金属を溶かす水溶液一覧|酸・アルカリ・王水【理科のコツ】

水溶液と金属の反応
金属を溶かす水溶液一覧|塩酸・うすい硫酸・アルカリ・王水との反応
金属を溶かす水溶液の問題では、どの水溶液とどの金属を組み合わせるかによって、溶けるかどうかや発生する気体が変わります。
まず覚えたいのは、鉄・亜鉛・アルミニウムなどが塩酸やうすい硫酸と反応すると、水素を発生して溶けることです。そのうえで、銅・銀・金の扱い、アルミニウムと水酸化ナトリウム水溶液の反応、王水の性質を整理します。
このページでは、中学受験でよく扱われる条件にしぼり、金属と水溶液の組み合わせを一覧表と解説で確認します。表を覚えたあとに、気体の性質や水溶液の見分け方までつなげると、入試問題でも判断しやすくなります。
金属を溶かす水溶液の一覧
中学受験で優先して覚えたい代表的な反応をまとめると、次のようになります。
| 水溶液 | 鉄 | 亜鉛 | アルミニウム | 銅 | 銀 | 金 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 塩酸 | 溶けて 水素が発生 |
溶けて 水素が発生 |
溶けて 水素が発生 |
目立った反応なし | 目立った反応なし | 目立った反応なし |
| うすい硫酸 | 溶けて 水素が発生 |
溶けて 水素が発生 |
溶けて 水素が発生 |
目立った反応なし | 目立った反応なし | 目立った反応なし |
| 水酸化ナトリウム水溶液 | このページでは扱わない | このページでは扱わない | 溶けて 水素が発生 |
目立った反応なし | 目立った反応なし | 目立った反応なし |
| 食塩水 | 短時間では目立った変化なし | 短時間では目立った変化なし | 短時間では目立った変化なし | 短時間では目立った変化なし | 短時間では目立った変化なし | 短時間では目立った変化なし |
一覧表の次に確認したいこと
表で「水素が発生する」と分かったら、入試ではその先の水素の性質・集め方や、そもそもの酸性・中性・アルカリ性の見分け方まで聞かれることがあります。
王水と金属の代表的な関係
王水は、塩酸やうすい硫酸と同じ基準で各金属を比べる水溶液ではありません。中学受験では、金やプラチナを溶かす特別な液体として覚えます。
| 水溶液 | 金 | プラチナ | 銀 |
|---|---|---|---|
| 王水 | 溶ける | 溶ける | 金と同じようには扱わない |
銀は、反応の途中で表面に溶けにくい物質ができるため、金やプラチナと同じように「王水に溶ける金属」として単純にまとめない方が安全です。
※動画では、水溶液と金属の反応パターンや覚え方を、イメージを交えながら解説しています。
「水溶液と金属」は何を覚える単元?
しゅん吉先生:水溶液に金属を入れたとき、どのような反応が起こるのかを整理する単元です。組み合わせを覚える必要があります。
この単元では、主に次の3点を問われます。
- 金属が水溶液に溶けるか、目立った反応をしないか
- 反応したときに気体が発生するか
- 発生した気体が何という気体か
すべての組み合わせを最初から別々に暗記するのではなく、次の順番で整理すると覚えやすくなります。
塩酸・うすい硫酸と金属の反応

鉄・亜鉛・アルミニウムは水素を発生して溶ける
鉄、亜鉛、アルミニウムなどに塩酸やうすい硫酸を加えると、金属が少しずつ溶け、気体の泡が発生します。この気体が水素です。
- 鉄+塩酸 → 鉄が溶け、水素が発生
- 亜鉛+塩酸 → 亜鉛が溶け、水素が発生
- アルミニウム+塩酸 → アルミニウムが溶け、水素が発生
問題では、「金属が溶けた」という変化だけでなく、発生した気体が水素であることまで答えられるようにしましょう。
銅・銀・金は塩酸やうすい硫酸とは反応しにくい
銅・銀・金は、鉄・亜鉛・アルミニウムよりも反応しにくい金属です。中学受験で扱う塩酸やうすい硫酸との組み合わせでは、基本的に溶けず、水素も発生しないと判断します。
発生した水素の性質と集め方も確認する
金属と塩酸の反応では、水素の名前だけでなく、水に溶けにくいこと、どの集め方を使うか、火を近づけたときの反応などを問われる場合があります。酸素、二酸化炭素、アンモニアなどとの違いもあわせて整理すると、実験問題で迷いにくくなります。
アルミニウムは酸にも強いアルカリにも反応する

水酸化ナトリウム水溶液でも水素が発生する
