星の動き方|方角と何度(1時間15度)【理科のコツ】

方角・日周運動・年周運動
星の動き方|東西南北の見え方と1時間15°・1か月30°
星の動きでは、地球の自転による1日の見かけの動きと、地球の公転による1年の見かけの動きを分けて考えることが大切です。
この記事では、北・南・東・西の空で星がどちらへ動いて見えるのか、北極星を中心とする回り方、1時間15°と1か月30°の使い分けを、図・計算例・練習問題で確認します。
「南の空ではどちらへ動くのか」「2時間後や1か月後の位置をどう計算するのか」が分からない場合も、順番に整理できます。
この記事で分かること
- 星が動いて見える理由
- 東西南北それぞれの空での動き方
- 1時間15°を使った時間と角度の計算
- 1か月約30°ずれる年周運動の考え方
- 自転による動きと公転による動きの見分け方
※動画では、星の動き・天球・年周運動を図を使って解説しています。
動画で確認できる内容
- 地球の自転によって星が動いて見える仕組み
- 天球・天頂・北極星の位置関係
- 1日の動きと1年の動きの違い
星が動いて見えるのはなぜ?

星そのものの運動と、見かけの運動は別に考える
星も宇宙空間の中で動いています。しかし、恒星は地球から非常に遠くにあるため、数時間や数か月の観察では、星同士の並びはほとんど変わりません。
中学受験の「星の動き」で主に考えるのは、星そのものの移動ではなく、地球の自転や公転によって星が動いて見える現象です。
自分が回転すると、周りの景色が反対方向へ動いて見えます。これと同じように、地球が自転することで、空の星が東から西へ動いているように見えます。
考え方のポイント:問題の図では、観測者と地面を止めて、星の方が動いているように表すことがあります。これは地球が本当に止まっているという意味ではなく、見かけの動きを考えやすくするための表し方です。
天球と天頂

※ドーム状の空をイメージした図。観測地点や方位によって星の見え方が変わります。
観測者を中心として、空を大きなドームのように考えたものを天球といいます。観測者の頭の真上にあたる天球上の点が天頂です。
天頂や北極星の高さは、観測する場所によって変わります。上の図は北緯36°の地点を例にした図であり、日本中のすべての地点で完全に同じ高さになるわけではありません。
自転による1日の動きと、公転による1年の動き
地球は地軸を中心に、約24時間で1回自転しています。この自転によって起こる星の1日の見かけの動きを、日周運動といいます。
また、地球は太陽の周りを約1年で公転しています。地球の位置が変わると、夜に見える宇宙の方向も変わるため、季節によって見える星座が変化します。この1年を通した見かけの変化が年周運動です。
東西南北で星はどのように動く?
多くの星は東から昇り、西へ動いて沈みます。ただし、北極星に近い周極星のように、地平線の下へ沈まず、北の空を回り続けて見える星もあります。また、どの方角の空を見るかによって、図の上での動き方が異なります。
北の空は北極星を中心に回って見える


※日本など北半球で北を向くと、星は北極星付近を中心に反時計回りに動いて見えます。
地球の地軸を北側へ延長した方向の近くには、北極星があります。北極星は天の北極に非常に近いため、ほかの星に比べて、ほとんど動かないように見えます。
日本など北半球で北の空を見ると、ほかの星は北極星付近を中心として、反時計回りに動いて見えます。
日本で南を向くと、星は東から西へ弧を描いて動く
日本など北半球で南の空を見ると、星は東側から昇り、南の空で高くなったあと、西側へ進んで沈みます。空の上を大きな弧を描くように移動すると考えましょう。
観測者が南を向いている図では、東が左、西が右です。そのため、南の空の星は、紙面上ではおおむね左から右へ動いて見えます。
※日本など北半球で南を向いたときの見え方です。東は左、西は右になります。
方角問題の注意:図の左右をそのまま東西だと決めず、観測者が北と南のどちらを向いているかを最初に確認しましょう。北を向いたときと南を向いたときでは、東西の左右が反対になります。
東の空では昇り、西の空では沈む
東の空
多くの星は東の地平線付近から昇り、時間がたつにつれて空の高い位置へ移動します。
西の空
多くの星は時間がたつにつれて低くなり、西の地平線へ近づいて沈みます。
中学受験の基本問題では、まず「多くの星は東から昇って西へ動く」という全体の動きを押さえましょう。
星は1時間に約15°回転して見える

