天気の観測の基本|百葉箱・風向き・天気記号【理科のコツ】
テーマ:百葉箱・湿度・風向・天気記号
百葉箱と天気記号の基本|高さ・向き・湿度・風向・雲量を整理
百葉箱とは、屋外の気温や湿度を、直射日光や地面からの熱の影響をできるだけ避けて測るための白い箱です。
天気の観測では、百葉箱の高さや扉の向き、乾球・湿球温度計、風向、雲量、快晴・晴れ・くもりの天気記号がまとめて出題されることがあります。
この記事では、用語を覚えるだけでなく、「なぜそうするのか」「問題ではどこを見ればよいのか」まで、小学生理科で間違えやすいポイントを整理します。
※この記事で扱う天気記号は、雲量で分ける快晴・晴れ・くもりが中心です。
最初に確認したい4つのポイント
まずは、天気の観測で間違えやすいポイントを確認しましょう。本文では、それぞれの理由や読み方を順番に説明します。
| 項目 | 基本事項 | 問題で注意すること |
|---|---|---|
| 百葉箱 | 気温や湿度を、周囲の影響をできるだけ避けて測るための箱。 | 高さは、温度計の球部や感温部を基準にする。 |
| 乾球・湿球温度計 | 乾球温度と湿球温度の差が大きいほど空気は乾燥し、差が小さいほど湿度は高い。 | 湿度表では、乾球温度と温度差の交点を読む。 |
| 風向 | 「南東の風」は、南東から吹いてくる風。 | 矢印の進む先ではなく、風が来る方向を確認する。 |
| 雲量と天気記号 | 雨や雪などがない場合、快晴は0~1、晴れは2~8、くもりは9~10。 | 雲量8は「晴れ」に分類される。 |
1. 百葉箱とは|役割・中の器具・設置条件
百葉箱は「何を測る箱か」だけでなく、「なぜ白いのか」「なぜすき間があるのか」「高さや扉の向きは何を基準にするのか」まで確認しましょう。

百葉箱とは何か・何を測るのか
百葉箱は、屋外の気温や湿度を、できるだけ同じ条件で観測するための箱です。
一般の箱とは異なり、直射日光や雨が入りにくく、周囲の空気が通るように作られています。箱の中に熱を閉じ込めるのではなく、外気に近い状態を保ちながら温度計を守ることが目的です。
学校では、気温の測り方や観測条件を学ぶために使われることがあります。実際に使われる観測機器や方法は、施設によって異なります。
百葉箱の中に入っている器具
百葉箱の中に置く器具は観測の目的によって異なります。この記事では、湿度の学習で使う次の2つを確認します。
画面に収まらない場合は、表を横方向に動かして確認できます。
| 器具 | つくり | 分かること |
|---|---|---|
| 乾球温度計 | 球部を乾いた状態で空気中に置く。 | 空気の温度を測る。 |
| 湿球温度計 | 球部に湿らせた布を巻く。 | 乾球との温度差から湿度を調べる。 |
百葉箱を設置する高さ・向き・場所
観測結果を比べやすくするには、設置する高さや周囲の環境をそろえることが大切です。問題では、数字だけでなく「何の影響を避けるためか」も問われることがあります。
高さ
温度計の球部や感温部が、地面から約1.2~1.5mになるようにします。
箱の屋根や脚を基準にした高さではありません。地面付近の熱の影響を小さくし、決められた条件で比べるためです。
扉の向き
日本では、扉を北向きにするのが基本です。
観測のために扉を開けたとき、温度計に直射日光が当たりにくくするためです。
地面の状態
芝生や土など、強い照り返しが起こりにくい場所を選びます。
アスファルトやコンクリートからの照り返しや放射熱を避けるためです。
周囲の環境
建物や樹木のすぐそばを避け、周囲の空気が通る場所に置きます。
壁から出る熱や、空気がこもることによる影響を小さくするためです。
約1.2~1.5mは温度計の感温部を基準にした高さです。また、「北側に設置する」のではなく、扉が開く方向を北向きにします。
百葉箱が白く、すき間がある理由
- 白く塗られている:日光を反射し、箱自体が熱くなるのを抑えるため
- 壁にすき間がある:日光や雨を入りにくくしながら、周囲の空気を通すため
- 地面から離している:地面から伝わる熱の影響を受けにくくするため
2. 乾球・湿球温度計と湿度表の基本的な読み方
湿度の問題では、乾球温度と湿球温度を確認した後、2つの温度差を求めてから湿度表を読みます。この記事では、問題に出てくる湿度表を読む前の基本手順を確認します。
乾球と湿球の温度差で湿度を調べる仕組み
- 乾球温度計:球部を乾いた状態で使う温度計
- 湿球温度計:球部に湿らせた布を巻いた温度計
湿球の布に含まれる水が蒸発するとき、周囲から熱を奪います。そのため、通常は湿球温度計の方が低い温度を示します。
