
D. 蒸発法

6. まとめ──「キャラ設定」で6種類の気体を一気に攻略しよう

  • 気体戦隊ロクレンジャー(酸素・水素・二酸化炭素・窒素・アンモニア・塩化水素)は、必ず名前と性質をセットで覚える。
  • 特に、酸素・二酸化炭素・水素は、発生方法・性質・集め方・反応(石灰水など)まで問われやすい。
  • 「空気より重い/軽い」「水に溶ける/溶けにくい」という視点で整理すると、収集方法(水上・上方・下方置換法)が自然に結びつく。
  • 日常生活(ドライアイス・水素エンジン・消毒液など)とセットでイメージすると、暗記がぐっと楽になる。
  • 資料集・図説・動画を使って、自分なりのイラスト暗記・キャラクター暗記を作ると定着度が上がる。

細かい条件を丸暗記するのではなく、「この気体はどんな性格で、どんな集め方が得意なのか」とキャラ設定をするつもりで覚えていきましょう。

気体分野を「暗記だけ」で終わらせたくない人へ

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