【理科のコツ】こん虫の分類

中学受験/理科・生物
テーマ:昆虫の分類・完全変態/不完全変態

昆虫の分類をイメージで理解する──無脊椎動物・完全変態/不完全変態

「完全変態? 不完全変態?」──言葉だけ聞くと難しそうですが、背骨の有無・さなぎの有無という
シンプルな視点で整理すれば、一気に分かりやすくなります。
このページでは動画と図をもとに、無脊椎動物としての昆虫から、
完全変態/不完全変態の違いまでをまとめとクイズで確認していきます。

動画で学ぶ:昆虫の分類(完全変態・不完全変態)

まずは動画で、無脊椎動物の中での昆虫の位置づけと、完全変態・不完全変態のイメージをつかみましょう。

無脊椎動物と昆虫の位置づけ

動物の分類は、まず大きく脊椎動物(背骨がある)無脊椎動物(背骨がない)に分けるところからスタートします。

  • 脊椎動物:背骨を持つグループ(魚類・両生類・はちゅう類・鳥類・ほ乳類など)。
  • 無脊椎動物:背骨を持たないグループ。
    代表的なのは、

    • 昆虫(チョウ・カブトムシ・バッタ など)
    • クモ類
    • エビ・カニなどの甲殻類

今回の主役は、この無脊椎動物の中の「昆虫」です。

ポイント:背骨の有無で大きく分ける

  • 背骨があるかどうかで、まず二大グループに分かれる。
  • 昆虫・クモ・エビ・カニのような「虫っぽい生き物」は、多くが無脊椎動物
  • 分類問題では、背骨の有無が問われることも多い。

無脊椎動物である昆虫は、さらに完全変態不完全変態に分けて考えると整理しやすくなります。

完全変態と不完全変態の違い

昆虫の完全変態と不完全変態を比較する図

幼虫の姿と成虫の姿がどれくらい違うかに注目すると、完全変態か不完全変態かが見えてきます。

完全変態とは?

完全変態の昆虫は、
「幼虫 → さなぎ → 成虫」というはっきりした段階を経ます。
カブトムシのように、幼虫と成虫の姿がまるで別物なのが特徴です。

  • 間にさなぎの段階をはさむ。
  • 幼虫と成虫の生活場所・エサ・姿が大きく変わることが多い。
  • 例:カブトムシ、チョウ、ハチ、ハエ、甲虫類 など。

不完全変態とは?

不完全変態の昆虫は、
「幼虫 → 成虫」と変化し、さなぎの段階をとりません。
コオロギの子どもを思い浮かべると分かりやすく、小さいだけで姿はほぼコオロギです。

  • さなぎにならず、脱皮をくり返しながら成虫に近づいていく。
  • 幼虫の姿が成虫に近く、「ミニチュア版」に見える。
  • 例:コオロギ、バッタ など。

分類 変態の流れ 代表例 ポイント
完全変態 幼虫 → さなぎ → 成虫 カブトムシ、チョウ、ハチ、ハエ、甲虫類 さなぎの段階あり。幼虫と成虫の姿が大きく違う。
不完全変態 幼虫 → 成虫(さなぎなし) コオロギ、バッタ など 幼虫が成虫の「小型版」のように見える。さなぎにならない。

入試では、「この昆虫は完全変態? 不完全変態?」という形で問われることが多いので、
教科書・テキストに登場する主な昆虫については、どちらに分類されるかを一覧で確認しておきましょう。

昆虫の分類についてのまとめ

項目 内容
無脊椎動物とは – 背骨がない動物のこと
– 昆虫、クモ、エビ、カニなどの甲殻類が含まれる
完全変態 – 幼虫 → さなぎ → 成虫という過程を経る
– 例: カブトムシ、チョウ、ハチ、ハエ、甲虫類
不完全変態 – 幼虫が直接成虫に変化(さなぎの段階がない)
– 例: コオロギ、バッタ
昆虫の分類ポイント – 完全変態か不完全変態かで分類
さなぎの有無が重要な違い

特に、「さなぎになるかどうか」と、代表的な昆虫の具体例はセットで覚えておきましょう。

理解度チェッククイズ(10問)

昆虫の分類がきちんと整理できているか、クイズでチェックしてみましょう。
各問題の「正解を見る」ボタンをクリックすると解答が表示されます。

問題 選択肢 正解を見る
1. 無脊椎動物の特徴は? A. 背骨がある
B. 背骨がない
C. 羽がある
D. 甲羅を持っている

2. 完全変態に含まれる昆虫は? A. コオロギ
B. バッタ
C. カブトムシ
D. クモ

3. 不完全変態に含まれる昆虫は? A. ハチ
B. コオロギ
C. チョウ
D. カブトムシ

4. 完全変態の特徴は? A. 幼虫 → 成虫
B. 幼虫 → さなぎ → 成虫
C. 幼虫 → 成虫(さなぎなし)
D. 成虫 → さなぎ → 幼虫

5. 不完全変態の例に当てはまらない昆虫は? A. バッタ
B. コオロギ
C. チョウ
D. ハリガネムシ

6. 背骨がある動物の分類名は? A. 無脊椎動物
B. 脊椎動物
C. 甲殻類
D. 節足動物

7. カブトムシはどの変態に分類されますか? A. 完全変態
B. 不完全変態
C. 両方
D. どちらでもない

8. 不完全変態に共通する特徴は? A. 幼虫から直接成虫になる
B. 幼虫からさなぎを経て成虫になる
C. 成虫の段階がない
D. 幼虫が光合成を行う

9. 無脊椎動物に含まれない生物は? A. クモ
B. コオロギ
C. 魚
D. エビ

10. 昆虫の分類で重要なのは? A. 背骨の有無
B. 羽の有無
C. 完全変態か不完全変態か
D. 体の色

まとめ──「さなぎの有無」と代表例をセットで覚える

  • 動物はまず、脊椎動物/無脊椎動物に大きく分けられる。
  • 昆虫・クモ・エビ・カニなどは無脊椎動物の代表。
  • 昆虫はさらに、完全変態(幼虫→さなぎ→成虫)不完全変態(幼虫→成虫)に分類される。
  • さなぎの有無が完全変態・不完全変態を見分ける最大のポイント。
  • カブトムシ・チョウ・ハチ・ハエ・甲虫類…→完全変態/コオロギ・バッタ…→不完全変態 と具体例までセットで覚える。

図や写真を見ながら、「この虫は幼虫のときどんな姿か? さなぎになるか?」と考えるクセをつけると、
覚えるだけの暗記からイメージで理解する理科に変わっていきます。

昆虫の「変身ストーリー」を整理して、入試問題を楽に解けるようにしよう

昆虫の分類は、一度「背骨の有無」「さなぎの有無」「代表的な例」で整理してしまえば、
用語問題・穴埋め・記述まで一気に得点源になります。
このページのまとめとクイズをうまく使って、完全変態/不完全変態のイメージを固めていきましょう。

  • 教科書・テキストに出てくる昆虫を、ノートに「完全変態/不完全変態」に仕分けして一覧にする。
  • 図鑑や動画を見ながら、幼虫・さなぎ・成虫の姿の変化をスケッチしてみる。
  • 模試や過去問で間違えた昆虫は、その場でどちらのグループかを必ず確認しておく。

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