【理科のコツ】植物の分類
植物の分類/図解+クイズ付き
中学受験理科「植物の分類」カンペ──種子植物・胞子植物/双子葉類・単子葉類を一枚で整理
種子植物・胞子植物、被子植物・裸子植物、双子葉類・単子葉類、離弁花・合弁花……と、
覚えることがとにかく多い植物分野。用語も分類も似た言葉が多く、混乱しやすい単元です。
この記事では、動画と図解をもとに、中学受験で狙われやすい「植物の分類」をカンニングペーパー(カンペ)のように整理します。
「どのグループに属するのか」「双子葉類と単子葉類のどこが違うのか」を、表やクイズで確認できる構成になっています。
※動画では、植物の分類を「カンペ」を使って整理しながら、試験で狙われやすいポイントをわかりやすく解説しています。
植物の分類は「カンペ」で押さえる
講師コメント:これはもう植物のカンニングペーパー(カンペ)です。これを覚えちゃえばテストはかなり戦えます。
テストに出るのは「はっきりグループ分けできる植物」が中心なので、まずはパターンを押さえましょう。
世の中には本当に多くの植物がありますが、中学受験で問われるのは、
- 分類がはっきりしている代表的な植物
- 教科書・塾テキスト・過去問に何度も登場する「定番メンバー」
つまり、「こういうパターンしか出てこない」と割り切って整理してしまうことが大事です。
とはいえ、机上の暗記だけではイメージしにくいので、
- 図鑑で写真を確認する
- 植物園などで実物を見てみる
といった実体験と組み合わせると、記憶がぐっと定着しやすくなります。
植物分野の全体像をつかもう
生物分野では大きく「植物」と「動物」を学習します。この記事では、そのうちの「植物の分類」にしぼって整理します。
図のように、植物はまず次の2つのグループに分かれます。
- 種子植物:種(タネ)でふえる植物
- 胞子植物:胞子でふえる植物(シダ植物・コケ植物など)
中学受験では、特に種子植物まわりの分類(被子植物・裸子植物/双子葉類・単子葉類)が頻出です。
種子植物と胞子植物のちがい
まずは「ふえ方」で2つに分ける
植物は、どのようにふえるか(増えるか)の違いで、
- 種子植物 … 種(タネ)でふえる
- 胞子植物 … 胞子でふえる(シダ・コケなど)
日常生活で目にする植物の多くは種子植物です。公園の樹木や畑の作物、花壇の花などをイメージするとわかりやすいでしょう。
種子植物の中の分類:被子植物と裸子植物
種子植物はさらに、胚珠(はいしゅ)のようすによって次の2つに分かれます。
被子植物(ひししょくぶつ)
- 胚珠が子房に包まれている
- 花びら・がく・おしべ・めしべがそろった花を咲かせるものが多い
- 身近な多くの花・野菜・果物がここに入る
「被」という漢字どおり、胚珠が「何かに被われている」イメージです。
裸子植物(らししょくぶつ)
- 胚珠がむき出し(裸出)になっている
- マツ・スギなど、球果(まつぼっくり)をつける植物が代表例
- 花びららしい花を咲かせないものが多い
「裸子」は「裸の胚珠」と覚えるとイメージしやすくなります。
中学受験では、胚珠が子房に包まれているかどうかを問う選択問題や、具体例の暗記(マツ=裸子植物 など)がよく出題されます。
被子植物の中の分類:双子葉類と単子葉類
被子植物は、種から芽が出るときの「子葉」の枚数によって次の2つに分かれます。
- 双子葉類 … 子葉が2枚出る
- 単子葉類 … 子葉が1枚出る
双子葉類・単子葉類のちがいは、根・茎・葉脈の特徴セットで問われることが非常に多いです。
| 項目 | 双子葉類 | 単子葉類 |
|---|---|---|
| 子葉の枚数 | 2枚 | 1枚 |
| 葉脈 | 網状葉脈(クモの巣のような模様) | 平行葉脈(まっすぐな筋が平行) |
| 根 | 主根と側根(太い根+枝分かれする細い根) | ひげ根(同じくらいの細い根がたくさん) |
| 茎の維管束 | 輪状に並ぶ | 茎の中に散らばっている |
| 代表例 | アサガオ、アブラナ、サクラ など | イネ、トウモロコシ、ユリ など |
「どっちがどっちだっけ?」と混乱しやすいので、自分なりの語呂合わせやイメージを作ったり、
実物の写真とセットで覚えたりすると定着しやすくなります。
双子葉類のさらに細かい分類:離弁花・合弁花
双子葉類は、花びらのつき方によって次の2つに分かれます。
- 離弁花類 … 花びらが一枚ずつ分かれている
- 合弁花類 … 花びらが根元でくっついている
講師コメント:以前の授業では、「花占いできるかどうか」で説明しました。
花びらを一枚ずつとれるイメージなら離弁花、くっついていてバラバラにしにくいイメージなら合弁花、と考えると分かりやすいです。
中学受験では、代表的な植物名とセットでの暗記が必須です。
テキストや資料集の表を使って、「名前+分類」を一緒に覚えるようにしましょう。
