肺の仕組みと肺胞の役割|酸素と二酸化炭素の交換【理科のコツ】

中学理科/生物分野
テーマ:肺胞とガス交換

肺の仕組みと肺胞の役割|酸素と二酸化炭素の交換

肺の単元では、肺胞で何が起きているのか酸素と二酸化炭素がどちら向きに移動するのかなぜ肺胞が小さな袋としてたくさんあるのかを先に押さえると理解しやすくなります。

このページでは、肺胞、毛細血管、ガス交換、外呼吸と内呼吸、横隔膜の動きまでを順に解説します。肺胞の仕組みを確認した後は、肺で受け取った酸素が血液や心臓を通って全身へ運ばれる流れまで学習を進められます。

呼吸は肺だけで完結する単元ではありません。酸素を運ぶ血液、心臓のはたらき、栄養分を取り入れる消化とも関係します。生物分野の重要テーマをまとめて見たい場合は、人体・植物・動物を含む生物分野の全体像で確認できます。

最初に押さえる3つのポイント

肺胞

肺の奥にある小さな袋です。表面に毛細血管があり、空気と血液の間で酸素と二酸化炭素を交換します。

ガス交換

酸素は肺胞から血液へ、二酸化炭素は血液から肺胞へ移動します。向きを逆にしないことが大切です。

表面積

肺胞が多数あることで、空気と血液がふれる面積が大きくなり、短い時間で効率よく交換できます。

見る場所 起きていること 覚え方
肺胞 酸素と二酸化炭素を交換する 空気と血液が出会う場所
血液 酸素を受け取り、二酸化炭素を渡す 気体を運ぶ通り道
細胞 酸素を使ってエネルギーを取り出す 内呼吸が行われる場所

動画で学ぶ:呼吸と肺のしくみ

動画で全体の流れを見たあと、本文の表・図・クイズで確認すると、肺胞と血液の関係を整理しやすくなります。

1. 呼吸とは何か|肺での交換と細胞での反応を分ける

呼吸と肺の仕組みを学ぶ中学理科のイメージ

呼吸というと、まず「酸素を吸って二酸化炭素を出すこと」を思い浮かべる人が多いはずです。中学理科では、それに加えて、細胞で酸素を使ってエネルギーを取り出すことまで含めて考えます。

肺では、空気と血液の間で酸素と二酸化炭素が交換されます。その後、酸素は血液によって全身の細胞へ運ばれ、栄養分からエネルギーを取り出す反応に使われます。

外呼吸

  • 肺で行われるガス交換
  • 空気中の酸素を血液に取り込む
  • 血液中の二酸化炭素を肺胞へ出す
  • 場所は肺胞

内呼吸

  • 細胞の中で行われる反応
  • 酸素とグルコースを使ってエネルギーを取り出す
  • 二酸化炭素と水が生じる
  • 場所は細胞

入試では、外呼吸と内呼吸を混同しやすいです。肺での交換が外呼吸、細胞でのエネルギーづくりが内呼吸と押さえておきましょう。

2. 光合成と呼吸の関係|反応の向きを比べる

植物が行う光合成は、呼吸とほぼ逆向きの反応として整理できます。酸素・二酸化炭素・水・グルコースの向きを比べると、混同しにくくなります。

反応 式のイメージ ポイント
呼吸 酸素+グルコース
→ エネルギー+二酸化炭素+水
  • 人間・動物・植物の細胞で行われる
  • エネルギーを取り出す
  • 二酸化炭素と水が生じる
光合成 二酸化炭素+水
→ グルコース+酸素
  • 植物の葉にある葉緑体で行われる
  • 栄養分をつくる
  • 酸素が発生する

呼吸=エネルギーを取り出す反応光合成=栄養分をつくる反応と考えると、酸素・二酸化炭素・水の向きを整理しやすくなります。

植物の光合成や呼吸も確認したい人へ

植物がどこから水や二酸化炭素を取り入れ、葉でどのようにはたらくのかを確認すると、呼吸との違いを整理しやすくなります。

植物のつくりとはたらきを解説した記事を見る

3. 肺と肺胞の構造|小さな袋で表面積を広げる

肺胞とガス交換を学ぶ中学理科のイメージ

肺の中でガス交換が行われる場所は、肺胞です。肺胞は小さな袋のようなつくりで、肺の奥にたくさん集まっています。

呼吸とエネルギー産生の関係を示す図

図のように、私たちは呼吸によって酸素を取り込み、その酸素を使って活動のためのエネルギーを作り出しています。

  • 酸素を取り入れる → 血液中へ移動する
  • 細胞でエネルギーを取り出す → 二酸化炭素が生じる
  • 二酸化炭素を血液が運び、肺で外へ出す
肺胞と毛細血管の構造図

