【理科のコツ】水よう液と金属

中学受験理科/化学分野
水溶液と金属の反応・暗記のコツ

中学受験理科「水溶液と金属」の勉強法──暗記一色の単元を整理して覚えるコツ

塩酸・硫酸・水酸化ナトリウム・食塩水・王水……など、水溶液と金属の反応は、
「とにかく覚えることが多い」単元です。表を丸暗記しようとしても、似た条件が多くて混乱しがちです。

この記事では、しゅん吉先生の解説をもとに、
「金属+水溶液」の基本パターンテストで狙われる例外を整理します。
魔法のキーワード「金属に酸ぶっかけたら水素発生」を軸に、暗記と理解をつなげていきましょう。

※動画では、水溶液と金属の反応パターンや暗記のコツを、イメージを交えながら解説しています。

「水溶液と金属」ってどんな単元?

しゅん吉先生:水溶液に金属を突っ込んだらどんな反応が起こるのか、というものをまとめた表になっています。
もうシンプルに暗記一色です。

「水溶液と金属」の単元は、
「この金属をこの水溶液に入れるとどうなるか?」という対応を覚えるのが基本です。
しかし、すべてをバラバラに暗記しようとするとすぐに限界がきます。

そこで役立つのが、先生が強調している魔法のキーワードです。

まずこのキーワードを出発点に、
「基本ルール」→「例外」→「発展(王水など)」の順で整理していくと、暗記が一気に楽になります。

受験理科専門塾しゅん吉クエストのロゴ

【受験理科専門塾しゅん吉クエスト】:
中学受験理科に特化した完全1対1個別指導の専門塾です。
物理・化学・生物・地学の4分野について、苦手単元のやり直しから志望校対策まで、
一人ひとりの理解度に合わせてカリキュラムを作成し、「理科嫌い」を「理科で点が取れる」に変える指導を行っています。


しゅん吉クエスト公式サイトを見る

金属と酸の反応──まずは「水素が出る」が基本形

金属+酸 → 水素発生、ただし金銀銅は例外

しゅん吉先生:皆に教えたい魔法のキーワードが
金属に酸ぶっかけたら水素発生】です。
…だけど金銀銅は錆びません。

中学受験レベルでは、「金属+塩酸(硫酸)=水素が発生」という図式をまずしっかりおさえます。

  • 金属に塩酸や硫酸をかけると、ブクブクと泡(水素)が発生する。
  • 発生した水素は上方置換・水上置換などで集める問題に発展する。
  • ただし銅・銀・金はこうした酸ではほとんど反応せず、「錆びない金属」として扱う。

まずは、「ほとんどの金属は酸で水素を出す」「銅・銀・金は例外」という大枠を覚えておきましょう。

アルミと王水──「例外パターン」をセットで覚える

アルミは酸にもアルカリにも反応する

アルミニウムは、酸性・アルカリ性の両方の水溶液に反応しやすいという少し特殊な金属です。

  • アルミ+塩酸 → 水素が発生
  • アルミ+水酸化ナトリウム水溶液 → 白い物質(テトラヒドロキシドアルミン酸イオンを含む状態)ができる

難しい名称そのものを覚える必要はありませんが、
「アルミ=酸にもアルカリにも溶ける特殊枠」として押さえておくと、表の暗記が楽になります。

金銀銅を溶かす「王水」という超強力な酸

通常の塩酸や硫酸にはほとんど溶けない金・銀・銅ですが、
特別な酸である王水には注意が必要です。

  • 王水:濃硝酸と濃塩酸を1:3の割合で混ぜた非常に危険な酸
  • 金やプラチナを溶かすことができる

中学受験では、「金銀銅はふつうの酸では溶けにくい」「特別に王水なら金やプラチナも溶ける」
というイメージを持っておけば十分です。

食塩水やその他の水溶液との反応

食塩水・石灰水では「ほとんど溶けない」パターンが多い

先生のまとめでも、食塩水に金属を入れても「溶けない」が並ぶ表が紹介されています。

食塩水と金属:なぜ溶けないのか、その理由を探る

中学受験レベルでは、次のように整理しておくとシンプルです。

  • 食塩水:多くの金属はほとんど溶けない(テストでは「変化なし」が答えになることが多い)
  • 石灰水・炭酸水・アンモニア水:
    どの金属が溶けるか/溶けないかを表ごと暗記する単元だと割り切る

