生物実験が苦手→対照の立て方/結果の読み取り/書き方をセットで
対照実験では、調べたい条件だけが違う2つの区を比べます。
比較の基準となる区を「対照区」と呼びます。
ただし、意味を覚えていても、実際の問題では「どの区とどの区を比べるのか」「結果から何が分かるのか」「理由をどう書くのか」で迷うことがあります。
この記事では、光の有無を調べる生物実験を例に、複数の区から比較する組を選び、結果を読み取り、考察を書くまでを順番に確認します。

まずは基本の比較を確認
光あり・水あり・同じ温度・同じ時間
光なし・水あり・同じ温度・同じ時間
違うのは光の有無だけです。結果に差があれば、光の有無が結果に影響した可能性を考えられます。ただし、どのような影響なのかは測定結果を見て判断します。
このあと、3つの区から比較する組を選ぶ練習をします。さらに同じ例題を使って、結果の読み取りと理由の書き方まで確認しましょう。
対照実験では何と何を比べるのか|3区の例題で確認
実際の実験問題では、条件がいくつも並んだ表から、比較に適した2つの区を選びます。次の例題で考えてみましょう。
例題:光の有無による生物の活動の違い
同じ種類の小さな生物について、光の有無と活動の様子の関係を調べます。
この例題では、一定時間内に観察された動きの回数を「活動回数」として記録するものとします。
生物の種類、観察方法、個体数などの条件をそろえ、次の3つの区を用意しました。
| 条件 | 区A | 区B | 区C |
|---|---|---|---|
| 光 | あり | なし | なし |
| 水 | あり | あり | なし |
| 温度 | 同じ | 同じ | 同じ |
| 時間 | 同じ | 同じ | 同じ |
| 個体数 | 同じ | 同じ | 同じ |
容器など、表にない条件も同じものとします。
問題:光の有無による影響を調べるには、どの2区を比較しますか?
答えと選び方を確認する
正解:区Aと区B
AとBは、光の有無だけが異なり、水、温度、時間、個体数などは同じです。
AとCでは光と水の2条件が違います。そのため、結果に差があっても、光だけが原因とは判断できません。
調べたい条件を見つける
問題文の「光の有無が影響するか」という目的に注目します。
1条件だけ違う組を選ぶ
表を横に見比べ、光だけが異なるAとBを選びます。
ほかの条件を確認する
水、温度、時間、個体数などがそろっているか確かめます。
条件をそろえる理由
調べたい条件以外を同じにすれば、結果の差をその条件と結び付けて考えられます。反対に、光と水の両方が違う区を比べても、どちらが結果に影響したのかを1つに決められません。
「対照区」とは
比較する区のうち、結果を判断する基準となる区です。処理をしていない区や、調べたい条件を加えていない区が対照区になることがあります。
今回の例では、光を当てた区Aの結果を光なしの区Bと比べる場合、Bが基準となる対照区にあたります。どの区を基準にするかは、実験の目的や設問を確認して判断します。
比較する組が選べたら、次は実際の結果を読みます。同じ区Aと区Bを使った測定値の例は、後半の「結果の読み取りと理由の書き方」で確認できます。
生物実験でつまずく3つの場所
先ほどの例題では、比較する区を選べたでしょうか。生物実験が苦手でも、すべての段階でつまずいているとは限りません。
まずは自分がどこで止まるのかを確認しましょう。
何を変え、何をそろえたか
どちらが大きいか、差があるか
その差を何から説明できるか
比較する区を選べた人は、次の章で結果と考察に進みましょう。条件の整理で止まった人は、先に問題文の読み方を確認する方法もあります。
単元が変わるたびに同じところで止まる場合は、後半の
家庭での復習方法と相談を考える目安
も参考にしてください。
結果の読み取りと理由の書き方
比較する2区を選んだら、次は結果を読み取ります。ここでは、先ほどの光の有無を調べる実験を使って、考察まで進めます。
例題の続き:活動回数の結果を読む
区Aと区Bについて、同じ時間内に同じ個体数の生物が示した活動回数を調べたところ、次の結果になったとします。
| 区 | 光 | 活動回数 |
|---|---|---|
| A | あり | 20回 |
| B | なし | 8回 |
この数値は実在の生物についての観測結果ではありません。条件・結果・考察の関係を練習するための例です。
この結果から何が分かるか
まず、光のあるAは20回、光のないBは8回なので、Aの方が12回多いことが分かります。
結果の読み取り例
光を当てた区Aは、光を当てなかった区Bより、同じ時間内の活動回数が多かった。
次に、2区で違う条件を確認します。
光の有無以外をそろえているため、この例題の結果からは、光の有無と活動回数に関係があると考えられます。
考察の書き方例
光の有無以外の条件をそろえたところ、光のある区Aの方が活動回数が多かった。
この結果から、光の有無が活動回数に関係していると考えられる。
これは学習用の架空の測定結果に基づく考察です。
実際の実験では、測定を繰り返したときの結果やばらつきも確認する必要があります。
また、光によって活動が変わる詳しい仕組みを説明するには、生物の種類や性質など、追加の知識や情報が必要です。