アルミニウムは、塩酸などの酸性の水溶液だけでなく、水酸化ナトリウム水溶液のような強いアルカリ性の水溶液とも反応します。
- アルミニウム+塩酸 → 水素が発生
- アルミニウム+水酸化ナトリウム水溶液 → 水素が発生
反応後、アルミニウムは水溶液中に溶けた状態になります。中学受験では、難しいイオン名を優先して覚えるより、まずアルミニウムは酸にも強いアルカリにも溶け、水素を発生すると整理すると分かりやすくなります。
酸性・中性・アルカリ性の見分け方を確認する
水酸化ナトリウム水溶液がなぜアルカリ性なのか、BTB液やリトマス紙が何色になるのかを確認すると、水溶液名だけの暗記になりにくくなります。入試では、金属との反応とあわせて、指示薬の色や水溶液の性質を組み合わせて聞かれることがあります。
王水は金やプラチナを溶かす特別な液体
王水は濃塩酸と濃硝酸を混ぜたもの
王水は、濃塩酸と濃硝酸を体積比3:1で混ぜた、非常に危険な液体です。濃硝酸:濃塩酸の順に書く場合は、1:3となります。
- 濃塩酸:濃硝酸=3:1
- 濃硝酸:濃塩酸=1:3
- 金やプラチナを溶かすことができる
金は塩酸やうすい硫酸とは反応しにくい金属ですが、王水には溶けます。銀は表面に溶けにくい物質ができるため、金やプラチナと同じようには扱いません。
食塩水やその他の水溶液との反応
食塩水では短時間で溶ける変化は見えにくい
食塩水に鉄、亜鉛、アルミニウム、銅などを入れても、塩酸を加えたときのように、すぐに泡を出して溶ける反応は通常見られません。

そのため、中学受験の短時間の観察問題では、食塩水との組み合わせを目立った変化なしとして扱うことがあります。
石灰水・炭酸水・アンモニア水について
石灰水、炭酸水、アンモニア水は、それぞれ性質の異なる水溶液です。しかし、塩酸やうすい硫酸のように、代表的な金属との反応を一つの共通ルールだけで判断することはできません。
問題にこれらの水溶液が出てきたときは、酸性・中性・アルカリ性のどれかを確認したうえで、問題文に示された実験結果や、学習した個別の反応から判断しましょう。
水溶液と金属の反応を見分ける手順
- 水溶液の名前を確認する
塩酸、うすい硫酸、水酸化ナトリウム水溶液、食塩水、王水のどれに当たるかを見ます。 - 金属の名前を確認する
鉄・亜鉛・アルミニウムか、銅・銀・金のような反応しにくい金属かを区別します。 - 溶けるかどうかを判断する
塩酸やうすい硫酸なら、まず鉄・亜鉛・アルミニウムが反応することを思い出します。 - 発生する気体まで答える
塩酸やうすい硫酸と反応する場合や、アルミニウムが水酸化ナトリウム水溶液と反応する場合は、水素の発生を確認します。
この単元で間違えやすいところ
「酸」という言葉だけで判断しない
塩酸やうすい硫酸では、水素を発生させながら溶ける金属があります。しかし、すべての酸について同じ反応になるわけではありません。問題文では、酸の名前まで確認しましょう。
「溶ける」と「さびる」を分ける
塩酸に金属を入れて短時間で溶ける現象と、空気や水の影響で時間をかけてさびる現象は同じではありません。
気体の名前まで確認する
金属が溶けるかどうかだけでなく、泡が出た場合は、その気体が水素かどうかまで問われることがあります。
苦手に気づいたら、復習先を分けて選ぶ
この単元は、表だけを覚えても、問題文の聞かれ方が変わると迷いやすい単元です。どこでつまずくかに合わせて、復習するページを選びましょう。
- 水素の性質が不安:発生する気体名だけでなく、集め方や性質まで確認しましょう。
- 酸性・アルカリ性が混ざる:塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水などの性質を整理しましょう。
- 問題になると取り違える:暗記の順番や、志望校の問題での使い方から見直す方法もあります。
水溶液と金属に関する確認クイズ
一覧表を思い出しながら、金属と水溶液の組み合わせを判断してみましょう。
1. 亜鉛に塩酸を加えると、どのような変化が起こりますか。
A. 水素を出して溶ける
B. 酸素を出して溶ける
C. 変化しない
D. 王水になる
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正解:A. 水素を出して溶ける
2. 銅にうすい硫酸を加えた場合、中学受験ではどのように判断しますか。
A. 水素を出して溶ける
B. 二酸化炭素を出して溶ける
C. 反応しにくい
