【理科のコツ】天気の観測

小学生理科/天気の観測
テーマ:基本用語の総整理

天気の観測と基本用語|百葉箱・湿度・風向き・天気記号をまとめて整理

このページでは、天気の観測で必ず登場する
百葉箱・乾球・湿球温度計・十六方位・風向き・天気図記号(快晴/晴れ/くもり)
などの基本用語を、テストで使えるレベルまで一気に整理します。

「なんとなく聞いたことはあるけれど、ちゃんと説明できない…」という状態を卒業して、
用語問題・記述問題のどちらにも対応できる理解を目指しましょう。

動画で学ぶ:天気の観測と基本用語

しゅん吉先生の解説動画とあわせて、このページのまとめやクイズを活用すると、
インプット+アウトプットのバランスよく学習できます。

天気の観測でおさえるべき「3つの柱」

天気の観測の単元では、難しい計算よりもまず
「言葉の意味」と「決まりごと」を正しく理解しているかが問われます。

  • 気象を測る道具:百葉箱・乾球/湿球温度計 など
  • 方角・風向き:十六方位・風向の表し方
  • 天気の表し方:雲量と天気図記号(快晴・晴れ・くもり)

この記事では、この3つを軸にして
入試・テストでそのまま使えるレベルまで整理していきます。

この記事でできるようになること

  • 百葉箱の役割と設置条件を説明できる
  • 乾球・湿球温度計から湿度のイメージをつかめる
  • 十六方位と風向きの読み間違いを防げる
  • 快晴・晴れ・くもりの基準を雲量で説明できる

1. 百葉箱と温度・湿度の観測

百葉箱の写真

百葉箱とは?

校庭のすみなどに置いてある白い小屋のような箱を
「百葉箱(ひゃくようばこ)」といいます。

「俺の家ではないです。夢や希望も入っていません。」という冗談とは裏腹に、
中には気温と湿度を測るための大事な器具が入っています。

項目 ポイント
役割 気温・湿度を できるだけ正確に測定 するための小さな「観測室」。
設置場所
  • 地面から 1.2〜1.5m の高さ
  • 風通しがよく、日陰になりにくい場所
  • 地面の熱の影響を受けすぎない位置
中に入っているもの 温度計・乾球湿球温度計など、気温と湿度を測る器具。

乾球・湿球温度計と湿度のしくみ

乾球・湿球温度計の図

百葉箱の中には、乾球(かんきゅう)温度計
湿球(しつきゅう)温度計がセットになった温度計が入っています。

  • 乾球温度計:普通の温度計
  • 湿球温度計:
    先端に湿った布が巻かれていて、水が蒸発するときに
    周りの熱をうばう(気化熱)ため、乾球より温度が低くなる

乾球と湿球の温度差が大きいほど
「水がどんどん蒸発している=空気が乾燥している」ことを表します。

乾球と湿球の関係 湿度のイメージ
乾球と湿球の温度差が ない(同じ温度) これ以上水が蒸発できない → 湿度100% に近い
温度差が 大きい 水がどんどん蒸発 → 空気が乾燥している

実際の湿度は、乾球温度・湿球との温度差をもとにした
一覧表から読み取ります。仕組みを知っておくと、ただの暗記ではなく
「なぜそうなるか」までイメージしやすくなります。

2. 十六方位と風向きの表し方

十六方位の図

十六方位とは?

普段は 東・西・南・北 の4つの方位で考えますが、
天気の観測では、より細かい方向を表す「十六方位」を使います。

たとえば、
北(N)と西(W)の間は「北西」ですが、
さらにそこから細かく分けて
「北北西」「西北西」 などと呼びます。

「北と北西の間だから北北西」「北西と西の間だから西北西」など、
先に来る方角ほど“えらい方角”と覚えておくと整理しやすくなります。

風向きの読み方でよくある勘違い

風向と雲の図

天気でよく出てくる「南東の風」
次のうち、どちらの意味でしょうか?