※天球全体は、天の極を中心として1時間に約15°回転して見えます。
地球は24時間で約360°自転します。そのため、天球全体は天の極を中心として、1時間に約15°回転して見えます。
360° ÷ 24時間 = 15°
天の極を中心とする回転角は、1時間に約15°
角度の測り方:ここでいう15°は、写真上の星の軌跡の長さではありません。北極星付近など、天の極を中心として測った中心角です。問題図に角度の中心や回転角が示されている場合は、その条件に従います。
時間から回転角を求める例
例1:午後8時から午後10時までに、天球は約何度回転して見えますか。
午後8時から午後10時までは2時間です。
15° × 2時間 = 30°
天の極を中心とする回転角は約30°です。南の空での移動方向も問われた場合は、日本で南を向くと西側、つまり図の右側へ進みます。
例2:午後7時から午後11時までに、天球は約何度回転して見えますか。
午後7時から午後11時までは4時間です。
15° × 4時間 = 60°
天の極を中心とする回転角は約60°です。
回転角から時間を求める例
例3:北の空を長時間撮影したところ、星の軌跡が北極星付近を中心として45°の中心角をつくっていました。撮影時間は約何時間ですか。
45° ÷ 15° = 3時間
答えは約3時間です。
例4:北の空の写真で、星の軌跡が北極星付近を中心として30°の中心角をつくっています。撮影時間は約何時間ですか。
30° ÷ 15° = 2時間
答えは約2時間です。日本で北の空を撮影した図なら、星の軌跡は反時計回りに伸びます。
問題文の目印:「何時間後」「午後8時から午後10時」「撮影時間」のように、同じ日の中で時刻が変わる問題では、基本的に自転による1時間15°を使います。
星座は1か月に約30°ずれて見える

※地球が太陽の周りを公転することで、夜に見える宇宙の方向が変わります。
地球は約1年、つまり約365日をかけて、太陽の周りを約360°公転します。そのため、同じ時刻に星空を観察すると、星座の位置は1日あたり約1°ずれて見えます。
約360° ÷ 約365日 = 1日あたり約1°
約1° × 30日 = 1か月あたり約30°
同じ時刻で比べると、1か月後には星座が約30°ずれて見える
同じ時刻で比べる理由
年周運動を調べるときは、観測する時刻をそろえることが大切です。時刻まで変えると、自転による1日の動きも加わるためです。
例:毎月15日の午後8時に同じ星座を観察します。1か月後には約何度ずれて見えますか。
約1° × 30日 = 約30°
同じ時刻で比べると、1か月後には星座が約30°西側へ進んで見えます。
1時間15°と1か月30°の違い
同じ日の2時間後
15° × 2時間 = 約30°
原因は地球の自転です。
同じ時刻の1か月後
約1° × 30日 = 約30°
原因は地球の公転です。
角度だけで判断せず、「数時間後」なのか、「同じ時刻の数日後・数か月後」なのかを確認しましょう。
自転による動きと公転による動きの見分け方
表は横にスクロールして確認できます。
| 比べる項目 | 自転による1日の動き | 公転による1年の動き |
|---|---|---|
| 原因 | 地球の自転 | 地球の公転 |
| 観測する期間 | 数時間 | 数日・数か月・季節 |
| 角度の目安 | 天の極を中心に1時間約15° | 同じ時刻で1日約1°、1か月約30° |
| 観測条件 | 同じ日の中で時刻が変わる | 別の日を同じ時刻で比べる |
| 問題文の目印 | 「2時間後」「撮影時間」 | 「1か月後の同じ時刻」「季節」 |
季節によって見える星座が変わる理由
地球が太陽の周りを公転すると、地球から見た太陽の方向と、夜に見える宇宙の方向が少しずつ変わります。そのため、季節によって夜に見つけやすい星座も変わります。
夜の見やすい時間帯では、太陽と反対側にある星座を観察しやすくなります。一方、太陽とほぼ同じ方向にある星座は、太陽の光のため観察しにくくなります。
四季の夜に見つけやすい代表的な星座
表は横にスクロールして確認できます。
| 季節 | 夜に見つけやすい代表例 | 学習するときの目印 |
|---|---|---|
| 春 | しし座、おとめ座 | 春の大曲線や春の大三角とあわせて扱われることがある |
| 夏 | こと座、わし座、はくちょう座 | 夏の大三角をつくる星座として確認する |
| 秋 | ペガスス座、アンドロメダ座 | 秋の四辺形を手掛かりに確認する |
| 冬 | オリオン座、おおいぬ座、こいぬ座 | 冬の大三角やオリオン座の形を手掛かりにする |
この表は、その季節の夜に見つけやすい代表例です。観測する地域、日付、時刻によって見える位置や観察のしやすさは変わります。
入試問題では:問題文に観測した日付、時刻、方角などが示されている場合は、その条件を優先して考えましょう。