このように、考察を書くときは、いきなり理由を考えるのではなく、比較した条件と結果を順番に確認します。
比較する2区
1条件だけ違う組を選ぶ
差
結果を一言にする
理由
条件と知識をつなぐ
確認
単位と条件を見る
最後に確認する2点
個体数や時間が違う場合は、設問に応じて1個体あたりや一定時間あたりの値を使うことがあります。ただし、数値を換算するだけで、実験条件の違いによる影響まで取り除けるわけではありません。
容器、量、温度、光、時間、個体数などを確認します。結果の差をどの条件と結び付けられるかは、実験の組み方によって決まります。
生物実験でよくある誤答と直し方
ここでは、よくある間違いを実際の答案に近い形で確認します。自分の答えと比べ、何を直せばよいかを見つけましょう。
違いが複数ある区を比べる
先ほどの例題で、光の影響を調べるために「AとCを比べる」と答えてしまう場合です。
AとCでは光と水の両方が違うため、光だけの影響を調べる比較にはなりません。
AとBを選びます。光だけが異なり、ほかの条件がそろっていることまで確認します。
結果を書かずに用語から説明する
例えば、光に関係する実験だからといって、「光合成が行われたから」とだけ答える場合です。
生物の種類や実験内容によっては、光合成が理由とは限りません。また、どの結果を説明しているのかも伝わりません。
まず「光のあるAの方が活動回数が多かった」と結果を書き、光以外の条件が同じことを根拠に考察します。
個体数や時間が違うのに合計だけを比べる
例えば、10個体で20回、5個体で15回という結果を見て、20回の方が多いという理由だけで、1個体あたりの活動が多いと判断するのは適切ではありません。
- 個体数が違う場合は、設問に応じて1個体あたりの値を確認する
- 時間が違う場合は、必要に応じて一定時間あたりの値を確認する
- 割合や濃度では、何を全体としているか確認する
何を比較する問題なのかを先に確認します。数値の換算が必要な場合でも、個体数や時間の違いが実験そのものに影響していないか、別に考える必要があります。
家庭での復習方法と、学習相談を考える目安
生物実験は、問題数を増やすだけでなく、どの段階で間違えたのかを確認することが大切です。家庭で原因を整理できる場合は、短い復習から始められます。
平日の短い復習
1問を使い、正解することだけでなく、次の4点を順番に言えるか確認します。
- 何と何を比べるか
- どの条件だけが違うか
- 結果にどのような差があるか
- その差をどう説明するか
週末の誤答整理
間違えた問題を、次のどこで止まったかに分けます。
- 比較する区を選べなかった
- 結果の差を読めなかった
- 理由を書けなかった
- 単位や個体数を見落とした
家庭で復習を続けやすい場合
間違えた原因を自分で説明でき、同じ種類の問題では直せるようになっている場合は、その段階に合った問題を使って復習を続ける方法があります。
条件整理が苦手なら読み取り、理由が苦手なら記述というように、練習する内容を絞りましょう。
自分だけでは直す場所を決めにくいとき
一方、同じ間違いを繰り返していても原因を特定できない場合は、問題数を増やす前に学習状況を整理することが必要になります。
- 解説を読めば分かるが、別の実験では比較する区を選べない
- 発芽や光合成など、単元が変わっても同じ間違いを繰り返す
- 比較はできても、理由に必要な知識を思い出せない
- 誤答の原因が、読み取り・知識・記述のどれか判断できない
このような場合は、家庭での復習方法を見直すとともに、学習相談や講座の利用を検討する選択肢もあります。
講座ページでは、現在の学習上の悩みに合う講座があるか、対象者や内容を確認できます。対応できる内容は講座によって異なるため、受講を決める前に確認することが大切です。
どの講座を確認すればよいか分からない場合や、現在の学習状況について相談したい場合は、問い合わせページもご利用ください。
生物実験についてよくある質問
Q
対照と比較対象は同じ意味ですか?
同じ意味とは限りません。比較対象は「比べる相手」を広く表す言葉です。対照区は、その中でも実験結果を判断する基準として置かれた区を指します。
何も処理していない区や、調べたい条件を加えていない区が対照区になることがあります。ただし、どの区が対照区になるかは、実験の目的や設問を確認して判断します。
Q
条件が2つ違う実験では、結果を考察できませんか?
結果に差があることは分かっても、その差がどちらの条件と関係しているのかを1つに決められません。ほかに1条件だけが異なる組がないかを探し、複数の比較結果を組み合わせて判断します。
Q
結果の数値が少し違う場合は「差がない」と書いてよいですか?
数値が近いという理由だけで、差がないと決めてはいけません。設問の指示、表やグラフの示し方、測定値の範囲などから、明確な差がないと判断できる場合に限って、そのように表現します。判断できない場合は、数値や増減をそのまま正確に書きます。
次につまずいている場所を確認する
今回の例題を通して、自分がどの段階で迷うのか分かったら、その部分を重点的に復習しましょう。自分で原因を整理できる場合は、次の関連記事も役立ちます。
関連記事を読んで復習しても同じところでつまずく場合は、家庭での復習方法と学習相談の目安に戻り、次の学習方法を検討してみてください。