「どのグループの話か」をフォルダ分けで意識しよう
植物の分類でよくあるのが、言葉は知っているのに「どのグループの話か」が分からないという状態です。
そこでおすすめなのが、パソコンのフォルダのように頭の中に階層構造をつくることです。
- 生物 → 植物 → 種子植物 → 被子植物 → 双子葉類 → 離弁花類/合弁花類
- 生物 → 植物 → 種子植物 → 裸子植物
- 生物 → 植物 → 胞子植物 → シダ植物/コケ植物
ノートに「フォルダ階層」を図で描き、その中に具体的な植物名を書き込むと、全体像が見えやすくなります。
植物の分類 まとめ表
ここまでの内容を、テスト前に見返せるカンペ用のまとめ表に整理しました。
| 分類項目 | 内容 |
|---|---|
| 植物の大別 |
・種子植物:種で増える植物 ・胞子植物:胞子で増える植物 |
| 種子植物の分類 |
・被子植物:胚珠が子房に包まれている ・裸子植物:胚珠が裸出している |
| 被子植物の分類 |
・双子葉類:種から芽が出るときに葉が2枚出る ・単子葉類:種から芽が出るときに葉が1枚出る |
| 双子葉類の分類 |
・離弁花類:花びらが分かれている ・合弁花類:花びらがくっついている |
| 双子葉類と単子葉類の特徴 |
・双子葉類:網状葉脈/主根と側根/維管束が輪状に配置 ・単子葉類:平行葉脈/ひげ根/維管束が茎の中に散らばって配置 |
確認クイズ──植物の分類をチェックしよう
最後に、植物の分類に関するクイズで理解度をチェックしてみましょう。
各問題の「正解を見る」ボタンを押すと、答えが表示されます。
| 問題 | 選択肢 | 正解を見る |
|---|---|---|
| 1. 種子植物と胞子植物の違いは? |
A. 種子で増えるか胞子で増えるか B. 花を咲かせるかどうか C. 胚珠があるかどうか D. 水中で育つかどうか |
|
| 2. 胚珠が子房に包まれている植物は? |
A. 被子植物 B. 裸子植物 C. 双子葉類 D. 単子葉類 |
|
| 3. 双子葉類の例に当てはまる特徴は? |
A. 平行葉脈 B. 網状葉脈 C. 維管束が散らばっている D. ひげ根 |
|
| 4. 単子葉類に見られる根の特徴は? |
A. 主根と側根 B. ひげ根 C. 両方 D. どちらでもない |
|
| 5. 離弁花類と合弁花類の違いは? |
A. 花びらが分かれているかくっついているか B. 胚珠が包まれているかどうか C. 種子の数 D. 花の色 |
|
| 6. 被子植物の中で種から出る葉が2枚の植物は? |
A. 単子葉類 B. 双子葉類 C. 被子植物 D. 裸子植物 |
|
| 7. 裸子植物の特徴は? |
A. 胚珠が裸出している B. 胚珠が包まれている C. ひげ根を持つ D. 平行葉脈がある |
|
| 8. 双子葉類に見られる茎の維管束の配置は? |
A. 散らばっている B. 輪状に配置 C. 根の近くに集中 D. 葉に沿って配置 |
|
| 9. 被子植物と裸子植物の違いは? |
A. 種子の有無 B. 胚珠が包まれているか裸出しているか C. 種の数 D. 根の種類 |
|
| 10. 双子葉類の葉脈の形は? |
A. 平行葉脈 B. 網状葉脈 C. 環状葉脈 D. らせん葉脈 |
まとめ──「パターン」と「フォルダ分け」で植物の分類を味方にする
植物の分類は、用語も分類名も多く、最初はとっつきにくい単元に見えます。
しかし、パターンを押さえ、頭の中をフォルダ分けして整理することで、確実に得点源に変えていくことができます。
- 植物はまず種子植物/胞子植物に分かれる
- 種子植物は被子植物/裸子植物に分かれる(胚珠が包まれているかどうか)
- 被子植物の中で、双子葉類/単子葉類がよく問われる
- 双子葉類と単子葉類は、子葉の枚数・葉脈・根・維管束のセットで覚える
- 双子葉類のうち、離弁花類/合弁花類は花びらのつき方で区別する
- ノートや表を使って「どのグループの話か」を意識するフォルダ分けが効果的
「千年に一度しか咲かない花」のようなレアな話に興味を広げつつ、まずは入試で頻出の分類をしっかり押さえましょう。
カンペ的なまとめ表とクイズを何度も見返しながら、植物の分類を自信のある単元にしていってください。
植物の分類を含む「中学受験理科」をプロと一緒に整理しませんか?
「用語は覚えているのにテストで点数につながらない」「生物の分類がごちゃごちゃしている」と感じる場合は、
学習の順番や整理のしかたを見直すだけで一気に楽になることも少なくありません。
- 植物・動物・人体など、生物分野全体のフォルダ分けノート作り
- 塾テキストや過去問を使った「頻出パターン」の整理
- 図鑑や実体験も取り入れた「覚えやすい工夫」の提案
お子さまの現在地に合わせて、「どこから」「何を」整理していくべきかを一緒に考えていきます。


