水に溶けやすい気体・溶けにくい気体と集め方(置換法)【理科のコツ】
テーマ:気体の集め方と発生方法
水に溶けやすい気体・溶けにくい気体と3つの集め方を整理
気体の集め方は、まず水に溶けやすいかを確認し、必要に応じて空気より軽いか重いかを考えると判断できます。水上置換法・上方置換法・下方置換法は、次のように整理しましょう。
- 水に溶けにくい気体は、基本的に水上置換法
- 水に溶けやすく、空気より軽い気体は上方置換法
- 水に溶けやすく、空気より重い気体は下方置換法
この記事では、酸素・水素・二酸化炭素・窒素・アンモニア・塩化水素の性質、発生方法、集め方を比較しながら確認します。
6気体の性質・発生方法・集め方早見表
手早く確認したい場合は、まずこの表を見てください。入試やテストでは、水への溶けやすさと空気との重さが集め方を判断する軸になります。
| 気体 | 水への溶けやすさ | 空気との重さ | 集め方 | 発生方法の例 |
|---|---|---|---|---|
| 酸素 | 溶けにくい | 少し重い | 水上置換法 | 二酸化マンガン+薄い過酸化水素水 |
| 水素 | 溶けにくい | とても軽い | 水上置換法または上方置換法 | 金属+酸 |
| 二酸化炭素 | 少し溶ける | 重い | 下方置換法 | ドライアイス/燃焼など |
| 窒素 | 溶けにくい | 空気とほぼ同じ | 水上置換法で集められる | 空気から酸素などを除く方法 |
| アンモニア | 非常によく溶ける | 軽い | 上方置換法 | 塩化アンモニウム+水酸化カルシウムなど |
| 塩化水素 | 非常によく溶ける | 重い | 下方置換法 | 塩化ナトリウム+濃い硫酸など |
判断に迷ったときは、最初に水に溶けにくい気体なら水上置換法を使えることを思い出しましょう。水上置換法を使いにくい場合に、空気より軽いか重いかを確認します。
気体の集め方を判断する2つの手順
手順1:水に溶けにくいかを確認する
水に溶けにくく、水と反応しにくい気体は、基本的に水上置換法で集められます。代表例は酸素、水素、窒素です。
手順2:水上置換法を使いにくい場合は重さを確認する
水に溶けやすい気体は、水の中を通すと溶けてしまうため、空気との重さの違いを利用します。
- 空気より軽いアンモニアは上方置換法
- 空気より重い塩化水素は下方置換法
- 水に少し溶け、空気より重い二酸化炭素も、学校の実験では主に下方置換法
動画で学ぶ:気体と水溶液の基礎
全体像を動画でつかんだ後、早見表や実験図を見ながら、気体の性質と集め方を結びつけて確認してください。
中学理科で覚えたい6種類の気体

中学理科では、次の6種類の気体がよく扱われます。授業では、イメージしやすくするために「気体戦隊ロクレンジャー」と呼んでいます。
- 酸素(O₂):ものを燃やすはたらきがあり、水に溶けにくい。
- 水素(H₂):気体の中で最も軽く、水に溶けにくい。
- 二酸化炭素(CO₂):空気より重く、石灰水を白く濁らせる。
- 窒素(N₂):空気中に最も多く含まれ、水に溶けにくい。
- アンモニア(NH₃):水に非常によく溶け、水溶液はアルカリ性を示す。
- 塩化水素(HCl):水に非常によく溶け、水溶液は塩酸になる。
気体の名前だけでなく、発生方法・性質・集め方をつなげて覚えることが大切です。
ここでは全体像だけを確認し、次のセクションから、それぞれの性質と集め方を詳しく見ていきます。
酸素・二酸化炭素・水素の性質と集め方

酸素:水に溶けにくいため水上置換法
- 発生方法:二酸化マンガンに薄い過酸化水素水を加える。
- 性質:無色・無臭で、空気より少し重く、水に溶けにくい。
- はたらき:酸素自体は燃えないが、ものを燃やすはたらきがある。
- 集め方:水に溶けにくいため、水上置換法で集める。
二酸化炭素:水に少し溶け、空気より重い