空気が乾燥しているほど水が蒸発しやすく、湿球の温度が大きく下がります。
温度差が小さい
水は蒸発しにくい
湿度は高い
温度差が大きい
水は蒸発しやすい
湿度は低い
温度差が0℃
蒸発による温度低下が起こらない
湿度は100%
乾球温度と湿球温度から湿度表を読む例
たとえば、乾球温度が20℃、湿球温度が17℃だった場合は、次の順番で読みます。
- 乾球温度が20℃であることを確認する。
- 湿球温度が17℃であることを確認する。
- 20-17を計算し、温度差が3℃であることを求める。
- 湿度表で、乾球温度20℃の行を探す。
- 温度差3℃の列と交わる数字を読む。
| 確認するもの | この例 | 見る場所 |
|---|---|---|
| 乾球温度 | 20℃ | 湿度表の行を探す。 |
| 湿球温度 | 17℃ | 乾球温度との差を求める。 |
| 温度差 | 3℃ | 湿度表の列を探す。 |
この記事には特定の湿度表を掲載していないため、ここでは温度差の計算と、表の交点を探すところまでを確認します。実際の湿度は、問題に掲載されている湿度表の交点から読み取ってください。
乾球と湿球が同じ温度を示す場合、学校理科の問題では湿度100%として整理します。
動画で百葉箱と湿度の仕組みを復習する
百葉箱や乾球・湿球温度計の仕組みを図とともに確認したい場合は、しゅん吉先生の解説動画も活用できます。
本文を読んだ後に動画で見直すと、温度差と湿度の関係を整理しやすくなります。
図や表の問題で手が止まる場合
百葉箱の高さや向き、湿度表、風向の問題は、暗記だけでなく理由と読み取り方がセットで問われることがあります。
本文を読んでも問題で迷う場合は、どこで読み違えているかを確認しながら練習すると、解き方を整理しやすくなります。
3. 十六方位と風向の読み方
風向は「風がどちらへ進むか」ではなく、「どちらから吹いてくるか」で答えます。矢印がある問題では、矢印の出発側を確認しましょう。
風向は、風が進んでいく方向ではなく、風が吹いてくる方向で表します。
十六方位とは
東・西・南・北の4方位をさらに細かく分けたものが十六方位です。風が吹いてくる方向を詳しく表すときに使います。
- 北と北西の間:北北西
- 北西と西の間:西北西
- 北と北東の間:北北東
- 北東と東の間:東北東
「南東の風」はどちらから吹くのか
「南東の風」は、南東へ向かう風ではありません。南東から北西へ吹く風です。
「〇〇の風」=〇〇の方向から吹いてくる風
矢印の問題では、矢印が向かう先だけでなく、矢印の出発側がどの方角にあるかを確認しましょう。
4. 雲量と基本的な天気記号
ここでは、雲量で分ける快晴・晴れ・くもりの基本的な天気記号を扱います。雨・雪・霧・雷などを含む天気記号全体の一覧ではありません。
雲量で決まる快晴・晴れ・くもり
空全体を10としたとき、雲が空を覆っている割合を雲量といいます。
快晴:0~1 / 晴れ:2~8 / くもり:9~10
雲量が5の場合、空の半分ほどに雲があっても天気は「晴れ」です。雲が見えるだけで「くもり」になるわけではありません。
快晴
雲量0~1
記号:○
晴れ
雲量2~8
記号:○に縦線
くもり
雲量9~10
記号:◎
画面に収まらない場合は、表を横方向に動かして確認できます。
| 天気 | 雲量 | 間違えやすい点 |
|---|---|---|
| 快晴 | 0~1 | 雲量が1でも快晴に分類される。 |
| 晴れ | 2~8 | 雲量が8でも晴れに分類される。 |
| くもり | 9~10 | 空のほとんどが雲で覆われた状態。 |
雨や雪などがある場合
快晴・晴れ・くもりは、雨や雪などがない場合に、雲量を使って分類します。雨や雪が降っている場合は、雲量だけで天気を決めるのではなく、実際に起きている現象も確認します。
雨・雪・霧・雷などの記号が出る問題では、使用している教材や問題に掲載された凡例を確認しましょう。
天気記号と天気予報マークの違い
天気記号は、観測記録や天気図などで天気を一定の決まりに従って表す記号です。
天気予報マークは、テレビやアプリなどで予想される天気を伝えるための表示です。理科の問題では、普段見ている予報マークではなく、問題に示された記号や凡例を基準に答えましょう。
学習内容のまとめ
- 百葉箱:感温部の高さ、扉の向き、地面、風通しをそろえて観測する。
- 湿度:乾球と湿球の温度差が大きいほど低く、温度差が0℃なら100%。
- 風向:風が吹いてくる方向を答える。
- 雲量:雨や雪などがない場合、0~1は快晴、2~8は晴れ、9~10はくもり。
