質量パーセント濃度の求め方|水溶液の濃度計算【理科のコツ】
質量パーセント濃度・溶解度・再結晶
質量パーセント濃度の求め方|溶液の重さと溶解度の違いを例題で解説
質量パーセント濃度は、水溶液全体のうち、溶けている物質が何%を占めるかを表す数値です。計算するときは、水だけではなく、溶質と溶媒を合わせた「溶液の質量」を分母にします。
この記事では、質量パーセント濃度の公式、溶質・溶媒・溶液の区別、基本的な計算例を先に確認します。その後、混同しやすい溶解度や、冷やしたときに結晶が出る再結晶の考え方まで整理します。
1. 要点確認:質量パーセント濃度の公式
質量パーセント濃度(%)
= 溶質の質量 ÷ 溶液の質量 × 100
最初に、次の2点を押さえましょう。
- 溶液の質量=溶媒の質量+溶質の質量
- 分母には、水だけでなくできあがった水溶液全体の質量を入れる
2. 溶質・溶媒・溶液の意味
公式を使う前に、問題文に出てくる3つの言葉を区別しましょう。
3つの基本用語
- 溶媒(ようばい):物質を溶かす側の液体。この記事で扱う水溶液では、水にあたります。
- 溶質(ようしつ):溶媒に溶けている物質。食塩、砂糖、ミョウバンなどです。
- 溶液(ようえき):溶質が溶媒に均一に溶けたものです。この記事で扱う水溶液では、水に物質が溶けた液体を指します。
砂糖水で考えると
- 水:溶媒
- 砂糖:溶質
- 砂糖水:溶液
- 砂糖水の質量:水の質量+砂糖の質量

問題文を読んだら、数字だけを先に式へ入れず、「何が溶質で、何が溶媒か」を書き分けると間違いを減らせます。
3. 計算前に確認する分子・分母と手順
質量パーセント濃度は、溶液全体の中に溶質がどれくらい含まれているかを割合で表したものです。ここでは、公式に数字を入れる前の確認方法を詳しく整理します。
公式で使う2つの質量
- 分子:溶質の質量
- 分母:溶液全体の質量
- 溶液の質量:溶媒の質量+溶質の質量
「水の重さ分の、溶質の重さ」ではありません。水に溶質を加えてできた、水溶液全体を基準にします。
計算の手順
- 溶けている物質である「溶質」の質量を確認する
- 水などの「溶媒」の質量を確認する
- 溶質と溶媒を足して、溶液全体の質量を求める
- 溶質の質量を溶液の質量で割る
- 100を掛けて百分率に直す
よくある間違い:水170gに砂糖30gを溶かしたとき、分母を170gにしてはいけません。できあがった砂糖水は200gなので、分母は200gです。
4. 例題:170gの水に30gの砂糖を溶かしたとき
水170gに砂糖30gを溶かした砂糖水の質量パーセント濃度を求めます。
| 手順 | 計算 |
|---|---|
| 溶質と溶媒を確認 |
|
| 溶液の質量を求める | 170g+30g=200g |
| 公式に当てはめる | 30÷200×100=15% |
答え:15%
答えを確かめる方法
- 溶液全体200gのうち、砂糖は30gです。
- 30gは200gの0.15倍です。
- 0.15を百分率にすると15%になります。
5. 動画で水溶液の基本を復習する
溶質・溶媒・溶液の区別や、濃度計算の考え方を映像で確認したい場合は、次の動画も利用できます。
動画を見ずに読み進める場合も、ここまでの公式と例題を理解できていれば、次の溶解度の説明へ進めます。
6. 溶解度とは?質量パーセント濃度との違い

溶解度とは、ある温度で、水100gに溶ける物質の最大量です。それ以上溶けない状態の水溶液を、飽和水溶液といいます。
| 比べる項目 | 質量パーセント濃度 | 溶解度 |
|---|---|---|
| 何を表すか | 溶液全体に対する溶質の割合 | 水100gに溶ける限界量 |
| 基準 | 溶液全体の質量 | 水100g |
| 温度との関係 | 温度そのものを定義に含まない。蒸発や結晶の析出によって溶質・溶媒の質量が変わると、濃度も変わる。 | ある温度で溶ける最大量を表し、物質によっては温度により値が大きく変わる。 |