※1日の動きと1年の動きを分けて考えると、星座の見え方を整理できます。
南半球では星の動きがどう変わる?
北半球と南半球では、観測者から見える天の極の方向が異なるため、天の極を中心とする星の回転方向も反対に見えます。
表は横にスクロールして確認できます。
| 観測場所 | 見る方向 | 回転方向 | 目印 |
|---|---|---|---|
| 北半球 | 北の空 | 反時計回り | 北極星が天の北極の近くにある |
| 南半球 | 南の空 | 時計回り | 北極星ほど分かりやすい目印の星はない |
日本の問題では北半球から見た図が中心ですが、南半球との比較問題が出た場合は、見る方向と回転方向をセットで確認します。
星の動きで間違えやすいポイント
- 図の左右だけで東西を決めず、観測者が向いている方角を確認する。
- 15°は、天の極を中心として測る回転角として考える。
- 同じ日の数時間後は自転、同じ時刻の数日後・数か月後は公転を考える。
- 北極星は完全に止まっているのではなく、ほとんど動かないように見える。
- 季節の星座は、問題文に示された日付や時刻の条件を優先する。
星の動きのまとめ
表は横にスクロールして確認できます。
| ポイント | 要点 |
|---|---|
| 北の空 | 北極星付近を中心に反時計回り。 |
| 南の空 | 日本で南を向くと、東・左から西・右へ進む。 |
| 日周運動 | 天の極を中心に1時間約15°。 |
| 年周運動 | 同じ時刻では1日約1°、1か月約30°。 |
| 見分け方 | 数時間後は自転、同じ時刻の数日後・数か月後は公転。 |
| 南半球 | 南を向くと、天の南極付近を中心に時計回り。 |
星の動きの練習問題
用語だけでなく、方角と計算も確認しましょう。各問題の「答えと解説」を押すと、正解と考え方を開閉できます。
問題1.天球とは何を表したものですか。
- 星の集まり
- 天体が投影されているように見える空のドーム
- 地球の中心
- 太陽の通り道だけを表した円
答えと解説
正解:B
観測者を中心として、空を大きなドームのように考えたものが天球です。
問題2.北極星がほとんど動かないように見える理由は何ですか。
- ほかの星より地球に近いから
- 地球の公転の中心にあるから
- 天の北極の非常に近くにあるから
- 自分では動かない星だから
答えと解説
正解:C
北極星は、天の北極の非常に近くにあります。
問題3.日本で南を向くと、東と西は図のどちら側になりますか。
- 東が左、西が右
- 東が右、西が左
- 東も西も右
- 観測時刻によって左右が入れ替わる
答えと解説
正解:A
日本で南を向くと、東が左、西が右です。
問題4.午後8時から午後10時までに、天球が天の極を中心として回転して見える角度は約何度ですか。
- 15°
- 30°
- 45°
- 60°
答えと解説
正解:B
2時間なので、15° × 2時間 = 約30°です。
問題5.北の空の写真で、星の軌跡が北極星付近を中心として45°の中心角をつくっていました。撮影時間は約何時間ですか。
- 1時間
- 2時間
- 3時間
- 4時間
答えと解説
正解:C
45° ÷ 15° = 3時間です。
