ものの溶け方と溶解度|溶質・溶媒・溶液と溶解度曲線【理科のコツ】

小5〜中1/ものの溶け方・溶解度
読み時間目安:10〜15分

ものの溶け方と溶解度──用語・曲線・沈殿をつなげて理解する

ものの溶け方では、溶質・溶媒・溶液の区別、溶解度曲線の読み取り、水の量に合わせた比例計算、そして沈殿が出るかどうかの判断がよく問われます。

用語だけを覚えても、グラフや計算になると混ざりやすい単元です。このページでは、食塩水の例から始めて、溶解度曲線、比例計算、冷やしたときに出てくる量まで順に確認します。

「溶質と溶媒の違いは覚えたのに、溶解度曲線になると急に解けない」「水の量が変わったときの計算と沈殿の判断がつながらない」という小5〜中1の生徒向けに、入試問題でも使いやすい見方をまとめます。

このページで確認すること

ものの溶け方は、知識問題と計算問題がつながって出やすい単元です。言葉の意味を具体例で確認し、そのあとに溶解度曲線と比例計算へ進むと理解しやすくなります。

  • 溶質・溶媒・溶液・溶解の意味と具体例
  • 溶解度とは何か、グラフのどこを読むか
  • 水の量が変わったときの比例計算
  • 入れた量と溶ける量を比べて、沈殿が出るかを判断する方法
  • ミョウバン食塩の溶け方の違い

最初に押さえる要点

この単元では、次の4つをつなげて考えます。食塩水のような身近な例で用語を確認し、そのあとにグラフと計算へ進みましょう。

項目 見るところ 注意点
用語 溶かす側・溶ける側・できあがった液体 食塩水なら、水が溶媒、食塩が溶質、食塩水が溶液
溶解度 ある温度で、水100gまたは100cm³に最大何g溶けるか 温度が変わると値が変わる物質が多い
比例計算 水の量が何倍か 水が2倍なら、溶ける量も2倍
沈殿 入れた量 − 溶ける量 限界を超えた分が底に残る

1. 基本用語と「溶けている」状態

溶解した水溶液の透明な状態を示す写真

粉が見えず、後ろが透けて見える透明な状態が、物質が溶けている水溶液です。粉が底に残っているときは沈殿と言います。

まずは言葉を確認します。食塩水を例にすると、どれが溶かす側で、どれが溶ける側かが分かりやすくなります。

  • 溶媒:物質を溶かす側の液体。小・中学では水がよく出ます。
  • 溶質:溶媒に溶ける側の物質。例:食塩、ミョウバン、砂糖など。
  • 溶液:溶質と溶媒が混ざったできあがった液体
  • 溶解:物質が液体の中に細かく分かれて、均一に混ざること

アイスがとけて水のようになるのは融解です。一方、食塩やミョウバンの粒が水の中に均一に混ざるのは溶解です。この違いを押さえると、問題文の条件を読み取りやすくなります。

2. 溶解度と溶解度曲線

温度と溶解度の関係を示すグラフ:ミョウバンや硝酸カリウムの例

縦軸が溶解度、横軸が温度です。曲線上の点は、その温度で水100gまたは100cm³に最大何gまで溶けるかを表します。

溶解度とは、「100gまたは100cm³の水に、ある温度で最大何gまで溶けるか」を表した値です。

  • ミョウバンや硝酸カリウムは、温度が高いほどよく溶けます。
  • 食塩は、温度を変えても溶解度があまり大きく変わりません。
  • 曲線より下の量なら全部溶け、曲線を超えた分は沈殿として残ります。

例:ある物質が90℃で100cm³の水に30gまで溶けるとします。このとき31g入れると、1gは沈殿します。

3. 溶解度曲線の読み方

溶解度曲線では、いきなり計算に入る前に、どの温度で何gまで溶けるのかを読み取ります。

  1. 横軸の温度を見る。
  2. その温度から上へ進み、物質の曲線とぶつかる点を見る。
  3. そこから横へ進み、縦軸の値を読む。
  4. 読んだ値が、100gまたは100cm³の水に溶ける最大量になる。