D. 必ず黒くなる
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正解:C. 反応しにくい
3. アルミニウムと水酸化ナトリウム水溶液の反応で発生する気体はどれですか。
A. 酸素
B. 水素
C. 窒素
D. 二酸化炭素
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正解:B. 水素
4. 塩酸を加えても水素が発生しにくい金属はどれですか。
A. 鉄
B. 亜鉛
C. アルミニウム
D. 銅
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正解:D. 銅
5. 王水に溶ける金属として代表的なものはどれですか。
A. 金とプラチナ
B. 鉄だけ
C. 銀だけ
D. どの金属も溶けない
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正解:A. 金とプラチナ
6. 水溶液と金属の反応を判断するとき、最初に確認したいものはどれですか。
A. 容器の色だけ
B. 水溶液名と金属名
C. 問題文の長さ
D. 実験した時刻だけ
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正解:B. 水溶液名と金属名
クイズで間違えたときの復習先
間違えた問題によって、復習すべきポイントが少し変わります。すべてを一度に覚え直すより、原因を分けて確認しましょう。
- 1・3を間違えた場合:発生する気体と水素の性質を確認しましょう。
- 2・4を間違えた場合:反応しやすい金属と反応しにくい金属を分けて覚えましょう。
- 6を間違えた場合:水溶液名と金属名に注目する解き方を見直しましょう。
よくある質問
金属に酸を加えると、必ず水素が発生しますか?
必ずではありません。中学受験では、主に鉄・亜鉛・アルミニウムなどと、塩酸・うすい硫酸の組み合わせで水素が発生すると考えます。銅・銀・金は、これらの水溶液とは反応しにくい金属です。また、硝酸などは同じ考え方では判断できません。
アルミニウムは水酸化ナトリウム水溶液に溶けますか?
はい。アルミニウムは水酸化ナトリウム水溶液と反応して溶け、水素を発生します。酸性の水溶液にも強いアルカリ性の水溶液にも反応することが、アルミニウムの重要な特徴です。
食塩水に金属を入れると、まったく変化しませんか?
短時間では、塩酸のように泡を出して溶ける変化は見えにくいと考えます。ただし、鉄などは水や酸素、食塩の影響を受け、長い時間をかけてさびることがあります。
王水は銀も金と同じように溶かしますか?
金と同じようには扱いません。銀は反応の途中で表面に溶けにくい物質ができるため、中学受験では、王水に溶ける代表的な金属として金とプラチナを優先して覚えます。
まとめ|水溶液名と金属名を組み合わせて判断しよう
- 鉄・亜鉛・アルミニウム+塩酸・うすい硫酸:水素を発生して溶ける
- 銅・銀・金+塩酸・うすい硫酸:反応しにくい
- アルミニウム+水酸化ナトリウム水溶液:水素を発生して溶ける
- 食塩水:短時間では目立った変化が見えにくい
- 王水:金やプラチナを溶かす
問題を解くときは、まず水溶液名と金属名に印をつけ、一覧表のどの組み合わせに当たるかを確認してみてください。さらに、発生する気体や水溶液の性質まで結びつけておくと、実験問題でも答えやすくなります。
次に読む順番|水溶液と気体をつなげて復習する
このページで金属と水溶液の組み合わせを確認したら、次は以下の順番で復習すると、化学分野の問題をつなげて考えやすくなります。
一覧を見ても反応を区別できないときは
「水溶液名が変わると判断できない」「銅・銀・金の扱いを取り違える」「アルミニウムの反応が混ざる」という場合は、暗記する順番から見直す必要があります。
一覧表を見れば答えられる一方で、問題文の条件が変わると、酸の名前・金属名・発生する気体を結びつけにくくなることがあります。
水溶液や気体の復習ページを読んでも取り違えが残る場合は、化学分野の実験問題として、答案や解いた問題をもとに確認する方法があります。
しゅん吉クエストについて
この記事のように、理科の単元を「覚える順番」と「問題での使い方」に分けて学びたい方は、しゅん吉クエストの指導方針もご覧ください。物理・化学・生物・地学の4分野をどのように学ぶかを確認できます。