- 発生の例:ドライアイスを置く、ものを燃やす。
- 性質:無色で、空気より重く、水に少し溶ける。
- 特徴的な反応:石灰水を白く濁らせる。
- 集め方:空気より重いため、学校の実験では主に下方置換法で集める。
二酸化炭素は「水に非常によく溶ける気体」ではない
二酸化炭素は水に少し溶けますが、アンモニアや塩化水素ほどよく溶けるわけではありません。水への溶けやすさだけで塩化水素と同じ分類にせず、空気より重いため下方置換法を使うと整理しましょう。
水素:水上置換法でも上方置換法でも集められる
- 発生方法:金属に酸を加える。例:亜鉛+薄い塩酸。
- 性質:無色で、空気より非常に軽く、水に溶けにくい。
- 集め方:水上置換法、または空気より軽い性質を利用した上方置換法。
- 注意:火を近づけると音を立てて燃えるため、実験では取り扱いに注意する。
水素を2種類の方法で集められる理由
水素は水に溶けにくいため水上置換法を使えます。また、空気より軽いため上方置換法でも集められます。2つの性質を別々に確認すると、集め方を判断しやすくなります。
酸素と二酸化炭素が人体でどう交換されるか確認する
酸素と二酸化炭素は、化学分野だけでなく人体の呼吸でも重要です。吸い込んだ酸素は肺胞から血液へ取り込まれ、体内で生じた二酸化炭素は血液から肺胞へ移動します。
窒素・アンモニア・塩化水素の性質と集め方
窒素:水に溶けにくい気体
- 性質:無色・無臭で、空気中に最も多く含まれる。
- 水への溶けやすさ:水に溶けにくい。
- 集め方:水上置換法で集められる。
- 入試でのポイント:空気の成分や、ものを燃やすはたらきがないことが問われやすい。
窒素は空気と密度が近いため、空気との重さを利用した置換法よりも、水に溶けにくい性質を利用した水上置換法が分かりやすい集め方です。
アンモニア:水によく溶け、空気より軽い
- 発生方法:塩化アンモニウムと水酸化カルシウムの混合物を加熱する。
- 性質:刺激臭があり、水に非常によく溶け、空気より軽い。
- 水溶液の性質:アルカリ性。
- 集め方:上方置換法。
塩化水素:水によく溶け、空気より重い
- 発生方法:塩化ナトリウムに濃い硫酸を加える方法など。
- 性質:刺激臭があり、水に非常によく溶け、空気より重い。
- 水溶液の性質:水に溶けると塩酸になり、酸性を示す。
- 集め方:下方置換法。
実験問題では発生方法と集め方をつなげる
入試では、気体の名前や集め方だけでなく、実験装置の図を見て次の内容を判断する問題が出されます。
- 使われている薬品から、発生する気体を判断する
- 水への溶けやすさから、水上置換法を使えるか判断する
- 空気との重さから、上方置換法か下方置換法か判断する
- 石灰水やリトマス紙などの反応から気体を見分ける
たとえば、二酸化マンガンと薄い過酸化水素水があれば酸素が発生します。酸素は水に溶けにくいため、発生装置の先に水上置換法の装置がつながります。
表では答えられても、発生装置の図や過去問になると判断できない場合は、気体の名称だけでなく、薬品・性質・集め方を一つの流れとして確認することが必要です。
置換法ごとの代表的な気体
| 集め方 | 判断する性質 | 代表的な気体 |
|---|---|---|
| 水上置換法 | 水に溶けにくい | 酸素、水素、窒素 |
| 上方置換法 | 水に溶けやすく、空気より軽い | アンモニア |
| 下方置換法 | 水上置換法を使いにくく、空気より重い | 二酸化炭素、塩化水素 |
二酸化炭素は水に少し溶け、塩化水素は水に非常によく溶けます。水への溶け方は同じではありませんが、どちらも学校の実験では空気より重い性質を利用して下方置換法で集めます。
気体と水溶液に関する確認クイズ10問
ここまでの内容をクイズで確認しましょう。答えは、各問題の下にある「正解を見る」を開くと確認できます。
1. 酸素の発生方法は?