グラフで読む値は、あくまで基準となる水の量に対する値です。問題文の水の量が200cm³や50cm³になっている場合は、そのあとで比例計算をします。

たとえば、100cm³の水に30gまで溶けるなら、50cm³では15g、200cm³では60gです。グラフの値を読んだあと、必ず水の量を確認しましょう。

4. 計算問題の考え方(グラフ+比例+沈殿)

代表的な問題は、次のように考えます。

  • 1:グラフから「その温度で100cm³の水に最大何g溶けるか」を読む。
  • 2:水の量が100cm³でないときは、比例で計算する。
  • 3:実際に入れた量と比べて、全部溶けるか、沈殿が出るかを判断する。

例題

90℃で100cm³の水に30gまで溶ける物質があります。200cm³の水には何gまで溶けますか。

30×2=60gまで溶けます。水の量が2倍なので、溶ける量も2倍です。

沈殿の例

上の条件で、200cm³の水に70g入れた場合、溶けるのは60gまでです。

70−60=10gが沈殿として残ります。

沈殿の問題では、「どれだけ入れたか」と「どれだけ溶けるか」を比べます。入れた量の方が多い場合だけ、差の分が底に残ります。全部溶ける量より少なく入れている場合は、沈殿は出ません。

ここで「グラフは読めても、比例計算と沈殿の判断がつながらない」と感じる場合は、ものの溶け方の比例計算と沈殿判定を中学受験理科の個別指導で固めたい方はこちらも参考になります。

5. ミョウバンと食塩の違い

溶解度曲線では、物質ごとの違いもよく問われます。特に、ミョウバン食塩の違いは重要です。

物質 温度が上がったとき 問題での見方
ミョウバン 溶ける量が大きく増える 冷やすと沈殿が出やすい
食塩 溶ける量があまり変わらない 温度変化だけでは沈殿が少ない

「温めるとよく溶ける」「冷やすと出てくる」という現象は、ミョウバンのように温度による変化が大きい物質で特に考えやすくなります。食塩は温度を上げても溶ける量が大きく増えにくいため、ミョウバンとはグラフの形が違います。

6. 冷やしたときに出てくる量の考え方

溶解度の問題では、温かい水にたくさん溶かしたあと、冷やしたときに何g出てくるかを問われることがあります。

このときは、温かいときに溶けていた量と、冷やした後に溶けていられる量を比べます。

60℃で60gまで溶け、20℃では20gまで溶ける物質があるとします。60℃で60g溶かした水溶液を20℃まで冷やすと、20gしか溶けていられません。

60−20=40gが出てきます。

このように、冷やしたときの問題では「入れた量」ではなく、「高温で溶けていた量」と「低温で溶けていられる量」の差を見ることがあります。問題文で、すでに全部溶けているのか、入れただけなのかをよく読みましょう。

まとめ

ポイント 内容
重要用語
  • 溶媒:溶かす液体
  • 溶質:溶ける物質
  • 溶液:溶質と溶媒が混ざった液体
  • 溶解:物質が液体に溶けて、均一になること
溶解度
  • 一定量の水に溶ける物質の最大量を表す。
  • ふつうは「100gまたは100cm³の水に何gまで溶けるか」で表す。
  • 温度によって溶解度が変化し、その様子を溶解度曲線で表す。
計算のポイント
  • グラフや表から、100gまたは100cm³あたりの溶解度を読む。
  • 水の量が変わったら、比例で計算する。
  • 入れた量が溶ける量を超えた分は沈殿する。
計算例 90℃で100cm³の水にミョウバンが30gまで溶けるとき、200cm³の水なら 30×2=60g まで溶ける。それ以上入れた分は沈殿として残る。

ものの溶け方だけでなく、濃度・中和・気体まで含めて化学分野全体の弱点を見直したいときは、中学受験理科の化学対策の全体像はこちらも役立ちます。

よくある質問

溶質・溶媒・溶液はどう区別しますか?

