溶解度グラフが読めない→「何が増えると何が起きるか」を言葉→計算へ

飽和・不飽和
結晶量
水の量の換算
溶解度グラフの問題では、計算そのものよりも、
「どの値を読むのか」「何と何を比べるのか」「どの量を引くのか」
が分からなくなりやすいものです。
このページでは、
グラフから読む→溶ける上限を判断する→水の量をそろえる→必要な差を求める
という順番で、飽和・不飽和、結晶量、水100gではない場合の計算まで具体例を使って整理します。
こんな疑問を確認できます
- グラフのどこを読めばいい?
- 飽和か不飽和か、どう比べる?
- 結晶量は何から何を引く?
- 水100gではないときはどうする?
2つの温度の値を読む → 溶ける上限を確認する → 同じ水の量にそろえる → 実際に溶けている量が上限を超えた分を求める。
温度を下げただけで、必ず結晶が出るわけではありません。
まず1問だけ考えてみよう
温度を下げたとき「何gの結晶が出るか」はどう考える?
まず、考え方を確認するための簡単な例で見てみます。
以下は説明用の数値で、高い温度で溶質が上限まで溶けている場合の例です。
例
水100gに溶質が60g溶けているとします。
グラフから、50℃では水100gに60gまで、20℃では30gまで溶けると読み取ったとします。
- 50℃:水100gに60gまで溶ける
- 20℃:水100gに30gまで溶ける
- 最初は50℃で60g溶けている
20℃まで冷やすと30gまでしか溶けていられないため、最初に溶けていた60gのうち30gが溶けていられなくなります。
この条件では、30gが結晶として出てきます。
ここで大切なのは、単に「高い温度の溶解度−低い温度の溶解度」と覚えないことです。
求めているのは、
「実際に溶けていた量」と「冷やした後も溶けていられる量」の差
です。
1|読む
冷やす前と後の溶解度を読みます。
2|判断する
冷やした後の上限を確認します。
3|水量をそろえる
必要なら同じ水量に換算します。
4|差を求める
上限を超えた分を求めます。
結晶量=(冷やす前に実際に溶けていた量)−(冷やした後の温度で溶けていられる量)
※2つの量は同じ水の量を基準にして比べます。
溶解度グラフの読み方|横軸・縦軸と「水100gあたり」を確認
溶解度グラフを見たら、数値を読む前に横軸・縦軸・単位を確認します。
特に大切なのが、縦軸の数値が「何に対する量なのか」です。
グラフを見たら最初に確認する3点
- 横軸:温度( )℃
- 縦軸:溶解度( )g
- 基準:水( )gあたり
軸や単位の読み取りで迷う場合
溶解度の計算以前に、グラフから必要な値を選びにくい場合は、まず「軸→単位→比較」の読み方を整理すると取り組みやすくなります。
飽和・不飽和はどう判断する?「その温度で溶ける上限」と比べる
飽和・不飽和の判断で大切なのは、グラフから読んだ溶解度を
「その温度で溶けることができる上限」
として考えることです。
例|20℃で30gまで溶ける場合
水100gに対して、20℃では30gまで溶けるとします。
- 実際に20g溶けている → まだ10g分の余地がある
- 実際に30g溶けている → 上限まで溶けている
- 実際に60g溶けている状態から20℃にした → 上限を30g超えるため、その分が結晶になる
温度が下がって溶解度が小さくなっても、実際に溶けている量が新しい上限以下なら結晶は出ません。
温度を下げたときの結晶量の求め方|1問分の流れで確認
結晶量を求める問題では、
「読む→言葉で判断する→水量をそろえる→計算する」
の順に進めます。
ここでは、50℃で上限まで溶けている場合を例に、1問分の流れを確認します。
例題
水100gに溶質60gが溶けています。
50℃では60gまで、20℃では30gまで溶けるとき、50℃から20℃まで冷やすと何gの結晶が出るか考えます。
STEP 1|必要な2点を読む
50℃:60g
20℃:30g
STEP 2|実際に溶けている量を確認
冷やす前には60gが実際に溶けています。
STEP 3|水の量を確認する
今回はグラフも問題も水100gなので、換算は必要ありません。
STEP 4|溶けなくなる分を求める
60g − 30g = 30gとなり、この30gが結晶として出てきます。
結晶量=(実際に溶けていた量)−(新しい温度で溶けていられる上限)
最初に上限まで溶けていない問題では、「高い温度の溶解度」をそのまま最初の量として使わないことが大切です。
数値は読めても、どの式を作ればよいか分からない場合
「実際に溶けている量」「その温度での上限」「結晶になる量」を区別できるかを確認すると、式を作りやすくなります。
解説を読んだときは分かっても、別の問題では式を作りにくい場合は、解いた過程から確認する方法もあります。
水100gではない問題の換算方法|具体例で「基準の水の量」をそろえる
溶解度グラフで計算ミスが起きやすいのが、問題文の水の量がグラフの基準と違う場合です。
グラフの数値をそのまま使わず、問題で使われている水の量に合わせます。
例|水が50gの場合
グラフが「水100gあたり」を表していて、50℃では60g、20℃では30gまで溶けるとします。
問題で使う水が50gなら、水の量はグラフの基準の半分です。
- 50℃:60g × 50÷100 = 30gまで溶ける
- 20℃:30g × 50÷100 = 15gまで溶ける
50℃で上限の30gまで溶けていた場合、20℃まで冷やすと15gの結晶が出ます。
先に「問題文の水の量なら、それぞれ何gまで溶けるか」を求めてから比べると、水100gの値と実際の水量での値を混同しにくくなります。
| 確認するもの | 確認内容 | 計算での役割 |
|---|---|---|