A. ドライアイスを置く
B. 金属に酸を加える
C. 二酸化マンガンに薄い過酸化水素水を加える
D. 石灰水を加熱する
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2. 二酸化炭素を集める基本的な方法は?
A. 上方置換法
B. 水上置換法
C. 下方置換法
D. 蒸留法
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3. 水素の性質として正しいものは?
A. 空気より重い
B. 火を近づけると音を立てて燃える
C. 水に非常によく溶ける
D. 石灰水を白く濁らせる
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4. 石灰水を白く濁らせる気体は?
A. 酸素
B. 水素
C. 二酸化炭素
D. 塩化水素
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5. 水素を発生させる方法は?
A. 金属に酸を加える
B. ドライアイスを置く
C. 石灰水を加熱する
D. 過酸化水素水だけを置く
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6. 酸素の収集に適した方法は?
A. 上方置換法
B. 水上置換法
C. 下方置換法
D. 蒸発法
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7. 水素が空気より軽いことを利用した集め方は?
A. 上方置換法
B. 水上置換法
C. 下方置換法
D. 蒸留法
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8. 水に溶けにくく、空気中に最も多く含まれる気体は?
A. 酸素
B. 窒素
C. アンモニア
D. 塩化水素
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9. 水に非常によく溶け、空気より重い気体は?
A. 水素
B. 窒素
C. アンモニア
D. 塩化水素
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10. 水に非常によく溶け、空気より軽い気体は?
A. 酸素
B. アンモニア
C. 二酸化炭素
D. 塩化水素
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気体の集め方に関するよくある質問
水上置換法を使いにくい気体は何ですか?
水に非常によく溶けるアンモニアや塩化水素には、水上置換法を使いません。水の中を通すと気体が水に溶けてしまうためです。アンモニアは上方置換法、塩化水素は下方置換法で集めます。
二酸化炭素は水上置換法で集められないのですか?
二酸化炭素は水に少し溶けるため、学校の実験では空気より重い性質を利用した下方置換法が基本です。アンモニアや塩化水素ほど水に溶けるわけではありませんが、早見表では下方置換法として整理すると判断しやすくなります。
水素はなぜ2種類の方法で集められるのですか?
水素は水に溶けにくいため水上置換法を使えます。また、空気より非常に軽いため、上方置換法でも集められます。より純粋な気体を集めやすいという点では、水上置換法がよく使われます。
上方置換法と下方置換法はどう見分けますか?
空気より軽い気体を上へ移動させて集めるのが上方置換法、空気より重い気体が下へたまる性質を利用して集めるのが下方置換法です。気体を入れる容器の向きだけでなく、集める気体が空気より軽いか重いかを確認しましょう。
窒素はどの方法で集めますか?
窒素は水に溶けにくいため、水上置換法で集められます。空気との重さの差が小さいため、空気との重さを利用するよりも、水に溶けにくい性質を利用して考えると分かりやすくなります。
まとめ:最初に水への溶けやすさを確認する
- 酸素・水素・窒素は水に溶けにくいため、水上置換法で集められる。
- アンモニアは水に非常によく溶け、空気より軽いため上方置換法。
- 塩化水素は水に非常によく溶け、空気より重いため下方置換法。
- 二酸化炭素は水に少し溶け、空気より重いため、学校の実験では主に下方置換法。
- 水素は水に溶けにくく空気より軽いため、水上置換法と上方置換法の両方で集められる。
気体ごとに集め方を丸暗記するのではなく、水への溶けやすさを確認してから、空気より軽いか重いかを見るという順番で考えましょう。


