水圧の求め方と公式|圧力・気圧の違いも整理【理科のコツ】
圧力・水圧・気圧
水圧の求め方と公式|深さを使う計算と圧力・気圧の違い
水圧の求め方は、問題で与えられている条件によって異なります。面を押す力と面積が分かる場合は「力÷面積」、水面からの深さを比べる場合は「同じ液体では、液体によって生じる圧力が深さに比例する」という関係を使います。
このページでは、二つの求め方の使い分け、面積の単位換算、水圧がはたらく向き、面全体が受ける力、気圧との違いを例題とともに整理します。気圧については、水圧との違いを中心に説明します。
このページの要点
力と面積が分かる場合
圧力=力÷面積
力をN、面積をm²にそろえて計算します。
水面からの深さを比べる場合
同じ液体では、液体による圧力は深さに比例する
深さが2倍なら2倍、3倍なら3倍と考えます。
問題文にある数値を見て使い分けます
力と面積が与えられている場合は「力÷面積」を使います。複数の場所の水圧を比べる場合や、水深が何倍になったかを問う場合は、水面からの深さを確認します。
水圧の公式は問題の条件によって使い分ける
面を押す力と面積から求める場合
水が面全体を押す力と、その面積が与えられている場合は、圧力の基本公式を使います。
圧力=面全体を押す力÷面積
力をN、面積をm²で表すと、答えの単位はPaになります。
例題
水が水平な底面を30Nの力で押しています。底面積が0.015m²のとき、底面にかかる水圧は何Paですか。
計算
30÷0.015=2,000
答え:2,000Pa
水平な底面は、面全体が水面から同じ深さにあります。そのため、この例では底面全体に同じ水圧がかかると考えられます。
発展:縦に長い側面を扱う問題の注意
縦に長い側面では、上部と下部で水面からの深さが異なるため、水圧も場所によって異なります。
このような面を押す力の合計を面積で割った値は、面全体についての平均の圧力です。
水面からの深さから考える場合
同じ種類の液体で、水面にかかる圧力などの条件が同じなら、液体によって生じる圧力は水面からの深さに比例します。
- 水深が2倍になると、液体による圧力も2倍になる。
- 水深が3倍になると、液体による圧力も3倍になる。
- 水面からの深さが同じなら、横の位置や容器の形が違っても水圧は同じになる。
水深を使う例
同じ水の中で、水深10cmの場所Aと水深20cmの場所Bを比べます。
水深の比は、10:20=1:2です。
水圧の比も、A:B=1:2になります。
水深が3倍になる例
水深5cmの場所と水深15cmの場所では、水深が3倍になっています。
同じ水の中で条件が同じなら、水深15cmの場所の水圧は、水深5cmの場所の3倍です。
発展:密度と深さから数値を求める公式
液体が静止しており、密度が一定と考えられる場合は、液体によって生じる圧力を次の式で求められます。
p=ρgh
| 記号 | 表すもの | 主な単位 |
|---|---|---|
| p | 液体によって生じる圧力 | Pa |
| ρ | 液体の密度 | kg/m³ |
| g | 1kgあたりにはたらく重力の大きさ | N/kg |
| h | 液面からの垂直な深さ | m |
計算例
水の密度を1,000kg/m³、重力の大きさを10N/kg、水深を0.20mとします。
p=1,000×10×0.20
p=2,000
水によって増える圧力は2,000Paです。
p=ρghが表す範囲
この式で求めるのは、液面からその深さまでの液体によって増えた圧力です。気圧を含めた全体の圧力を求める場合は、液面にかかる気圧+ρghと考えます。
中学受験では、密度や重力の値を使わず、水深が何倍になったかを比べて解く問題も多くあります。問題文に与えられた条件に合わせて考えましょう。
動画で確認できる内容
- 力と面積から圧力を求める方法
- 水の深さによって水圧が変わる理由
- 水圧と気圧の基本的な違い
圧力の求め方──「力÷面積」で計算する

