理科が苦手で「何から始めればいいか分からない」時の立て直し方|原因の切り分け→優先順位→1週間の回し方

理科が苦手なときの持ち直し

理科が苦手なとき、いちばんつらいのは「何をやっても手応えがない」「結局どこから手をつければいいのか分からない」という状態です。暗記を増やしても点が伸びない。問題集を進めても、次のテストで同じミスをする。——この症状は、努力不足ではなく、詰まりどころの切り分け回し方(復習の組み立て)が合っていないだけのことが多いです。

この記事では、単元の解説ではなく、「何から始めるか分からない」状態を抜けるための診断と進め方を整理します。

  • どこで詰まっているかを短時間で整理する方法
  • 原因を3パターンに切り分け、優先順位をつける考え方
  • 1週間で「回せる形」にする具体的な進め方(家庭での運用)
  • 典型ミスの直し方(誤答例の見え方/修正のしかた)

結論:最初にやるべきは、苦手を「A 知識 / B 読み取り / C 復習の組み立て」に分けて、今のボトルネックを1つに絞ることです。ここが決まると、迷う時間が一気に減ります。

※ 以降は、本文の内容はほぼそのまま「見せ方」だけ見やすくしています。


まず状況整理(どこで詰まっているか)

「何から始めるか分からない」ときは、いきなり教材を増やすより先に、詰まりを3つの観点で分けて考えると整理が進みます。

A知識が足りないのか(用語・基本事項)
  • 問題文の言葉(蒸発・凝結・飽和・電流・燃焼など)で止まる
  • 選択肢が全部それっぽく見えて決め手がない
  • 「覚えたつもり」でも説明できない
B読み取りが弱いのか(図・条件・問いの要求)
  • グラフや表から必要な情報を拾えない
  • 問題の条件を落として計算・判断してしまう
  • 問いが求めているもの(理由/結論/比較)を取り違える
C復習の回し方が乱れているのか(演習→直し→定着)
  • 解き直しをしても、次に同じパターンでまた間違える
  • 間違いを「答えを写して終わり」にしている
  • 復習の間隔が一定でなく、定着前に次へ進んでいる
ポイント:この3つのどれが強いかで、最初の一手が変わります。次で原因を切り分けます。

原因の切り分け(典型パターン3つ)

パターン1:知識が“点”で、問題に使える形になっていない

「覚えたはずなのに解けない」は、知識そのものが不足しているより、使う場面と結びついていないことが多いです。用語の定義があいまい/似た語が混ざる/条件が変わったときに言い換えできない、などが起きます。

パターン2:読み取りのコツがなく、条件整理が毎回ゼロから

受験理科は、文章・図・表の情報を「必要な形にまとめる」力が点数に直結します。ここが弱いと、知識があっても取り出せません。特に、比較問題(どちらが大きい・なぜそう言える)や、実験考察で詰まりやすいです。

パターン3:復習が組み立てられておらず、間違いが“資産”にならない

理科が伸びる家庭は、問題を解く量よりも、間違いの扱い方が整理されています。逆に、直しが場当たり的だと、学習が積み上がりません。結果として「何から始めても同じ」に見えてしまいます。

結論:最優先は「自分がどのパターンに寄っているか」を見極め、そのパターンに合う持ち直しをすることです。

持ち直しの進め方(ステップで)

ステップ1:3分診断(A/B/Cのどれが主因か)

最近の間違いを3つ選び、各問に対して次のどれが原因か丸をつけます。

  • A:用語・基本事項が出てこない/定義があいまい
  • B:条件・図表の読み取りミス/問いの要求の取り違え
  • C:直し不足/同じパターンで再発(復習の組み立て不足)

丸が多いものが、今のボトルネックです。

ステップ2:「優先順位」を1つに絞る

最初の1週間は、欲張らずに優先順位を1つに絞ります。

  • Aが多い:用語・基本事項の再整理(問題で使える形に)
  • Bが多い:読み取りのコツ(条件整理→答えの根拠を言語化)
  • Cが多い:直しの流れ(再発しない復習の仕組み)

ステップ3:分野は「広げない」——ただし入口は決める

理科は大きく分けると、物理・化学・生物・地学の4分野です。いま迷っている段階では、分野を同時に広げるほど不安が増えるため、入口だけ決めて回します。

「まずはここから」という入口を決めたら、1週間は軸を変えずに続けます。

ステップ4:1週間で“回る形”を作る(次章で具体例)

持ち直しは、教材選びより運用で決まります。次で、よくあるミスの直し方も含めて、1週間の回し方を提示します。


よくあるミスと修正(誤答例→直し方)