| 主な使い方 | 水溶液の濃さを求める | 溶ける量や結晶量を求める |
どちらにも「100」という数が出てきますが、質量パーセント濃度の100は百分率へ直すための数です。溶解度の水100gとは意味が異なります。
7. 溶解度表の読み方
溶解度表では、次の2点を確認します。
- 何℃のときの値か
- 水100gに何g溶けるか
次の表は、読み方を確認するための練習用の数値です。
| 温度 | 物質Aの溶解度 | 表していること |
|---|---|---|
| 20℃ | 30g | 20℃の水100gに、物質Aは最大30gまで溶ける。 |
| 60℃ | 80g | 60℃の水100gに、物質Aは最大80gまで溶ける。 |
この表では、60℃のほうが20℃より多くの物質Aを溶かせます。60℃で80g溶けている水溶液を20℃まで冷やすと、20℃では30gまでしか溶けていられません。
溶けていられなくなった分は、結晶として出てきます。
8. 再結晶の計算
温度を下げたときに、溶けていられなくなった物質が結晶として出てくることを再結晶といいます。
水100gの場合
| 条件 | 量 |
|---|---|
| 60℃で溶けている物質A | 80g |
| 20℃で溶けていられる物質A | 30g |
| 出てくる結晶 | 80g-30g=50g |
水50gの場合
溶解度表は水100gを基準にしています。水が50gなら、溶ける量も半分にします。
- 60℃:水100gに80g溶けるため、水50gには40g溶ける
- 20℃:水100gに30g溶けるため、水50gには15g溶ける
- 出てくる結晶:40g-15g=25g
注意:高温で溶解度いっぱいまで物質が溶けていない場合は、溶解度の差がそのまま結晶量になるとは限りません。最初に実際に溶けている量を確認します。
9. よくあるつまずきと見直し方
分母を水の質量にしてしまう
質量パーセント濃度の分母は、溶質と溶媒を合わせた溶液全体の質量です。
濃度と溶解度を混同する
濃度は溶液全体に対する割合、溶解度は水100gに溶ける最大量です。
水100g以外で計算できない
水の量が半分なら溶ける量も半分、2倍なら溶ける量も2倍にします。
冷やせば必ず結晶が出ると思う
冷やした後の溶解度より多くの物質が溶けている場合に、余った分が結晶になります。
計算式だけを覚えるのではなく、「どの量を基準にしているか」を確認すると、濃度と溶解度を区別しやすくなります。
このあと自分で確認するか、個別に相談するかを選べます
まず理解度を確かめたい場合は、次の確認クイズへ進んでください。問題文から式を作るところで繰り返し迷う場合は、個別指導の内容も確認できます。
個別指導では、溶質・溶媒・溶液の区別、濃度の分母、水100g以外の溶解度計算、再結晶の式の作り方を、問題ごとに確認します。
10. 確認クイズ10問
各問題を開いて答えを確認してください。間違えた問題の種類を覚えておくと、クイズ後の復習先を選びやすくなります。
問題1:溶解度とは何を表す数値ですか?
A. 水溶液全体の重さ
B. 水100gに溶ける物質の最大量
C. 溶液の温度
D. 溶質の色
正解:B. 水100gに溶ける物質の最大量
問題2:それ以上物質が溶けない水溶液を何といいますか?
A. 飽和水溶液
B. 蒸留水
C. 濃塩酸
D. 石灰水
正解:A. 飽和水溶液
問題3:溶媒とは何を指しますか?
A. 溶けている物質
B. 物質を溶かす液体
C. 固体部分
D. 出てきた結晶
正解:B. 物質を溶かす液体
問題4:溶質とは何を指しますか?
A. 溶けている物質
B. 水
C. 水溶液全体
D. 温度
正解:A. 溶けている物質
問題5:溶解度表の基準になる水の量はどれですか?
A. 1g
B. 10g
C. 100g
D. 1000g
正解:C. 100g
問題6:高温の水溶液を冷やして結晶が出ることを何といいますか?
