【理科のコツ】太陽と1日の動き

中学受験理科/地学分野
単元:太陽と1日の動き

太陽と1日の動き──太陽の正体と「東から西」のわけを図で理解しよう

太陽の大きさや温度、黒点の正体から、太陽が1日のうちにどう見えて動くかまでを、
地球の自転や標準時のしくみとあわせて整理します。暗記ではなく「イメージで理解」することがねらいです。

このページでわかること

  • 太陽の大きさ・温度・黒点などの基本データ
  • 地球が「丸い」とわかった理由と北半球・南半球のイメージ
  • 太陽が東から南を通って西に沈むように見えるわけ
  • 地球の自転と天体の「見かけの動き」の関係
  • 日本の標準時(135°E・明石)と東京の南中時刻の考え方
  • まとめ表と○×で確認できる10問クイズで最終チェック

太陽の基本データ──地球の109倍の「熱々の星」

空に浮かんでいる、まぶしくてじっと見てはいけない天体が太陽です。
私たちの1日の明るさや気温を支えている、とても重要な星です。

項目 値・特徴
直径 地球の約109倍(地球が縦に109個並ぶイメージ)
表面温度 6000℃
黒点 太陽表面の黒い点。周りより温度が低く、約4000℃
強い磁場が発生している場所でもある。

黒点は「黒くて冷たそう」に見えますが、それでも4000℃
周りの6000℃よりは低い、という意味で黒く見えていると考えましょう。

コラム:温度をどうやって測る?

太陽の温度は、もちろん体温計をさして測るわけではありません。
実際には、太陽からの光の色や強さを観測し、物理法則を使って温度を逆算しています。
非接触の体温計を「宇宙スケール」にしたようなイメージです。

地球は丸い──どうやってわかったの?

当たり前のように「地球は丸い」と習いますが、昔の人たちは観察からそれに気付きました。

  • 月食のとき、月に映る地球の影が丸い。
  • 遠くから近づいてくるが、全体ではなく「マスト → 船体」の順に見える。

これらの観察から、地球は平らではなく、球に近い形だと考えられるようになったのです。

船の見え方から地球が丸いことに気づく図

▲ 船の見え方から「地球は丸い」と気づいたイメージ図

赤道・北半球・南半球

地球を真ん中でぐるりと一周している線を赤道といいます。
赤道より北側を北半球、南側を南半球とよび、日本は北半球にあります。

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太陽の光と地球の位置関係

地球は太陽のまわりを回りながら、さらに自分自身も回転しています(自転)。
太陽の光は本当は放射状に広がっていますが、地球は太陽に比べてとても小さいため、
地球に届く光は平行な光として考えることができます。

  • 地球は少し傾いた「地軸」を持って自転している。
  • 北半球にいる私たちから見ると、太陽は南の空に見える。
  • 天体(太陽・星など)は、基本的に東から登って南を通り、西に沈むように見える。

北半球の多くの場所では、太陽は
「東 → 南 → 西」の順に動いていくように見えます。

地球と太陽の位置関係を示す図

▲ 地軸が傾いた地球と、平行に飛んでくる太陽光のイメージ

地球の自転と「見かけの動き」

実際に動いているのは地球の方です。地球は西から東へ回転(自転)しています。

  • 地球が西 → 東へ回る。
  • その結果、私たちから見ると天体が東から西へ動いているように見える。

車に乗って前に進むと、外の景色が後ろへ流れていくように見えます。
これと同じように、動いている自分の側から見ると、外のものが逆向きに動いて見えるわけです。

物理の「相対運動」とは?

地球から見た天体の動きは、相対運動の代表例です。
「どちらが動いていると考えるか」で見え方が変わる、という考え方は、物理のいろいろなところで出てきます。

日本の標準時と南中──なぜ東京は11時40分ごろ?

日本では、兵庫県明石市を通る東経135度の経線が、日本の標準時として決められています。

  • 明石を通る経線:東経135度 → ここを日本の時間の基準とする。
  • 太陽が真南にくるときを南中といい、明石での南中を12時と決めている。
  • 東京は明石よりも東側にあるので、太陽が少し早く南中する。

その結果、東京では太陽が真南にくるのは、およそ11時40分ごろになります。
「東京の南中時刻は11時40分」と丸暗記するのではなく、
「東にある場所ほど先に太陽が南中する」という考え方で理解しておきましょう。

日本の標準時と太陽の動きを示す図

▲ 明石(標準時)と東京の位置関係と南中時刻のイメージ

まとめ:太陽と地球の動き

ポイント 説明
太陽の大きさと温度 太陽の直径は地球の約109倍。表面温度は約6000℃
黒点の温度は約4000℃で、周囲より温度が低く、磁場が強い場所。
地球の形 地球は球に近い形をしており、月食の影船の見え方からそのことがわかった。
赤道を中心に、北半球南半球に分かれる。
太陽の光 太陽の光は本来放射状だが、地球が小さいため、地球に届く光は平行線として扱う
地球の自転と天体の動き 地球は西から東へ自転しているため、天体は東から西へ動くように見える。
北半球では太陽は東 → 南 → 西と動いて見える。
日本の標準時 兵庫県明石市を通る東経135度の経線が、日本の標準時刻の基準。
明石で太陽が真南にくるときを12時とし、東京では約11時40分ごろに南中する。

クイズ:太陽と地球の動きを確認しよう

問題 選択肢 答え
1. 太陽の直径は地球の何倍ですか? A. 10倍
B. 50倍
C. 109倍
D. 200倍

2. 太陽の表面温度は何℃ですか? A. 4000℃
B. 6000℃
C. 8000℃
D. 10000℃

3. 地球が「丸い」とわかるきっかけとなった観察として適切なのは? A. 月食の影
B. 船の見え方
C. AとBの両方
D. 特にない

4. 地球が自転している方向は? A. 東から西
B. 西から東
C. 北から南
D. 南から北

5. 日本の標準時は何度の経線に基づいていますか? A. 120度
B. 135度
C. 150度
D. 180度

6. 太陽の光は地球にどのように届くと考えてよいですか? A. 放射状
B. 平行
C. 波状
D. ランダム

7. 北半球で太陽はどの方角を通っていきますか? A. 東 → 南 → 西
B. 北 → 東 → 南
C. 西 → 北 → 南
D. 東 → 北 → 西

8. 太陽がその日の中で最も高くなるときを何といいますか? A. 日没
B. 日の出
C. 南中
D. 正午

9. 東京の南中時刻はおよそ何時ごろですか? A. 11:30ごろ
B. 11:40ごろ
C. 12:00ごろ
D. 12:10ごろ

10. 地球の自転が作り出す天体の「見かけの動き」として正しいのは? A. 東から西へ動いて見える
B. 西から東へ動いて見える
C. 北から南へ動いて見える
D. 動かないように見える

「空の動き」がわかると理科がもっとおもしろくなる

太陽の動きや地球の自転は、毎日必ず起きている現象です。
地球儀や実際の空を見ながら学ぶと、公式や用語も一気に覚えやすくなります。
しゅん吉クエストでは、こうした地学分野も、ユーモアと図解で分かりやすく解説しています。

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