力と圧力の違い
まず、力と圧力は別の量であることを区別しましょう。
- 力:ものを押したり引いたりする大きさ。単位はN(ニュートン)。
- 圧力:一定の面積あたりに、どれくらいの力がかかっているかを表す量。単位はPa(パスカル)。
圧力の公式
圧力は、次の式で求めます。
圧力(Pa)=力(N)÷面積(m²)
1Pa=1N/m²
式に入れる面積の単位は、原則としてm²にそろえます。問題でcm²が使われている場合は、単位換算をしてから計算します。
面積の単位換算に注意
- 1m=100cm
- 1m²=100cm×100cm=10,000cm²
cm²からm²に直すときは、数値を10,000で割ります。
100cm²÷10,000=0.01m²
長さと面積の換算を混同しない
1mは100cmですが、1m²は縦と横の両方を100倍するため10,000cm²です。「長さが100倍だから、面積も100倍」と考えないようにしましょう。
圧力の基本計算例
例題
20Nの力が、0.01m²の面積にかかっています。圧力は何Paですか。
計算
圧力=力÷面積
20÷0.01=2,000
答え:2,000Pa
面積が変わると圧力はどうなるか
- 同じ力なら、面積が小さいほど圧力は大きくなる。
- 同じ力なら、面積が大きいほど圧力は小さくなる。
画びょうの針先やハイヒールのかかとでは、小さな面積に力が集中します。反対に、スノーシューは雪に接する面積を広くすることで、雪に沈みにくくしています。
計算後に確かめたいこと
同じ力を比べているなら、面積が小さい方の圧力が大きくなっているかを確認しましょう。基本的な関係と計算結果を照らし合わせると、単位換算や割り算の誤りに気づきやすくなります。
水深から水圧を考える──水面からの深さを見る
水圧は、水の重さによって生じる圧力です。同じ水の中では、深くなるほど、その点より上にある水の柱が高くなるため、水圧が大きくなります。
水圧を比べるときの基準
容器全体の水量や、容器の底からの高さではなく、水面から比べる場所までの深さを確認します。
浅い場所と深い場所の水圧
浅い点A
短い線:水圧は小さい
深い点B
長い線:水圧は大きい
線の長さで水圧の大きさを表しています。
同じ深さなら横の位置が違っても水圧は同じ
水面から同じ深さ
水面から同じ深さ
AとBの水圧は同じ
- 同じ水の中で水面からの深さが同じなら、横の位置が違っても水圧は同じ。
- 容器の中央でも端でも、深さが同じなら水圧は同じ。
- 容器の幅が途中で変わっていても、比べる場所の深さが同じなら水圧は同じ。
容器の形や水全体の量だけでは決まらない
細い容器と太い容器、途中で広がっている容器を比べても、同じ水で水面からの深さが同じ場所では、水圧は同じです。
よくある比較問題
細長い容器Aと、横に広い容器Bに同じ深さまで水が入っています。容器Bの方が水の量は多く見えます。
しかし、水面から底までの深さが同じなら、底の水圧は同じです。容器全体の水量だけで判断しないようにしましょう。
水と別の液体は深さだけで比べられない
水と油など、液体の種類が異なる場合は密度も異なります。そのため、深さが同じという情報だけでは液体による圧力の大きさを決められません。問題文に液体の種類や密度が示されているかを確認しましょう。
水圧がはたらく向き──上・下・横から面を押す
水圧は、水が接している面に対して垂直な向きにはたらきます。そのため、水中の物体には下や横からだけでなく、上からも水圧がはたらきます。
水圧はそれぞれの面に垂直にはたらきます。
- 物体の上面には、下向きに水圧がはたらく。
- 物体の下面には、上向きに水圧がはたらく。
- 物体の左右の面には、それぞれ横向きに水圧がはたらく。
- 物体の下面は上面より深いため、下面にはたらく水圧の方が大きくなる。
水圧が上向きにもはたらく理由
物体の下にも水があり、その水が物体の下面を垂直に押しています。下面は水平なので、下面を押す水圧の向きは上向きになります。