A. 中和
B. 再結晶
C. 蒸発
D. 沈降
正解:B. 再結晶
問題7:60℃で80g、20℃で30g溶ける物質を、水100gに溶解度いっぱいまで溶かして冷やすと、何gの結晶が出ますか?
A. 20g
B. 30g
C. 50g
D. 80g
正解:C. 50g
問題8:質量パーセント濃度の公式はどれですか?
A. 溶媒の質量÷溶液の質量×100
B. 溶質の質量÷溶液の質量×100
C. 溶液の質量÷溶質の質量×100
D. 溶液の質量÷溶媒の質量×100
正解:B. 溶質の質量÷溶液の質量×100
問題9:溶液の質量の求め方として正しいものはどれですか?
A. 溶質の質量だけ
B. 溶媒の質量だけ
C. 溶質の質量+溶媒の質量
D. 溶質の質量÷溶媒の質量
正解:C. 溶質の質量+溶媒の質量
問題10:溶解度と質量パーセント濃度の違いとして正しいものはどれですか?
A. どちらも同じ数値を表す
B. 溶解度は水100gに溶ける量、濃度は溶液全体に対する溶質の割合
C. 溶解度は温度と関係しない
D. 濃度は溶質と関係しない
正解:B. 溶解度は水100gに溶ける量、濃度は溶液全体に対する溶質の割合
間違えた問題に合わせて復習しよう
11. よくある質問
質量パーセント濃度では、なぜ水の質量を分母にしないのですか?
質量パーセント濃度は、できあがった溶液全体の中で、溶質がどれくらいの割合を占めるかを表すためです。そのため、分母には水だけでなく、溶質を含めた溶液全体の質量を使います。
溶液の質量が書かれていないときは、どう求めますか?
溶質の質量と溶媒の質量を足します。たとえば、水170gに砂糖30gを溶かした場合、溶液の質量は200gです。
溶解度と質量パーセント濃度は、どう見分けますか?
「ある温度の水100gに何g溶けるか」を扱う場合は溶解度です。「水溶液全体のうち溶質が何%か」を扱う場合は質量パーセント濃度です。
水が100gではない場合、溶解度はどう計算しますか?
水の量に合わせて、溶ける物質の量も同じ割合で変えます。水50gなら表の値の半分、水200gなら表の値の2倍です。
水溶液を冷やすと、必ず結晶が出ますか?
必ず出るわけではありません。冷やした後の温度で溶けていられる量より、実際に溶けている量が多い場合に、余った分が結晶として出ます。
水が蒸発した場合は、どう考えますか?
何を求める問題かによって、使う考え方が異なります。
- 質量パーセント濃度を求める場合:蒸発後に残った水の質量を求め、溶質の質量と合わせて新しい溶液の質量を計算します。
- 結晶が出る量を求める場合:蒸発後に残った水の量に、その温度での溶解度を当てはめ、溶けていられる量を求めます。
溶解度を使うのは、主に「その水の量に何gまで溶けていられるか」や「何gの結晶が出るか」を判断する場合です。
12. まとめ
- 質量パーセント濃度は、溶液全体に対する溶質の割合を表す。
- 公式は、溶質の質量÷溶液の質量×100。
- 溶液の質量は、溶媒の質量+溶質の質量で求める。
- 溶解度は、ある温度の水100gに溶ける物質の最大量を表す。
- 溶解度と濃度は、基準にしている量が異なる。
- 再結晶では、高温で溶けている量と、低温で溶けていられる量を比べる。
- 水が100g以外の場合は、水の量に合わせて溶ける量を同じ割合で変える。
問題文を読んだら、最初に「濃度の問題か、溶解度の問題か」を判断し、溶質・溶媒・溶液のどの量が示されているかを整理しましょう。
水溶液の計算を問題演習で確認したい人へ
公式を覚えていても、問題文から必要な数字を選ぶところや、水100g以外の計算で迷う場合は、問題ごとに考え方を整理する必要があります。
- 溶質・溶媒・溶液を問題文から見分ける
- 質量パーセント濃度の分母を正しく求める
- 水の量に合わせて溶解度を換算する
- 冷却後に出る結晶量を表から求める
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