空気が肺胞へ届くまで

空気は次の順番で肺の奥へ入ります。

  • 鼻・口
  • 気管
  • 気管支
  • 肺胞

肺胞の表面には毛細血管が密着しています。ここで、空気と血液の間で酸素と二酸化炭素が交換されます。

肺胞がたくさんある理由

小さな袋を多数集めることで、空気と血液がふれる表面積が大きくなります。そのため、短い時間で効率よく酸素と二酸化炭素を交換できます。

肺胞の特徴 意味 入試で聞かれやすい答え方
小さな袋が多数ある 表面積を大きくする 空気と血液がふれる面積を広げるため
毛細血管に囲まれている 血液と気体を交換しやすい 酸素は血液へ、二酸化炭素は肺胞へ移動する
壁がうすい 気体が移動しやすい ガス交換を効率よく行うため

4. 肺胞でのガス交換と血液の変化

肺胞のまわりには毛細血管が広がっていて、ここでガス交換が行われます。肺へ来る血液と、肺から出ていく血液では、酸素と二酸化炭素の量が変わります。

肺へ来る血液 肺胞での変化 肺から出る血液
  • 二酸化炭素が多い
  • 酸素が少ない
  • 全身の細胞から戻ってきた血液
  • 肺胞の酸素が血液に入る
  • 血液中の二酸化炭素が肺胞へ出る
  • 酸素と二酸化炭素が入れ替わる
  • 酸素が多い
  • 二酸化炭素が少ない
  • 全身の細胞へ酸素を運ぶ

取り込まれた酸素は、食事から得たグルコースとともに細胞で使われ、エネルギーを取り出す反応につながります。

肺から出た血液は、どこへ進むのか

肺胞で酸素を受け取った血液は心臓へ戻り、その後、全身へ送り出されます。反対に、全身から戻った血液は心臓を通って肺へ送られ、二酸化炭素を肺胞へ渡します。

肺循環・体循環と心臓の血液の流れを続けて学ぶ

5. 呼吸運動|横隔膜と胸の動きで空気が出入りする

肺は自分だけでふくらんだり縮んだりしているわけではありません。横隔膜肋骨のまわりの筋肉の動きによって胸の中の空間が変化し、空気が出入りします。

動き 胸の中の変化 空気の流れ
息を吸うとき
  • 横隔膜が下がる
  • 胸の中の空間が広がる
  • 肺がふくらむ
空気が体の外から肺へ入る
息をはくとき
  • 横隔膜が上がる
  • 胸の中の空間が小さくなる
  • 肺がしぼむ
空気が肺から体の外へ出る

図の問題では、横隔膜が上がるか下がるか胸の中の空間が広がるか小さくなるかがよく問われます。息を吸うときは横隔膜が下がる、息をはくときは横隔膜が上がる、と動きで覚えましょう。

6. 呼吸と肺の仕組みのまとめ表

ここまでの内容を、入試対策用に一枚で見通せる表にまとめます。

項目 内容
呼吸の目的
  • 酸素を使ってエネルギーを取り出す
  • その過程で二酸化炭素が生じる
外呼吸と内呼吸
  • 外呼吸:肺でのガス交換
  • 内呼吸:細胞内でのエネルギー生成
肺胞の役割
  • 肺胞は小さな袋状で、たくさん集まって表面積を大きくしている
  • 肺胞の表面に毛細血管が密着し、酸素と二酸化炭素を交換する
空気の通り道
  • 鼻・口 → 気管 → 気管支 → 肺胞
  • 肺胞で酸素を血液に取り込み、血液中の二酸化炭素を肺胞へ出す
呼吸運動
  • 息を吸うとき:横隔膜が下がり、胸の中の空間が広がる
  • 息をはくとき:横隔膜が上がり、胸の中の空間が小さくなる
光合成との関係
  • 光合成は呼吸とほぼ逆向きの反応
  • 呼吸:エネルギーを取り出す/光合成:栄養分をつくる