高さの違う穴から出る水
浅い位置の穴
短い線:出口での水の速さは比較的小さい
深い位置の穴
長い線:出口での水の速さが大きい
同じ水槽に同じ大きさ・形の穴をあけて比べると、深い位置の穴ほど水圧が大きいため、出口での水の速さや勢いが大きくなります。
水が飛ぶ距離は深さだけでは決まらない
水が地面などに届くまでの距離は、出口での速さだけでなく、穴から着地点までの高さなどにも左右されます。また、穴の大きさや形が異なると流れ方も変わるため、同じ条件で比べることが大切です。
同じ水圧でも面が受ける力が違う例
圧力と、面全体が受ける力は同じではありません。
- 圧力:単位面積あたりにかかる力
- 面が受ける力:その面全体にかかる力
圧力と面積が分かっている場合、面が受ける力は次の式で求められます。
力=圧力×面積
例題
同じ深さにある面Aと面Bには、どちらも2,000Paの水圧がかかっています。Aの面積は0.01m²、Bの面積は0.02m²です。それぞれの面が受ける力を求めましょう。
面A
2,000×0.01=20N
面B
2,000×0.02=40N
答え:面Aは20N、面Bは40N
面Bは面Aの2倍の面積です。水圧は同じでも、面全体が受ける力は2倍になります。問題が「圧力」を求めているのか、「面にはたらく力」を求めているのかを確認しましょう。
気圧との違い──水の重さか、空気の重さか

気圧は、空気の重さによって生じる圧力です。水圧と仕組みは似ていますが、圧力を生じさせているものが異なります。
- 水圧:水の重さによる圧力
- 気圧:空気の重さによる圧力
私たちは常に空気から押されていますが、体の一方向だけではなく、さまざまな方向から圧力を受けています。そのため、ふだんは気圧を意識しにくくなっています。
このページで扱う気圧の範囲
ここでは水圧との違いを中心に説明します。気圧そのものの詳しい数値計算は扱いません。
気圧は、天気分野の高気圧・低気圧・等圧線にもつながります。物理分野と天気分野で別々の用語として覚えるのではなく、どちらも空気による圧力として整理しましょう。
圧力・水圧・気圧の違い
| 用語 | 何による圧力か | 問題で見るポイント |
|---|---|---|
| 圧力 | 面に力がかかることで生じる | 力と面積を確認し、力÷面積で求める |
| 水圧 | 水の重さ | 水平な底面など、面内の水圧が同じ場合は力÷面積。 深さを比べる場合は水面からの深さを見る。 |
| 気圧 | 空気の重さ | 空気からさまざまな方向に圧力を受ける |
水圧の問題でよくある間違い
- 問題の条件を見ずに公式を選ぶ:力と面積を使うのか、水面からの深さを比べるのかを最初に確認します。
- cm²のまま計算する:圧力をPaで求める場合は、面積をm²にそろえます。
- 容器の底からの高さを見る:水圧を比べる基準は、水面からの深さです。
- 水の量が多い容器ほど水圧が大きいと考える:同じ水では、容器全体の水量ではなく深さで決まります。
- 異なる液体を深さだけで比べる:液体の種類が違う場合は、密度も確認します。
- 水圧は下向きだけだと考える:水圧は面に垂直にはたらき、上・下・横から物体を押します。
- 圧力と力を同じものとして扱う:圧力は単位面積あたり、力は面全体にかかる量です。
確認問題──基礎と発展に分けてチェック
基礎問題
- 圧力を求める公式を書きましょう。
- 1Paは何N/m²ですか。
- 100cm²は何m²ですか。
- 40Nの力が200cm²の面積にかかるとき、圧力は何Paですか。
- 同じ水の中にある、水面から5cmの点と15cmの点では、どちらの水圧が大きいですか。
- 同じ水の中で水深が3倍になると、水圧は何倍になりますか。
- 形の違う容器でも、水面からの深さが同じなら水圧はどうなりますか。
- 水圧は水中の物体のどの方向からはたらきますか。
基礎問題の解答を確認する
