南中高度の求め方と公式(春分秋分・夏至・冬至)【理科のコツ】

春分・秋分/夏至/冬至
南中高度の求め方と公式──夏至・冬至と23.4°の意味を図で理解する
南中高度は、春分・秋分を基準にして、夏至は23.4°を足し、冬至は23.4°を引いて求めます。日本付近の中学受験理科の問題では、この3つの公式を使い分けることが基本です。
このページでは、公式と計算例を先に確認し、自転・公転、地軸の傾き、季節によって太陽の高さが変わる理由を図とともに解説します。最後にはクイズで理解度を確かめ、次に学ぶ内容も選べます。
南中高度の公式と求め方を先に確認
日本付近の北緯の地点では、春分・秋分、夏至、冬至の南中高度を次の公式で求めます。
| 時期 | 南中高度の公式 | 考え方 |
|---|---|---|
| 春分・秋分 | 90° − 北緯 | 南中高度を考えるときの基準 |
| 夏至 | (90° − 北緯)+ 23.4° | 春分・秋分より太陽が高いため、23.4°を足す |
| 冬至 | (90° − 北緯)− 23.4° | 春分・秋分より太陽が低いため、23.4°を引く |
例:北緯35°の地点における南中高度
- 春分・秋分:90° − 35° = 55°
- 夏至:55° + 23.4° = 78.4°
- 冬至:55° − 23.4° = 31.6°
問題文で北緯が35°以外の場合も、日本付近の緯度であれば同じ手順で計算できます。まず春分・秋分の南中高度を求め、夏至なら23.4°を足し、冬至なら23.4°を引きます。
公式を使うときの注意:ここで紹介する公式は、日本付近のように太陽が南の空で南中する地点を想定しています。北半球でも赤道に近い地域では、季節によって太陽が北側で南中することがあり、同じ式をそのまま使えない場合があります。
公式を覚えるだけでなく、「なぜ夏至は足し、冬至は引くのか」まで理解すると、図を使った問題にも対応しやすくなります。
公式が分かったら、太陽の通り道も確認しよう
南中高度の計算ができても、「太陽はどの方角で南中するのか」「季節によって太陽の通り道はどう変わるのか」という図の問題では迷うことがあります。太陽の一日の動きを確認すると、南中高度と太陽の位置関係をつなげて理解できます。
このページで確認できること
- 南中高度と南中の意味
- 春分・秋分、夏至、冬至の公式
- 北緯35°を使った南中高度の計算例
- 自転・公転・年周運動の違い
- 地軸の傾き23.4°と四季の関係
- 夏至では足し、冬至では引く理由
- 中学受験理科で間違えやすいポイント
- クイズによる理解度の確認と次の学習先
公式だけを確認したい方は冒頭の表を利用し、理由から理解したい方はこのまま順に読み進めてください。
※動画では、太陽の年周運動と南中高度の考え方を、図を使って解説しています。
南中高度とは「太陽が最も高くなったときの角度」

太陽が一日の中で最も高い位置に見えることを、太陽が南中するといいます。日本など北半球の中緯度地域では、太陽は真南付近で南中します。
太陽が南中したときの、地平線と太陽の方向との間にできる角度が南中高度です。
- 夏:太陽が高い位置を通るため、南中高度が大きい
- 冬:太陽が低い位置を通るため、南中高度が小さい
南中高度は、季節によって変化する太陽の高さを角度で表したものです。図では、地平線を基準にして角度がどこに描かれているかを確認しましょう。
地球の動きと太陽の年周運動
太陽は毎日、東から昇って西へ沈むように見えます。さらに一年を通して観察すると、太陽が空を通る位置や南中高度も少しずつ変化します。
この太陽の一年を通した見かけの動きを、年周運動といいます。
自転と公転の違い
- 自転:地球が地軸を中心に回転する動き。約1日で1回転する
- 公転:地球が太陽の周りを回る動き。約1年で1周する
太陽の一日の見かけの動きには地球の自転が、太陽の一年を通した位置の変化には地球の公転が関係しています。季節によって南中高度が変化するのは、地球の公転に加えて地軸が傾いているためです。
自転・公転の区別があいまいな場合
太陽だけでなく、星の動きでも「日周運動」と「年周運動」の区別が問われます。自転と公転を確認したら、星の見かけの動きもあわせて復習すると、天体単元をつなげて理解しやすくなります。
地軸の傾き23.4°が季節の変化を生む
23.4°はどこを基準にした角度?
地球の自転軸である地軸は、公転面に垂直な方向から約23.4°傾いています。公転面そのものと地軸がつくる角度は、約66.6°です。