| グラフの基準 | 水何gあたりの溶解度か | 換算の出発点 |
| 問題文の水の量 | 実際に使われている水が何gか | この水量へそろえる |
| 実際に溶けている量 | 冷やす前に何g溶けているか | 結晶量を求める出発点 |
| 変化後の上限 | 変化後の温度で溶けていられる量 | 実際の量と比較する |
換算するときのメモ
- グラフ:水(100g)あたり、溶質( )gまで
- 問題:水( )g
- 問題の水の量では、溶質( )gまで
「そもそも溶解度とは何か」で迷う場合
「水100gあたり」の意味や、「その温度でどこまで溶けるか」という基本が曖昧な場合は、計算を繰り返す前に溶解度そのものを確認すると整理しやすくなります。
溶解度グラフでよくあるミス|読み取り・飽和判定・結晶量の直し方
グラフの数値をそのまま「溶けた量」にする
グラフの値が水100gあたりを表しているのに、問題文の水の量を確認せず、そのまま計算へ進むミスです。
読み取り自体が合っていても、換算が抜けると答えがずれます。
「グラフの基準」と「問題の水の量」を確認し、必要なら換算してから使います。
温度が下がっただけで「結晶が出る」と決める
温度が下がって溶解度が小さくなっても、実際に溶けている量が新しい上限を超えているかを確認する必要があります。
温度変化だけで結晶の有無を決めないようにします。
「実際に溶けている量」と「その温度で溶ける上限」を同じ水量で比べます。
結晶量の引き算が逆になる
結晶として出てくるのは、もともと溶けていた量のうち、新しい温度では溶けていられなくなった分です。
どちらからどちらを引くのか、量の意味を確認してから式にします。
結晶量=(実際に溶けていた量)−(新しい温度で溶けていられる上限)。
直し方は分かっても、同じ種類のミスを繰り返す場合
答えだけを直すのではなく、間違えた問題を「読み取り」「飽和判定」「換算」「引き算」に分けて振り返ると、繰り返しているミスを見つけやすくなります。
同じ部分で何度も間違える場合は、その部分を重点的に確認する方法もあります。
溶解度グラフのどこでつまずいている?4つに分けて確認
解き方を確認しても安定しない場合は、「溶解度グラフが苦手」とまとめず、
どの段階でつまずいているかを分けて確認します。
自分では「どこで間違えたのか」を分けにくい場合
答えが違うことは分かっても、読み取り・飽和判定・換算・式づくりのどこが原因なのか判断しにくいことがあります。
その場合は、答えだけでなく途中の考え方まで確認し、つまずく段階を整理する方法があります。
家庭学習での練習方法|「読む→判断→換算→計算」を繰り返す
家庭学習では、難しい問題を長時間考えるだけでなく、
同じ流れで繰り返し解ける状態を目指すこと
が大切です。
| 区分 | やること | チェックすること |
|---|---|---|
| 平日(短時間) | 1問ずつ、温度の2点を読む→溶解度の増減を言葉にする→必要なら水量を換算→答えを出す | 計算前に「何が増えた/減った」を説明できている |
| 週末(通し) | 複数温度や水の量が変わる問題をまとめて解く | 毎回「基準の水の量」を確認してから計算している |
| 解き直し | 間違えた理由を「読み取り」「飽和判定」「換算」「引き算」に分類する | 同じ種類のミスを繰り返していないか確認する |
FAQ|溶解度グラフでよくある質問
Q
溶解度グラフは、どこから読めばいいですか?
温度変化の問題なら、変化前と変化後の2つの温度に絞って値を読みます。
あわせて、縦軸が水何gあたりの値なのかも確認してください。
Q
温度を下げたら必ず結晶が出ますか?
その温度で溶けていられる上限と、実際に溶けている量を比べます。
実際の量が新しい上限を超える場合、その超えた分が結晶として出てきます。
Q
飽和・不飽和の判断が安定しません
水の量がグラフの基準と違う場合は、問題の水の量に換算してから実際に溶けている量と比較します。
「上限を確認する→実際の量と比べる」と整理すると判断しやすくなります。
Q
結晶量の引き算の向きが分からなくなります
基本は「実際に溶けていた量−新しい温度で溶けていられる上限」と考えます。
2つの量を同じ水の量にそろえてから引いてください。
Q
高い温度の溶解度から低い温度の溶解度を引けばよいですか?
その計算で求められるのは、高い温度で上限まで溶けている場合です。
最初に実際に何g溶けているのかを確認し、その量から冷やした後に溶けていられる量を引いて考えます。
Q
水100gではないとき、どうすればいいですか?
たとえば水100gあたりの値を水50gに直す場合は、溶ける量も半分になります。
「グラフは水何gあたりか」「問題では水が何gあるか」を書き出してから計算すると、基準を混同しにくくなります。
Q
グラフの読み取りそのものが苦手です
次に確認するページ|今のつまずきに合わせて選ぶ
溶解度グラフを一通り確認したら、「どこがまだ不安定なのか」に合わせて次の内容を選ぶと、必要な部分を復習しやすくなります。
軸・単位・必要な値を選ぶところで間違える場合
溶解度に限らず、図・表・グラフから必要な情報を選ぶところが分かりにくい場合は、「軸→単位→比較」の読み取りから確認します。
自分で解くと安定しない場合は、個別指導の内容も確認できます
溶解度グラフでは、「必要な値を選ぶ」「上限と実際の量を比べる」「水の量を換算する」「結晶量として何を引くか判断する」など、同じ不正解でもつまずく場所が異なります。
解説を読んだときは分かっても別の問題では解き方が分からなくなる場合や、自分では原因を特定しにくい場合は、開講講座の案内から個別指導について確認できます。
学習状況について相談したい場合は、お問い合わせ・学習相談をご利用ください。