ミス1:用語が“だいたい理解”で止まる

誤答の形:選択肢の言葉を雰囲気で選ぶ/似た語(蒸発と沸騰、融解と凝固など)を混同する。
直し方:用語は「一言定義+例+反例」で3点セットにします。たとえば「沸騰=液体内部で気体になる(全体で起こる)」のように、区別点を必ず書きます。

ミス2:図表から“必要な情報だけ”抜けない

誤答の形:グラフを眺めて終わる/単位や軸を見落とす。
直し方:図表は「①何が変わるか(横軸)②何を測るか(縦軸)③比較している条件は何か」を先にメモします。読み取りは、目で追うのではなく言葉にしてメモすると安定します。

ミス3:問いの要求(理由/結論/比較)がずれる

誤答の形:理由を聞かれているのに結果を書く/「どちらが大きい」を「同じ」だと処理してしまう。
直し方:問いの文末を丸で囲み、「求めるのは①結論 ②理由 ③条件の言い換え のどれか」をラベル化します。慣れるまでは毎回やって構いません。

ミス4:直しが“答え合わせ”で終わる

誤答の形:解説を読んで分かった気になるが再発する。
直し方:直しは「再現→差分→再テスト」の3段階にします。

  1. 再現:なぜその答えを選んだか(当時の根拠)を1行で書く
  2. 差分:正解に必要だった条件・知識を1つだけ特定する
  3. 再テスト:同じパターンのミニ問題を作る/次回はそこだけ確認する

家庭での回し方(週の組み立て/チェック)

ここでは、迷う時間を減らすために「1週間で回る最小の組み立て」を示します。ご家庭の事情に合わせて、量より順番を守るのがポイントです。

1週間の基本形(例)

  • 1日目:診断(A/B/C)+今週の入口を決める(分野は一本にする)
  • 2日目:基礎インプット(用語整理 or 読み取りのコツの確認)
  • 3日目:基礎演習(短め)+直しは「差分」を1つに絞る
  • 4日目:同型演習(再発チェック)+ミスの分類を更新
  • 5日目:ミニ確認テスト(穴だけ確認)+翌週の課題を1行で残す

家庭で見るチェック項目(親御さんが持つ“地図”)

  • 今週の優先順位はA/B/Cのどれか(言える状態か)
  • 間違いを「原因ラベル」で記録しているか(A/B/C)
  • 直しが“答え写し”になっていないか(差分が1つ書けているか)
  • 分野を同時に広げて不安を増やしていないか

ここまでのまとめ

  • まず「A 知識 / B 読み取り / C 復習の組み立て」に分ける
  • 最初の1週間は、優先順位を1つに絞る
  • 量ではなく「順番」と「差分の特定」を守る

このチェックが機能すると、「何から始めるか分からない」が「今週やることは決まっている」に変わります。


FAQ(よくある質問)

Q1. 教材は何を使えばいいですか?

教材名よりも、「診断→優先順位→直し方」が回るかが先です。今ある教材で、間違いにA/B/Cのラベルを付け、差分を1つ書けるなら十分スタートできます。

Q2. 理科が苦手だと、まず暗記からやるべきですか?

暗記が必要な場面はありますが、迷っているときは「暗記を増やす」より先に、A/B/Cのどこで落ちているかを確認してください。BやCが主因なのに暗記だけ増やすと、努力が点につながりにくくなります。

Q3. 復習しているのに伸びません。何が起きていますか?

復習が「解説を読む」で止まっている可能性があります。直しは再現→差分→再テストの形にすると再発が減ります。伸び悩みが続く場合は、こちらの記事も参考にしてください:復習しているのに点が伸びない時の見直し方

Q4. 残り2週間など時間が限られている場合は?

短期間では「弱点を増やさない」ことが重要になります。優先順位を1つに絞り、再発しやすいパターンから潰す方が安定します。状況別の考え方は、こちらにまとめています:残り2週間の理科の持ち直し(やることの絞り方)

Q5. 分野がバラバラに苦手で、入口が決められません。

その場合は「最近の間違いが多い分野」を入口にします。決めきれないほど、入口を決めて回すことが効果的です。分野の整理は以下から行えます(入口を1つ決めてください)。


次に読む(関連記事)+講座・問い合わせ

「理科の悩み検索」から来た方は、まず悩みを起点に整理すると、回遊しやすくなります。

もし、診断(A/B/C)まではできたものの、優先順位の決定や直し方の運用で決めきれない場合は、学習状況に合わせて整理する形も可能です。

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