- 圧力=力÷面積
- 1N/m²
- 100÷10,000=0.01m²
- 200cm²=0.02m²、40÷0.02=2,000Pa
- 水面から15cmの点
- 3倍
- 同じ水なら水圧は同じ
- 上・下・横から、それぞれの面に垂直にはたらく
発展問題
- 2,000Paの圧力が0.03m²の面にかかるとき、面が受ける力は何Nですか。
- 水の密度を1,000kg/m³、重力の大きさを10N/kg、水深を0.30mとすると、水によって増える圧力は何Paですか。
発展問題の解答を確認する
- 2,000×0.03=60N
- 1,000×10×0.30=3,000Pa
水圧の公式と計算に関するよくある質問
水圧の公式は何ですか。
問題で与えられる条件によって、使う式や関係が異なります。
- 面を押す力と面積が分かる場合:圧力=力÷面積
- 同じ水で深さを比べる場合:水圧は水深に比例
- 密度、重力の大きさ、深さが与えられる発展問題:p=ρgh
水深が2倍になると水圧も2倍になりますか。
同じ水で、水面にかかる圧力などの条件が同じなら、水圧は水深に比例します。そのため、水深が2倍なら水圧も2倍です。
同じ深さなら容器の形が違っても水圧は同じですか。
同じ水で、水面からの深さが同じなら水圧は同じです。容器の太さや形、容器全体に入っている水の量だけでは決まりません。
水圧は上向きにもはたらきますか。
はい。水圧は水が接している面に垂直にはたらきます。水中の物体の下面には上向き、上面には下向き、側面には横向きの水圧がはたらきます。
水圧と気圧は足して考えますか。
問題文の条件によって異なります。「水によって増える圧力」だけを求める場合はρghを考えます。気圧を含めた全体の圧力を求めるよう指定されている場合は、水面にかかる気圧にρghを加えます。
深い穴ほど水は遠くまで飛びますか。
同じ水槽にある同じ大きさ・形の穴を比べると、深い穴ほど水圧が大きいため、出口での水の速さは大きくなります。ただし、着地点までの距離は穴の高さなどにも左右されるため、最も深い穴の水が必ず最も遠くまで届くとは限りません。
cm²をm²に直すにはどうしますか。
cm²で表された数値を10,000で割ります。
たとえば、100cm²は「100÷10,000=0.01m²」です。長さの単位換算とは異なるため注意しましょう。
要点まとめ──圧力は面積、水圧は深さを見る
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 圧力の公式 | 圧力=力÷面積。力はN、面積はm²、圧力はPaで表す。 |
| 単位換算 | 1m²=10,000cm²。cm²からm²に直すときは10,000で割る。 |
| 水深との関係 | 同じ水では、水圧は水面からの深さに比例する。 |
| 同じ深さ | 容器の形や横の位置が違っても、水面からの深さが同じなら水圧は同じ。 |
| 異なる液体 | 液体の密度が異なるため、深さだけでは液体による圧力を比較できない。 |
| 水圧の向き | 水が接している面に対して垂直にはたらき、物体を上・下・横から押す。 |
| 面が受ける力 | 力=圧力×面積。同じ水圧でも、面積が広いほど面が受ける力は大きい。 |
| 気圧 | 空気の重さによる圧力。このページでは水圧との違いを中心に扱う。 |
圧力の計算では、力と面積を確認し、面積の単位をm²にそろえます。
水圧を比べる問題では、容器の太さや水全体の量ではなく、水面からの深さを見ることが大切です。問題文に力、面積、密度などの数値がある場合は、何を求める問題なのかを確認してから式を選びましょう。
圧力の計算や実験図でつまずきやすいときへ
圧力は、公式を覚えるだけでなく、面積の単位換算、水面からの深さ、水圧がはたらく向きを図と結び付けて考える必要があります。
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