食塩水で考えると、水が溶媒、食塩が溶質、食塩水が溶液です。溶かす側、溶ける側、できあがった液体の3つに分けて覚えます。

溶解度曲線では最初に何を見ますか?

まず横軸の温度を見ます。その温度から曲線上の点を読み、縦軸で溶解度を確認します。

沈殿の量はどう求めますか?

実際に入れた量から、溶ける最大量を引きます。たとえば70g入れて60gまで溶けるなら、10gが沈殿します。

ミョウバンと食塩は何が違いますか?

ミョウバンは温度が高くなると溶ける量が大きく増えます。食塩は温度を変えても溶ける量があまり大きく変わりません。そのため、冷やしたときの沈殿の出方にも違いがあります。

ものの溶け方・溶解度クイズ

学んだ内容をクイズで確認してみましょう。

問題 選択肢 回答
1. 溶媒とは何を指しますか? A. 固体の物質
B. 溶ける物質
C. 溶かす液体
D. 出来上がった液体
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正解:C. 溶かす液体

2. 溶解とはどの現象を指しますか? A. 固体が液体になること
B. 物質が液体に溶けること
C. 液体が蒸発すること
D. 固体が固まること
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正解:B. 物質が液体に溶けること

3. 溶解度に大きく関係する要因として正しい組み合わせは? A. 温度のみ
B. 圧力のみ
C. 温度と溶媒量
D. 液体の色
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正解:C. 温度と溶媒量

4. 溶解度曲線は何を示したグラフですか? A. 液体の色の変化
B. 溶媒の量と溶ける量の関係
C. 温度と溶解度の関係
D. 固体の融点
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正解:C. 温度と溶解度の関係

5. 90℃で100cm³の水に30g溶ける物質があるとき、200cm³の水に溶ける量は? A. 30g
B. 60g
C. 90g
D. 120g
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正解:B. 60g

6. 冷たい水で砂糖が溶けにくい主な理由は? A. 水の色が変わるため
B. 温度が低いと溶解度が下がるため
C. 溶媒が不足しているため
D. 時間が短いため
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正解:B. 温度が低いと溶解度が下がるため

7. 溶質の具体例として正しいものはどれ? A. 水
B. ミョウバン
C. エタノール
D. 砂糖水
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正解:B. ミョウバン

8. 「溶ける量が水の量に比例する」とはどんな関係ですか? A. 水の量が2倍なら溶ける量も2倍になる
B. 水の量が増えても溶ける量は変わらない
C. 水の量が増えると溶ける量は半分になる
D. 水の量とは無関係
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正解:A. 水の量が2倍なら溶ける量も2倍になる

9. 溶解している水溶液の見た目として正しいものは? A. 濁っている
B. 透明で後ろが見える
C. 固体が底に沈んでいる
D. 必ず黒っぽくなる
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正解:B. 透明で後ろが見える

10. 溶解度の計算問題で重要な情報は? A. 温度と時間
B. 何gが何cm³の水に溶けるか
C. 液体の色
D. 実験器具の種類
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正解:B. 何gが何cm³の水に溶けるか

さいごに:理科の文章題は「言葉+比例」がカギ

ものの溶け方・溶解度は、用語の理解比例の計算がセットになった単元です。

  • 自分の言葉で「溶質・溶媒・溶液」の例を説明できるか確認する
  • 溶解度曲線から100cm³あたりの値を読む練習をする
  • 水の量が2倍・3倍になったときの比例計算を練習する
  • 入れた量と溶ける量を比べ、沈殿の有無を判断する

ここまで押さえれば、溶解度の応用問題も解きやすくなります。苦手意識がある人は、まず言葉の確認から丁寧に進めてみましょう。

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