天気の観測クイズで理解度を確認
各問題を考えた後に「答えと解説を見る」を開いてください。間違えた問題は、用語ではなく「理由」や「図表の読み方」で迷っていないかを確認しましょう。
問題1 百葉箱の設置方法として適切なものはどれですか。
A. 感温部を地面すれすれにし、舗装面に置く
B. 感温部を地面から約1.2~1.5mにし、風通しのよい場所に置く
C. 建物の壁に密着させる
D. 扉を必ず南向きにする
答えと解説を見る
答え:B
地面や建物からの熱の影響を小さくし、周囲の空気が通る条件で観測します。
問題2 日本で百葉箱の扉を北向きにする理由はどれですか。
A. 北風を集めるため
B. 扉を開けたときに直射日光が入りにくくするため
C. 雨を集めるため
D. 温度計を温めるため
答えと解説を見る
答え:B
観測時に温度計へ直射日光が当たりにくくするためです。
問題3 湿度を調べるときに使う器具の組み合わせはどれですか。
A. 乾球温度計と湿球温度計
B. 方位磁針と雨量計
C. 顕微鏡と望遠鏡
D. 地震計と風速計
答えと解説を見る
答え:A
乾球温度と湿球温度の差を湿度表に当てはめて湿度を調べます。
問題4 乾球温度が20℃、湿球温度が17℃のとき、温度差は何℃ですか。
A. 2℃
B. 3℃
C. 17℃
D. 37℃
答えと解説を見る
答え:B
20-17=3なので、温度差は3℃です。
問題5 乾球と湿球が同じ温度を示したとき、湿度は何%ですか。
A. 0%
B. 25%
C. 50%
D. 100%
答えと解説を見る
答え:D
温度差が0℃の場合、学校理科の問題では湿度100%として扱います。
問題6 北北西は、どの方位とどの方位の間ですか。
A. 北と北東
B. 北と北西
C. 北西と西
D. 南と南西
答えと解説を見る
答え:B
北北西は、北と北西の間にある方位です。
問題7 「南東の風」とは、どのような風ですか。
A. 南東へ向かう風
B. 南東から吹いてくる風
C. 北東から吹いてくる風
D. 南から東へ曲がる風
答えと解説を見る
答え:B
風向は、風が吹いてくる方向で表します。
問題8 雨や雪などがなく、雲量が8のときの天気はどれですか。
A. 快晴
B. 晴れ
C. くもり
D. 必ず雨
答えと解説を見る
答え:B
晴れは雲量2~8です。雲量8でも晴れに分類されます。
クイズで間違えたところがあった方へ
天気の観測は、用語を覚えていても、湿度表や風向の矢印、雲量の分類で読み違えることがあります。
苦手な単元を問題演習で確認したい場合は、復習の進め方も参考にしてください。
百葉箱と天気の観測に関するよくある質問
百葉箱とは何をするための箱ですか
直射日光や地面の熱の影響を避けながら、屋外の気温や湿度を測るための箱です。
百葉箱の中には何が入っていますか
この記事では、空気の温度を測る乾球温度計と、湿度を調べるための湿球温度計を扱っています。
百葉箱はなぜ地面から1.2~1.5mの高さにするのですか
地面の熱の影響を小さくし、同じ高さで観測結果を比べるためです。温度計の感温部を基準にします。
百葉箱の扉はなぜ北向きなのですか
日本では、扉を開けたときに温度計へ直射日光が当たりにくくするため、北向きにします。
湿度表はどこを見ればよいですか
乾球温度の行と、乾球温度から湿球温度を引いた温度差の列が交わるところを読みます。実際の問題では、問題に掲載されている湿度表を使って答えます。
乾球と湿球の温度が同じとき、湿度は何%ですか
学校理科の問題では、湿度100%として扱います。
「南東の風」はどちらへ吹く風ですか
南東から北西へ吹く風です。風向は、風が吹いてくる方向で表します。
雲量8は晴れですか、くもりですか
雨や雪などがない場合、雲量2~8は晴れなので、雲量8は晴れです。
この記事ではすべての天気記号を扱っていますか
この記事では、快晴・晴れ・くもりを中心に扱っています。雨・雪・霧・雷などの記号が出る問題では、教材や問題に掲載された凡例を確認してください。
天気記号と天気予報マークは同じですか
同じとは限りません。理科の問題では、問題に示された記号や凡例を確認してください。
覚えた用語を問題で使えるようにしたい方へ
天気の観測は、用語を覚えただけでは、図や表を使った問題で迷うことがあります。
百葉箱の設置条件を理由まで説明できない、湿度表をうまく読めない、風向の矢印を反対に読んでしまう場合は、どの部分を十分に理解できていないかを確認することが大切です。
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