南中高度の公式に出てくる23.4°は、この地軸の傾きに関係しています。
地軸の傾きと四季の関係

- 北半球の夏至:北半球側が太陽の方向へ傾き、太陽光がより高い角度から当たる。南中高度が高く、昼の時間も長い
- 北半球の冬至:北半球側が太陽とは反対側へ傾き、太陽光が低い角度から斜めに当たる。南中高度が低く、昼の時間も短い
- 春分・秋分:夏至と冬至の中間にあたり、昼と夜の長さがほぼ同じになる
季節の違いは、太陽までの距離が大きく変化するためではなく、地軸の傾きによって太陽光の当たる角度や昼の長さが変わるために生じます。
南中高度の公式を図のイメージと結びつける

図を見るときは、まず春分・秋分の太陽の高さを基準にします。そのうえで、夏至の太陽が基準より高い位置にあるか、冬至の太陽が基準より低い位置にあるかを確認しましょう。基準から上がる分は足し、下がる分は引くと考えると、公式を選びやすくなります。
春分・秋分は「90° − 北緯」
春分・秋分では、南中高度は90° − 観測地点の北緯で求めます。図では、夏至と冬至の中間にある太陽の高さが基準です。
たとえば北緯35°なら、90° − 35° = 55°です。
夏至は23.4°を足す
図の夏至の位置を見ると、太陽は春分・秋分より高い位置を通っています。日本付近では、基準より南中高度が高くなるため、春分・秋分の南中高度に23.4°を足します。
(90° − 北緯)+ 23.4°
冬至は23.4°を引く
図の冬至の位置を見ると、太陽は春分・秋分より低い位置を通っています。基準より南中高度が低くなるため、春分・秋分の南中高度から23.4°を引きます。
(90° − 北緯)− 23.4°
間違えやすいポイント
公式は3パターンですが、対応する日は春分・秋分・夏至・冬至の4つです。春分と秋分では同じ公式を使うため、公式の種類は3つになります。
南中高度でつまずきやすいポイント
南中高度は、公式だけを暗記すると、問題文が少し変わったときに式を選べなくなることがあります。次の3点を確認しましょう。
- 北緯の意味:赤道を0°として、北へどれだけ離れているかを表す角度
- 春分・秋分が基準:夏至は太陽が高くなるので足し、冬至は低くなるので引く
- 角度の位置:南中高度は地平線と太陽の方向との間の角度
計算を始める前に、問題の日付が春分・秋分、夏至、冬至のどれに当たるかを確認すると、式を選びやすくなります。
公式は分かるのに、図を使った問題で迷う場合
南中高度の計算ができても、太陽の通り道や地軸の傾きを図から読み取る問題では、考え方を整理する必要があります。自分で復習しても理解がつながらない場合は、中学受験理科の個別指導でどのような学習に対応しているかを確認する方法もあります。
ポイントまとめ
| 南中高度 | 太陽が南中したときの、地平線と太陽の方向との間の角度。 |
|---|---|
| 自転 | 地球が地軸を中心に回る動き。太陽の一日の見かけの動きに関係する。 |
| 公転 | 地球が太陽の周りを回る動き。地軸の傾きと組み合わさり、季節による太陽の高さや昼の長さの変化に関係する。 |
| 地軸の傾き | 地軸は公転面に垂直な方向から約23.4°傾いている。 |
| 南中高度の公式 |
※日本付近の緯度を想定した公式です。 |
南中高度のよくある疑問を整理しよう
公式を使うときに迷いやすい点を整理します。疑問を確認したあとでクイズに進むと、公式と理由が理解できているかを確かめやすくなります。
夏至の南中高度では、なぜ23.4°を足すのですか?
日本付近では、夏至の太陽が春分・秋分より高い位置を通るためです。春分・秋分の南中高度を基準にして、地軸の傾きに関係する23.4°を足します。
冬至の南中高度では、なぜ23.4°を引くのですか?
日本付近では、冬至の太陽が春分・秋分より低い位置を通るためです。春分・秋分の南中高度を基準にして、23.4°を引いて求めます。
春分と秋分で同じ公式を使うのはなぜですか?
春分と秋分には、太陽が赤道の真上に位置します。そのため、北緯の地点での南中高度は、どちらも「90° − 北緯」で求められます。
北緯35°の地点では、夏至と冬至の南中高度は何度ですか?
春分・秋分の南中高度は90° − 35° = 55°です。夏至は55° + 23.4° = 78.4°、冬至は55° − 23.4° = 31.6°です。
クイズで確認しよう
学んだ内容をクイズで確認してみましょう。まず自分で答えを選び、「正解を見る」を押して確認してください。最後には南中高度を実際に計算する問題もあります。
問題1.地球の自転とは何を指しますか?
- A.地球が太陽の周りを回る動き
- B.地球が地軸を中心に回る動き
- C.月が地球の周りを回る動き
- D.太陽が地球の周りを回る動き
正解を見る
正解:B
自転は地球が地軸を中心に回る動きです。太陽の一日の見かけの動きに関係します。