水溶液と金属のまとめ(重要ポイントを整理)

項目 内容
金属と酸の反応
  • 金属に酸をかけると水素が発生
  • 例:アルミ+塩酸 → 水素発生
  • 銅・銀・金は基本的に錆びにくく、ふつうの酸では溶けにくい
特殊な金属(アルミ)の反応
  • アルミは酸性・アルカリ性の両方の水溶液で溶ける
  • 水酸化ナトリウム水溶液と反応すると白い物質
    (テトラヒドロキシドアルミン酸イオンを含む)を生成
食塩水と金属
  • 食塩水に金属を入れても基本的には溶けない
  • 時間をかければ変化する場合もあるが、中学入試では「変化なし」として扱われることが多い
王水の性質
  • 濃硝酸+濃塩酸=1:3で混ぜた非常に危険な液体
  • 金やプラチナなど、ふつうの酸では溶けない金属を溶かすことができる
その他の水溶液
  • アンモニア水・炭酸水・石灰水など
  • 「溶ける/溶けない」の組み合わせは、表でパターンごとに暗記するのが近道

ポイントは、「基本ルール」+「例外(アルミ・王水・金銀銅)」を整理してから、
表全体の暗記に取りかかることです。

水溶液と金属に関するクイズ

最後に、学んだ内容をクイズで確認してみましょう。
「正解を見る」ボタンを押すと答えが表示され、ボタンは消えます。

問題 選択肢 正解を見る
1. 金属に酸をかけたときに発生する気体は? A. 酸素
B. 二酸化炭素
C. 水素
D. 窒素

2. 食塩水に金属を入れるとどうなる? A. 溶ける
B. 溶けない
C. 爆発する
D. 色が変わる

3. 王水の主成分は? A. 塩酸と酢酸
B. 濃硝酸と濃塩酸
C. 水酸化ナトリウムと塩酸
D. アンモニア水と塩酸

4. 金銀銅が溶ける液体は? A. 酢酸
B. 塩酸
C. 王水
D. 石灰水

5. アルミが反応する水溶液は? A. 塩酸のみ
B. 水酸化ナトリウムのみ
C. 酢酸のみ
D. 酸性・アルカリ性の両方

6. 王水が溶かせる金属は? A. 鉄
B. 銀
C. 金とプラチナ
D. アルミ

7. 金属に酸をかけると一般的に何が発生する? A. 二酸化炭素
B. 水素
C. 酸素
D. 窒素

8. テトラヒドロキシドアルミン酸イオンは何と反応して生成? A. アルミ+塩酸
B. アルミ+水酸化ナトリウム
C. 銅+塩酸
D. 銀+王水

9. 金属が酸で溶ける反応では、一般にどの気体が発生する? A. 酸素
B. 窒素
C. 水素
D. アンモニア

10. 金属が錆びにくい例外として正しいものは? A. 鉄
B. 銅
C. アルミ
D. 銅・銀・金

まとめ──「基本ルール+例外」で暗記単元を攻略する

「水溶液と金属」は、確かに暗記要素の強い単元です。
しかし、ただ表を丸ごと覚えようとするのではなく、次の流れで整理するとグッと取り組みやすくなります。

  • 基本ルール:金属に酸をかけると水素が発生
  • 例外:銅・銀・金はふつうの酸では溶けにくい、アルミは酸にもアルカリにも反応
  • 発展:金やプラチナを溶かす王水、食塩水・石灰水などの「ほとんど反応しない」ケース
  • 表の暗記は、「似た性質ごとのかたまり」で覚えると効率アップ

動画や資料集の写真も活用しながら、「ただの暗記」ではなく「パターンの整理」として
この単元に取り組んでみてください。

水溶液と金属の勉強法を、プロと一緒に整理しませんか?

「表の暗記が覚えきれない」「例外パターンでいつも間違える」などのお悩みに対して、

当塾では、一人ひとりのつまずき方に合わせた中学受験理科の個別指導を行っています。

単元ごとの整理・ノートの作り方・暗記の優先順位など、「今やるべきこと」を一緒に言語化していきましょう。


次の記事

【理科のコツ】気体と水よう液