物理の図が描けない(力・つり合い)→図→関係→式の順番を固定

中学受験理科/物理 テーマ:図が描けない→関係が立たない→式が作れない、という流れを解決する
悩み起点
図→関係→式
つり合い・力
家庭で回す

力の向きが分からず、矢印を描く手が止まってしまう。
つり合いの問題で、何と何を比べればよいかが曖昧になり、式が立たない。
解説を見ると分かるのに、次の問題で同じようなところでつまずく。

多くの場合、必要なのは“物理の知識を増やすこと”ではなく、
図の描き方と書く順番(図→関係→式)を毎回同じ流れにすることです。
書く順が定まるほど、判断の迷いや作り直しが減り、正答に到達しやすくなります。

この記事で分かること

  • 「図が描けない」を3つのパターンで切り分ける
  • 力・つり合いを図に落とす“最低限の部品”
  • 図→関係→式の進め方(書く順番の習慣化)
  • 矢印・ラベルのよくあるミスと修正方法
  • 家庭で回す練習メニュー(短時間→週末通し)

まず状況整理|どこでつまずいているか

「図が描けない」という状態は、実際にはつまずいている場所が違うことが多いです。
まず、どこで手が止まっているかを特定します。

つまずき①:何を描けばいいか分からない

余計な線まで描こうとして手が止まる。必要な部品(点・線・矢印・ラベル)が決まっていない状態です。

つまずき②:描けても、関係が書けない

図と条件がつながっていない。矢印の意味(どの力か)や、比べる軸(左右・上下)が定まっていない状態です。

原因の切り分け(典型パターン3つ)

原因①

図の“部品”が多すぎる(描く対象が未整理)

物体の形や背景まで丁寧に描こうとして、必要な情報が埋もれています。直すべきは絵の上手さではなく、描く情報の絞り込みです。

原因②

矢印の意味がはっきりしていない

矢印を描いても、摩擦・重力・張力などの区別が曖昧だと関係が書けません。矢印は必ず“名前”とセットで捉えます。

原因③

比べる対象が定まらない

左右・上下・支点まわりなど、どこで比べるかが定まらないと、関係と式が毎回ぶれます。比較の軸を先に決めましょう。

改善へのステップ|図→関係→式を習慣にする

図の目的は「きれいに描くこと」ではありません。
関係(つり合い・向き・比較)を整理し、式までつなげることです。
次の順番を毎回同じにする練習をしましょう。

1

描く部品を3つに絞る(点・矢印・名前)

まず「物体の正確な形」は描かずに、必要な部品だけ置きます。図の情報量を減らすほど、関係が見えやすくなります。

2

矢印は必ず“名前”を書いてから伸ばす

矢印の向きを迷うより先に、その矢印が何を表すか(重力・張力・摩擦など)を決めます。
名前が決まれば、向きも自然とはっきりしてきます。

書き込み例(イメージ)

  • まず「W(重力)」「N(垂直抗力)」「f(摩擦)」など“名前”を書く
  • 次に短い矢印で向きをはっきりさせる
  • 必要なら矢印を伸ばして見やすくする
3

比べる軸を先に決める(左右・上下・支点まわり)

つり合いは「どこで比べるか」を決めると一気に整理できます。
まず軸を選び、次に関係を言葉にしましょう。

先に決めること 書くメモの例 次の操作
上下で比べる 上向きの力の合計 = 下向きの力の合計 “合計”の式に落とす
左右で比べる 右向きの力の合計 = 左向きの力の合計 向きで符号を決める
支点まわり 右回り = 左回り(支点を決める) “モーメント”の式に落める
4

関係は“言葉→式”の順で身につける

いきなり式にしようとすると、何を等しくするかがぶれてしまいます。
先に言葉で関係をはっきりさせ、それと同じ内容を式に置き換えましょう。

5

最後に“矢印の確認”だけする(向き・名前・数)

見直しは長くせず、ポイントを絞ります。矢印が多いほどミスが増えやすいため、最小限の確認で留めましょう。

  • 矢印に名前がしっかり付いているか
  • 比べる軸(左右/上下/支点)が一致しているか
  • 式に入れた力が、図の矢印と1対1で対応しているか

よくあるミスと修正(誤答例→直し方)

典型的なミス

矢印は描いたが、名前がない(関係が書けない)

矢印の意味が曖昧だと、比較の対象が定まりません。結果として式の候補が複数出てしまい、迷いが生じます。

典型的なミス

比べる軸が途中で変わってしまう

途中で見方が切り替わると、式の作り直しが発生します。つり合いは軸が定まるほど安定します。

典型的なミス

図が“絵”になって情報が増え、条件が埋もれる

図を丁寧に描くほど、必要な情報が見えなくなることがあります。目的は、関係をシンプルに捉えることです。

家庭での進め方|週の組み立てとチェック

図の描き方は、知識を増やすより“同じ順番で描く繰り返し”の方が身につきます。
平日は短く、週末に通しで「図→関係→式」までつなげる練習をしましょう。

区分 やること チェック(合格基準)
平日(短時間) 1問だけ「図の3部品(点・矢印・名前)」→軸決め→言葉のメモまで 矢印に名前が付き、比べる軸(左右/上下/支点)が決まっている
週末(通し) 3〜5問で「図→関係→式」まで一気に解く(時間を測ってもよい) 式が1本に絞れ、作り直しの回数が減っている
見直し 矢印の確認(向き・名前・数)だけを重点的に 図の矢印と式の内容が1対1で対応している

物理の悩みを横断して整理したい場合は、
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FAQ(よくある質問)

Q図を描くのに時間がかかって間に合いません
図が“絵”になっている可能性があります。点・矢印・名前の3部品に絞り、
先に軸(左右/上下/支点)を決めてから言葉→式に進むと、作り直しが減り、結果的に速くなります。
計算全体の遅さが気になる場合は
理科計算が遅い原因と改善
も合わせて確認してください。
Q力の向き(矢印)を毎回迷います
矢印は「名前を付ける→向き→長さ」の順にすると迷いが減ります。まず“何の力か”を決めて名前を書き、
次に短い矢印で向きをはっきりさせてください。向きの根拠が言葉で定まるほど安定します。
Qつり合いの式が複数出てきてしまいます
比べる軸(左右/上下/支点まわり)が定まらないと候補が増えてしまいます。先に軸を決め、
「上向きの合計 = 下向きの合計」など言葉で関係をはっきりさせてから式にしてください。
Q圧力・浮力の図で混乱します
圧力・浮力は「どこを比べるか」と「矢印の意味」が曖昧になりやすい分野です。
図と関係のつながりを整理する場合は
圧力・浮力が混乱する原因と改善
も合わせて確認すると、進め方が揃いやすくなります。
Q図は描けるのに計算で得点を逃します
図が描けても、単位・比例・検算の進め方が定まらないとミスが残ります。
「計算前の整理」を固める目的で
理科計算が遅い原因と改善
の進め方(単位→図→比例→式→検算)を併用してください。

あわせて読みたい記事+学習相談

図の“書く順番”から整理したい方へ

物理は、知識の量よりも「図→関係→式」の順番が揃うほど安定します。
家庭学習で改善する場合も、まずは矢印に名前を付けることと比較の軸を習慣にすることが有効です。
もし自己流のまま不安が残る場合は、問題を見ながら「どこで手が止まっているか(部品/命名/軸/式)」を切り分け、
得点につながる進め方を定着させる個別指導も選択肢になります。