7. よくある質問

Q. 肺胞は何のためにたくさんあるのですか?

空気と血液がふれる表面積を大きくするためです。表面積が広いほど、酸素と二酸化炭素を効率よく交換できます。

Q. 外呼吸と内呼吸はどう違いますか?

外呼吸は肺でのガス交換です。内呼吸は細胞の中で酸素を使ってエネルギーを取り出す反応です。

Q. 酸素と二酸化炭素は肺胞でどちら向きに動きますか?

酸素は肺胞から血液へ移動します。二酸化炭素は血液から肺胞へ移動し、息をはくときに体の外へ出ます。

Q. 息を吸うとき、横隔膜はどう動きますか?

横隔膜は下がります。胸の中の空間が広がり、肺がふくらんで空気が入ります。

Q. 肺胞のまわりに毛細血管があるのはなぜですか?

血液と空気の間で酸素と二酸化炭素を交換するためです。毛細血管が肺胞に密着していることで、気体の移動がしやすくなります。

8. 確認クイズで理解をチェック

ここまで学んだ内容を、クイズで確認してみましょう。答えは各問題の下にある「解答を見る」から確認できます。

1. 呼吸の主な目的は何ですか?

A. 酸素を吸うこと B. 二酸化炭素を出すこと C. エネルギーを取り出すこと D. 肺を動かすこと

正解:C. エネルギーを取り出すこと

2. 肺胞が小さな袋状になっている主な理由は何ですか?

A. 形を保つため B. 表面積を広げるため C. ガス交換を防ぐため D. 空気をためるだけのため

正解:B. 表面積を広げるため

3. 呼吸で生じる気体として正しいものは何ですか?

A. 酸素 B. 水素 C. 二酸化炭素 D. 窒素

正解:C. 二酸化炭素

4. 肺胞に密着しているものはどれですか?

A. 動脈だけ B. 静脈だけ C. 毛細血管 D. 気管

正解:C. 毛細血管

5. 内呼吸はどこで行われますか?

A. 肺 B. 細胞 C. 気管 D. 胃

正解:B. 細胞

6. 呼吸でエネルギーを取り出すために必要な物質の組み合わせはどれですか?

A. 酸素とグルコース B. 酸素と二酸化炭素 C. 水と酸素 D. グルコースと二酸化炭素

正解:A. 酸素とグルコース

7. ガス交換が直接行われる場所はどこですか?

A. 気管 B. 肺胞 C. 心臓 D. 胃

正解:B. 肺胞

8. 息を吸うときの横隔膜の動きとして正しいものはどれですか?

A. 上がる B. 下がる C. 動かない D. 血液を作る

正解:B. 下がる

次に学ぶおすすめ単元

肺胞で受け取った酸素が全身へ運ばれる流れを確認する

肺循環と体循環、心臓の部屋、動脈と静脈を流れる血液の違いを学ぶと、呼吸と循環の関係がつながります。

心臓の血液の流れと肺循環を学ぶ

生物分野全体を復習する

人体・植物・動物の重要テーマをまとめて見直せます。

呼吸を含む生物分野の全体像を確認する

一人で整理しにくい単元を相談する

呼吸・循環・消化のつながりや、図・表の問題を個別に確認できます。

中学受験理科の個別指導講座を見る

9. まとめ|肺胞・ガス交換・呼吸の目的をつなげて覚える

  • 肺の学習では、肺胞で酸素と二酸化炭素が交換されることが中心になる。
  • 肺胞が小さな袋で数が多いのは、表面積を広げて効率よくガス交換するため
  • 外呼吸は肺でのガス交換、内呼吸は細胞でのエネルギーづくり。
  • 息を吸うときは横隔膜が下がり、胸の中の空間が広がる。
  • 呼吸は「酸素を吸って二酸化炭素を出す」で終わりではなく、エネルギーを取り出す流れまで含めて理解する。
  • 肺胞で受け取った酸素は、血液と心臓のはたらきによって全身へ運ばれる。

「肺胞が多い理由」「どこで何が交換されるか」「受け取った酸素がどこへ運ばれるか」をひと続きで見られるようになると、呼吸と循環の問題を整理しやすくなります。

次は、心臓の血液の流れと肺循環を確認すると、肺胞から全身へ酸素が運ばれる流れまでつながります。

呼吸・循環・消化までまとめて整理したい人へ

呼吸、血液循環、心臓、消化で学ぶ内容は、人体の中では一つの流れとしてつながっています。解説を読んでも、酸素・二酸化炭素・栄養分の移動や、複数の図を組み合わせた問題を一人で整理しにくい場合は、個別に確認する方法があります。

  • 呼吸・肺・肺胞と血液循環をまとめて確認
  • 酸素・二酸化炭素・栄養分が体内をどう移動するかを図で整理
  • 入試に出やすい図・表・説明問題の演習

苦手な単元の関係や、図・表の読み取りを個別に確認したい場合は、中学受験理科の個別指導(オンライン対応)講座一覧をご覧ください。

呼吸・循環・消化を相談できる個別指導講座を見る