問題6.毎月同じ日の同じ時刻に星座を観察すると、1か月後には約何度ずれて見えますか。
- 約1°
- 約15°
- 約30°
- 約60°
答えと解説
正解:C
同じ時刻では、星座は1日約1°、1か月で約30°ずれて見えます。
問題7.「午後7時に見えた星を、午後11時にもう一度観察した」という問題では、何による動きを考えますか。
- 地球の自転
- 地球の公転
- 月の公転
- 星そのものの移動
答えと解説
正解:A
同じ日の中で時刻が変わるため、地球の自転を考えます。
問題8.北半球で北の空を見ると、星は北極星付近を中心にどちら向きに動いて見えますか。
- 時計回り
- 反時計回り
- 東西に往復する
- 上下にだけ動く
答えと解説
正解:B
北半球で北を向くと、反時計回りに見えます。
問題9.季節によって夜に見つけやすい星座が変わる主な理由は何ですか。
- 地球が自転しているから
- 地球が太陽の周りを公転しているから
- 星座が季節ごとに消えるから
- 北極星が移動するから
答えと解説
正解:B
地球の公転によって、夜に見える宇宙の方向が変わります。
問題10.南半球で南の空を向いた場合、星は天の南極付近を中心にどちら向きに見えますか。
- 時計回り
- 反時計回り
- 動かない
- 上下にだけ動く
答えと解説
正解:A
南半球で南を向くと、時計回りに見えます。
星の動きに関するよくある質問
星はなぜ東から昇って西に沈むのですか?
地球が西から東へ自転しているため、多くの星は反対方向の東から西へ動いて見えます。
南の空の星はどちらへ動きますか?
日本で南を向くと、星は東・左から西・右へ弧を描いて動きます。
北極星はなぜ動かないように見えるのですか?
天の北極の非常に近くにあるため、ほとんど動かないように見えます。
1時間15°と1か月30°はどう使い分けますか?
数時間後は自転による15°、同じ時刻の数日後・数か月後は公転によるずれを使います。
季節によって見える星座が変わるのはなぜですか?
地球の公転によって、夜に見える宇宙の方向が変わるためです。
南半球では星の回り方が反対になりますか?
南半球で南を向くと、天の南極付近を中心に時計回りに見えます。
オリオン座は夏にはまったく見えないのですか?
時期や時刻によって見える場合がありますが、オリオン座は冬の夜に見つけやすい代表的な星座です。
星の写真から撮影時間を求めるにはどう考えますか?
天の極を中心とする星の軌跡の中心角を15°で割ります。軌跡の長さをそのまま角度として使わないようにします。
星の動きの次に読むページ
星の動きを確認したあとは、月の満ち欠けへ進むか、地学分野全体を見直すかを選ぶと学習をつなげやすくなります。
星の動きを入試問題までつなげたい方へ
星の動きでは、用語だけでなく、問題の図に方角を書き込み、自転と公転のどちらによる変化かを判断する必要があります。
- 北極星を中心とする回転方向
- 南を向いたときの東西の位置
- 1時間15°を使った回転角の計算
- 1か月30°を使った年周運動の計算
- 季節による星座の見え方
模試や過去問で方角と計算が混ざると迷いやすい場合は、図の読み方から順に確認しておくと、問題文の条件を整理しやすくなります。