  • ① 南東に向かって吹く風
  • ② 南東から吹いてくる風

正解は ② 南東から吹いてくる風 です。

ポイント:
「〇〇の風」= 〇〇の方向から 吹いてくる風
例:
・北風 … 北から南へ向かって吹く風
・南東の風 … 南東から北西へ向かって吹く風

風向きの問題では、矢印の向き
「どこから吹いてきたか」
しっかり対応させて読むクセをつけましょう。

3. 雲量と天気図記号(快晴・晴れ・くもり)

空を見上げたとき、雲がどのくらい広がっているかを
「雲量(うんりょう)」といい、
空全体を「10」としたときの割合で表します。

たとえば、半分くらい雲がある(5/10)ときの天気は「晴れ」です。
「快晴と晴れ、くもりの境目はどこか?」をはっきり覚えておきましょう。
快晴の天気記号

快晴
雲量0〜1 / 記号:○(雲がほぼない「からっ晴れ」)

晴れの天気記号

晴れ
雲量2〜8 / 記号:○に縦線

くもりの天気記号

くもり
雲量9〜10 / 記号:◎(ほぼ雲でおおわれている)

天気 雲量の目安 イメージ
快晴 0〜1割 雲がほとんどない。真っ青な空に、ちょっとだけ雲がある程度。
晴れ 2〜8割 半分以上雲があってもOK。「雲が多い晴れ」も、天気としては晴れ扱い。
くもり 9〜10割 空のほとんどが雲でおおわれている状態。

テストでは、
「雲が空の半分くらい → 晴れ」「雲がほとんど → くもり」
という基準がそのまま出題されることも多いので、必ず言葉で説明できるようにしておきましょう。

4. ここまでのまとめ

天気の観測の単元では、まず次のポイントを押さえておきましょう。

  • 百葉箱:気温・湿度を正しく測るための「観測室」。高さ1.2〜1.5m・風通しのよい場所に設置。
  • 乾球・湿球温度計:水の蒸発(気化熱)を利用して湿度を調べる。差が大きいほど空気は乾燥。
  • 十六方位:東西南北をさらに細かく分けた方位。北北西・西北西など、呼び名のルールを理解する。
  • 風向き:「〇〇の風」=〇〇から吹いてくる風(行き先ではなく「出発地」に注目)。
  • 雲量と天気:快晴=0〜1割、晴れ=2〜8割、くもり=9〜10割。
    特に「半分くらい雲があるときも晴れ」という点がよく問われる。

用語の暗記だけでなく、
「なぜそのような決まりになっているのか」まで理解しておくと、
応用問題にも強くなります。

5. 天気の観測に関するクイズで最終チェック

最後に、この記事の内容をもとにした 確認クイズ10問 です。
「正解を見る」ボタンをクリックして、理解度をチェックしてみましょう。

問題 選択肢 回答
1. 百葉箱が設置される高さは? A. 地面すれすれ
B. 1.2~1.5m
C. 3~5m
D. 高さは関係ない

2. 湿球温度計の温度が下がる理由は? A. 日光の影響
B. 水の蒸発が熱を奪うため
C. 空気の冷却作用
D. 温度計の位置の違い

3. 快晴と判断される雲の割合は? A. 0~1割
B. 2~5割
C. 5~8割
D. 8~10割

4. 南東の風の意味は? A. 南東へ向かう風
B. 南東から吹いてくる風
C. 北西へ向かう風
D. 北西から吹いてくる風

5. 曇りと判断される雲の割合は? A. 0~1割
B. 2~8割
C. 9~10割
D. 8割以上

6. 湿度100%の状態では何が起こる? A. 水が蒸発しない
B. 温度が上昇する
C. 水がすぐ蒸発する
D. 温度が一定になる

7. 十六方位の北北西はどの間の方角? A. 北と北東
B. 北と北西
C. 北東と東
D. 北西と西

8. 天気図記号で快晴を表すものは? A. ○
B. ◎
C. ×
D. ●

9. 湿球と乾球の温度差が大きい場合の湿度は? A. 高い
B. 低い
C. 一定
D. 計測不能

10. 晴れと判断される雲の割合は? A. 0~1割
B. 2~8割
C. 9~10割
D. 8割以上

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