問題2.北半球に四季が生じる主な理由として正しいものはどれですか?
- A.地球が自転しているから
- B.地球が公転し、地軸が傾いているから
- C.夏だけ太陽に大きく近づくから
- D.地球の自転速度が季節ごとに変わるから
正解を見る
正解:B
地球の公転と地軸の傾きによって、太陽光の当たる角度や昼の長さが季節ごとに変化します。
問題3.地軸は、公転面に垂直な方向から約何度傾いていますか?
- A.15.4°
- B.23.4°
- C.33.4°
- D.66.6°
正解を見る
正解:B
公転面に垂直な方向から約23.4°、公転面との角度は約66.6°です。
問題4.日本付近で南中高度が最も高くなるのはいつですか?
- A.冬至
- B.夏至
- C.春分
- D.秋分
正解を見る
正解:B
夏至には太陽が一年の中で最も高い位置で南中します。
問題5.春分・秋分の昼と夜の長さは、どのようになりますか?
- A.昼が長い
- B.夜が長い
- C.ほぼ同じ長さになる
- D.日によって必ず大きく異なる
正解を見る
正解:C
春分・秋分には、昼と夜の長さがほぼ同じになります。
問題6.夏至の南中高度を求めるとき、春分・秋分の式に加える角度は何度ですか?
- A.15.4°
- B.23.4°
- C.33.4°
- D.66.6°
正解を見る
正解:B
日本付近では、夏至の南中高度は春分・秋分の南中高度に23.4°を足して求めます。
問題7.北半球の冬至に南中高度が低くなる理由として正しいものはどれですか?
- A.地軸が公転面に対して垂直だから
- B.北半球側が太陽とは反対側へ傾き、太陽光が低い角度から当たるから
- C.地球の公転速度が大幅に遅くなるから
- D.太陽までの距離だけで季節が決まるから
正解を見る
正解:B
冬至には北半球側が太陽とは反対側へ傾くため、日本付近では南中高度が低くなります。
問題8.日本付近における春分・秋分の南中高度の公式はどれですか?
- A.90° − 北緯
- B.(90° − 北緯)+ 23.4°
- C.(90° − 北緯)− 23.4°
- D.90° + 北緯
正解を見る
正解:A
春分・秋分の南中高度は「90° − 北緯」で求めます。
問題9.日本付近で南中高度が最も低くなるのはいつですか?
- A.夏至
- B.冬至
- C.春分
- D.秋分
正解を見る
正解:B
冬至には太陽が一年の中で最も低い位置で南中します。
問題10.北半球が夏至のころ、南半球はどの季節ですか?
- A.夏
- B.冬
- C.春
- D.秋
正解を見る
正解:B
北半球と南半球では季節が反対になります。
問題11.北緯40°の地点で、夏至の南中高度は何度になりますか?
公式を使って計算してから答えを確認しましょう。
- A.26.6°
- B.50°
- C.73.4°
- D.90°
正解と計算方法を見る
正解:C.73.4°
春分・秋分:90° − 40° = 50°
夏至:50° + 23.4° = 73.4°
最初に春分・秋分の南中高度を求めてから、夏至なので23.4°を足します。
答えを確認したら、下の「クイズの結果に合わせて次の学習を決めよう」から、間違えた内容に応じた復習先を選んでください。
クイズの結果に合わせて次の学習を決めよう
点数だけでなく、どの内容で迷ったかを確認しましょう。計算の間違い、天体の動きの理解、図の読み取りでは、復習する内容が異なります。
公式・計算を間違えた場合
問題6・8・11で迷った場合は、春分・秋分を基準にして、夏至は23.4°を足し、冬至は23.4°を引く流れを確認しましょう。特に問題11は、実際に計算できるかを確かめる問題です。
自転・公転や季節の理由を間違えた場合
問題1〜5・7・9・10で迷った場合は、地球の動きと季節の関係を復習しましょう。自転と公転の区別が難しい場合は、星の見かけの動きも確認すると理解を深められます。
図の読み取りや応用問題に不安が残る場合
このクイズは公式と基本知識の確認が中心です。図の読み取りまで十分に判定できるものではありません。図を使った問題で考え方が整理できない場合は、個別指導の講座内容を確認することもできます。
まとめ──公式と図をセットで覚えよう
南中高度は、公式を丸暗記するだけでなく、季節によって太陽の高さが変わる理由と結びつけて理解することが大切です。
- 南中高度は、太陽が南中したときの地平線からの角度
- 地軸は、公転面に垂直な方向から約23.4°傾いている
- 春分・秋分の公式は90° − 北緯
- 日本付近では、夏至は23.4°を足し、冬至は23.4°を引く
- 公式は3パターンで、対応する日は春分・秋分・夏至・冬至の4つ
問題を解くときは、季節を確認し、春分・秋分を基準に太陽が高くなるか低くなるかを考えてから式を選びましょう。計算ができたら、太陽の通り道を図から読み取る問題にも取り組んでみてください。


