【理科のコツ】圧力・水圧・気圧

中学受験理科/物理分野
圧力・水圧・気圧

圧力・水圧・気圧とは?──「力÷面積」の感覚から理解する物理入門

「圧力って力と何が違うの?」「気圧や水圧って、どうやってイメージすればいい?」──
そんな疑問を、式(圧力=力÷面積)身近なたとえで整理していきます。

この記事では、しゅん吉先生の動画解説をもとに、圧力・気圧・水圧の基本
「面積が広いと圧力が小さく感じる」感覚をセットでまとめました。最後にクイズもあるので、
入試レベルまで一気にチェックしていきましょう。

※動画では、圧力・水圧・気圧のイメージと公式を、身近なたとえを使って解説しています。

圧力と力の違い──「どれだけ」「どのくらいの面積で」

力の単位と圧力の単位

まずは、「力」と「圧力」は別物であることをはっきり区別しましょう。

  • 力:ものを押したり引いたりする「ぐいっ」の大きさ。N(ニュートン)で表す。
  • 圧力:その力が、どれくらいの面積にかかっているかまで含めた量。Pa(パスカル)で表す。

圧力の式とイメージ

圧力は、次の式で定義されます。

圧力 = 力 ÷ 面積
(単位: 1 Pa = 1 N/m²)

分数で見ると難しく感じますが、イメージはとてもシンプルです。

  • 同じ力でも、面積が狭いほど「グサッ」と食い込む → 圧力が大きい
  • 同じ力でも、面積が広いほど「ふわっと」分散 → 圧力が小さい

先生のたとえで言うと、
1人だけでお説教を受けるより、5人兄弟で一緒に怒られた方が「1人あたりの圧力」は軽く感じる……というイメージです。

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気圧・大気圧──「空気の重さ」による圧力

私たちは、常に空気の重さによって押されています。この空気による圧力を
大気圧(気圧)といいます。

  • 手のひらの上には、実は約10kg分の空気の重さが乗っているイメージ。
  • しかし、上下左右あらゆる方向から空気に押されているため、ふだんは押されている実感がありません。
  • これを先生は、「プラマイゼロの状態」と説明しています。

気圧は、物理だけでなく地学(天気)の単元でも登場します。
「等圧線」「高気圧・低気圧」などの用語とセットで、入試で頻出の重要キーワードです。

水圧──水の重さによる圧力

水の中に潜ると、体全体が水からぐっと押される感覚があります。これが水圧です。

  • 水圧:水によって加えられる圧力。
  • 深く潜るほど、上からの水の量(重さ)が増える → 水圧は大きくなる
  • 水槽の側面に穴を開けると、深いところの穴ほど水が勢いよく飛び出すことで確かめられる。

実験や映像で、穴の高さと水の勢いをセットで見ておくと、入試問題でもイメージしやすくなります。

圧力と面積の関係──「同じ力でも感じ方が違う」

圧力の式 「圧力=力÷面積」から分かるように、
面積が広いか狭いかで圧力の大きさは大きく変わります。

  • 面積が広い → 力が分散 → 圧力は小さく感じる
  • 面積が狭い → 力が集中 → 圧力は大きく感じる

ハイヒールのかかと・画びょうの針先・雪に沈みにくいスノーシューなど、
日常の例を思い出しながら「面積と圧力」の関係を押さえておきましょう。

圧力・水圧・気圧のポイントまとめ

ポイント 内容
圧力とは? ・力を面積で割った値。
・単位はPa(パスカル)
・計算式:圧力 = 力 ÷ 面積
・1 Pa = 1 N/m² と表せる。
気圧(大気圧) ・空気による圧力。
・手の上には約10kg分の空気が乗っているイメージ。
・上下左右から押されていて、プラマイゼロのためふだんは感じにくい。
水圧 ・水中で水から受ける圧力。
深くなるほど水圧は大きくなる
・水槽の深い位置の穴ほど、水が勢いよく飛び出す現象で体感できる。
圧力と面積の関係 ・面積が広いほど、圧力は小さく感じる。
・面積が狭いほど、圧力は大きく感じる。
応用分野 ・気圧は地学(天気)の単元でも登場。
・実験や身近な例と結びつけると、体感的に理解しやすくなる。
・物理分野の他、地学分野の入試問題でも頻出。

クイズでチェック!圧力・水圧・気圧

学んだ内容をクイズで確認してみましょう。
「正解を見る」ボタンを押すと答えが表示され、ボタンは消えます。

問題 選択肢 正解を見る
1. 圧力の単位は? A. N(ニュートン)
B. Pa(パスカル)
C. kg
D. m²

2. 圧力の計算式として正しいものは? A. 力 × 面積
B. 力 ÷ 面積
C. 面積 ÷ 力
D. 面積 × 体積

3. 気圧とは何による圧力ですか? A. 水
B. 空気
C. 重力
D. 温度

4. 深い水中で水圧はどうなりますか? A. 減少する
B. 増加する
C. 変わらない
D. 温度に依存する

5. 面積が広いほど圧力はどうなりますか? A. 増加する
B. 減少する
C. 変わらない
D. 面積と無関係

6. 1平方メートルあたりの力を表す物理量は? A. 力
B. 圧力
C. 重量
D. エネルギー

7. 水圧が発生する主な理由は? A. 水の重さ
B. 空気の密度
C. 重力の減少
D. 温度変化

8. 気圧の単位は何ですか? A. ニュートン
B. パスカル
C. グラム
D. キログラム

9. 気圧と水圧の主な違いは? A. 液体か気体か
B. 温度の影響
C. 力の方向
D. 体積の変化

10. 特に「気圧」が多く出題される分野は? A. 化学
B. 生物学
C. 地学(天気)
D. 数学

まとめ──「式+イメージ」で圧力を味方にする

圧力・水圧・気圧の単元は、公式を覚えるだけでは点数が伸びにくいところです。
だからこそ、

  • 圧力=力÷面積という式を、身近な例でイメージし直す
  • 気圧は空気、水圧は水の重さというシンプルな本質をおさえる
  • 地学(天気)と物理の両方で出てくることを意識して復習する

この3点を意識すると、計算問題だけでなく文章問題や実験問題にも強くなるはずです。
ぜひ動画とセットで、何度も確認してみてください。

物理が「公式丸暗記」になっているなら、一度立ち止まってみませんか?

圧力・浮力・力学的エネルギーなど、イメージが大事な単元は、
図やたとえ話を通して「なぜそうなるのか」を理解すると、一気に得点源になります。

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