【理科のコツ】太陽と1年の動きと南中高度
太陽の年周運動と南中高度
太陽と1年の動き・南中高度の求め方──「自転・公転・地軸の傾き」をイメージでつなぐ
太陽の通り道と季節の変化、そしてテスト頻出の南中高度の計算。公式だけを覚えようとしても、
「なぜそうなるのか?」が分からないとすぐに忘れてしまいます。
この記事では、しゅん吉先生の解説をもとに、地球の動き(自転・公転)、
地軸の傾きと四季、南中高度の意味と公式をセットで整理します。
キーワード「年周運動」「23.4°の傾き」をおさえながら、テストで使えるレベルまで仕上げていきましょう。
※動画では、太陽の年周運動と南中高度の考え方を、図を使って分かりやすく解説しています。
地球の動きと「年周運動」
先生:太陽と1年の動き、そして南中高度について話していきます。
太陽の1年の動きの事を年周運動と言ったりします。
太陽は毎日東から昇って西に沈みますが、一年を通して見ると「通り道」が少しずつ変化します。
この太陽の1年を通した見かけの動きを、
年周運動と呼びます。
自転と公転を区別しよう
- 自転:地球が自分自身の軸を中心に回転する動き(1回転=約1日)
- 公転:地球が太陽の周りを回る動き(1周=約1年)
太陽の年周運動や季節の変化を考えるときは、「自転」と「公転」をはっきり分けて考えることが大切です。
地軸の23.4°の傾きが四季をつくる
地軸はなぜ傾いている?
地球儀をよく見ると、地球はまっすぐではなく少し傾いた状態で固定されています。
これは実際の地球の姿を表していて、
地軸が公転面に対して約23.4°傾いていることを意味します。
この23.4°の傾きによって、太陽の光の当たり方が季節ごとに変わり、
北半球と南半球で季節が逆転する現象も生まれます。
四季と太陽の高さの関係
地軸が傾いているため、
- 夏至(北半球):北半球が太陽側に傾き、太陽の高さ(南中高度)が高く、日照時間も長い → 真夏
- 冬至(北半球):北半球が太陽から遠ざかる向きになり、南中高度が低く、日照時間も短い → 真冬
- 春分・秋分:昼と夜の長さがほぼ同じ。北半球・南半球ともに太陽の当たり方が中間。
地軸の傾きが四季を生み出す、というイメージを持っておきましょう。
南中高度とは?──「太陽が一番高いときの角度」
太陽が一日のあいだで最も高くなるとき、太陽は真南の方向に見えます。
このときを「太陽が南中した」と言い、そのときの地面と太陽のなす角度を
南中高度と言います。
- 夏:太陽は高い位置を通る → 南中高度が大きい → 日差しが強く暑い
- 冬:太陽は低い位置を通る → 南中高度が小さい → 日差しが弱く寒い
南中高度は、「季節ごとの太陽の高さ」を数字で表したものと考えるとイメージしやすくなります。
南中高度の計算公式(北半球用)
中学受験では、北半球・北緯の地点での南中高度の計算がよく出題されます。
覚えるべき公式は、次の3パターンです。
| 時期 | 南中高度の公式(北半球) | ポイント |
|---|---|---|
| 春分・秋分 | 90° − 北緯 |
「ふつうモード」。基準になる高さ。 例:北緯35°なら、90° − 35° = 55° |
| 夏至 | (90° − 北緯)+ 23.4° |
地軸の傾き23.4°分、太陽が高くなる。 「春分・秋分の高さに 23.4° を足す」イメージ。 |
| 冬至 | (90° − 北緯)− 23.4° |
地軸の傾き23.4°分、太陽が低くなる。 「春分・秋分の高さから 23.4° を引く」イメージ。 |
先生の解説でも、
- 春分・秋分:90° − 北緯
- 夏至:(90° − 北緯)+ 23.4°
- 冬至:(90° − 北緯)− 23.4°
と整理されています。
入試問題では、ほぼこの3日(春分・秋分・夏至・冬至)だけが出題されると考えてOKです。
(南半球や南緯での応用問題もありますが、まずは北半球を完璧にしましょう。)
ポイントまとめ
| 1. 地球の動き |
地球は自転と公転をしている。 自転は地球が自分自身を回る動き、公転は太陽の周りを回る動き。 太陽の1年の見かけの動きを年周運動という。 |
| 2. 地軸の傾き |
地軸は公転面に対して23.4°傾いている。 この傾きが、北半球と南半球で季節が逆になるなど、四季を生み出す原因。 |
| 3. 四季と太陽の位置 |
夏至では北半球が太陽側に傾き、南中高度が高い(夏)。 冬至では北半球が太陽から遠ざかる向きになり、南中高度が低い(冬)。 |
| 4. 春分・秋分 |
昼と夜の長さがほぼ等しい日。 この日の南中高度は、90° − 観測地の緯度(北緯)で求める。 |
| 5. 南中高度の計算 |
|
クイズでチェック!太陽の動きと南中高度
学んだ内容をクイズで確認してみましょう。
「正解を見る」ボタンを押すと答えが表示され、ボタンは消えます。
| 問題 | 選択肢 |
|---|---|
| 1. 地球の自転とは何を指しますか? |
A. 地球が太陽の周りを回る動き B. 地球が自分の軸を中心に回る動き C. 月が地球を回る動き D. 太陽が地球を回る動き |
| 2. 公転が原因で発生する現象はどれですか? |
A. 一日が24時間であること B. 四季の変化 C. 太陽の南中高度 D. 昼と夜の長さの変化 |
| 3. 地軸の傾きは何度ですか? |
A. 15.4° B. 23.4° C. 33.4° D. 43.4° |
| 4. 南中高度が最も高くなるのはいつですか? |
A. 冬至 B. 夏至 C. 春分 D. 秋分 |
| 5. 春分と秋分の日の昼と夜の長さはどうなりますか? |
A. 昼が長い B. 夜が長い C. 昼と夜が等しい D. どちらでもない |
| 6. 南中高度の公式で、夏至の際に加える角度は何度ですか? |
A. 15.4° B. 23.4° C. 33.4° D. 43.4° |
| 7. 北半球の冬至で南中高度が小さい主な理由は? |
A. 地軸が垂直だから B. 地軸が傾いているから C. 公転速度が遅いから D. 太陽が特別遠くなるから(中学レベルでは原因としない) |
| 8. 春分の日の南中高度を計算する公式は?(北半球) |
A. 90° − 北緯 B. (90° − 北緯)+ 23.4° C. (90° − 北緯)− 23.4° D. 90° + 北緯 |
| 9. 南中高度が低い時期に関連するのは? |
A. 夏至 B. 冬至 C. 春分 D. 秋分 |
| 10. 南半球で冬至の時期は、北半球ではどの季節ですか? |
A. 夏 B. 冬 C. 春 D. 秋 |
まとめ──公式だけでなく「イメージ」で覚える
太陽と1年の動き・南中高度の分野は、公式を丸暗記するだけでなく、
「地球がどう動いているのか」「なぜその季節になるのか」というイメージとセットで覚えることが大切です。
- 自転・公転・年周運動の違いをはっきりさせる
- 地軸の23.4°の傾きが四季と南中高度の変化を生む、と理解する
- 南中高度の3つの公式(春分・秋分/夏至/冬至)を、図とセットで暗記する
図や地球儀を使って、「太陽の高さ」と「季節」の関係を何度もイメージすると、
計算問題も「意味が分かったうえで解ける」ようになっていきます。
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